2008 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」を翌日に控えた5月2日、富士スピードウェイ(静岡県)で、公式練習走行が実施された。走行は午前と午後の2回行われ、午前中はドライ、午後はウェットでの走行となった。
□練習走行 1回目 天候:曇 | コース:ドライ | 気温16度 | 路面温度19度
練習走行1回目は9時から。上空は雲に覆われていたが、ときおりごく小さな雨粒がぽつりぽつりと落ちてくる程度で、本格的に雨が降ることはなかった。開始時点での気温は16度、路面温度は19度。
GT500クラスでは、今回特別性能調整が実施され、GT-R勢の基本重量が1180kgまで増えた。対するNSX勢は1140kg、SC430勢は1100kgに減量された。開幕戦、第2戦では予選、決勝を通じてGT-R勢が他を圧倒したため、その結果を受けての性能調整。これによって車種ごとの性能差はほとんどなくなったものと思われる。
このセッションではGT-R勢はNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-Rの7番手が最上位。他はすべて10番手以下に沈んでいる。とはいえタイムは1分35秒台で、NSX勢、SC430勢の大半と変わらない。ただし、No.23 XANAVI NISMO GT-Rは1分37秒台で16番手。15番手のNo.1 ARTA NSXに1.4秒以上遅れており、さすがに115kgのウェイトハンデ(車両総重量1200kgを超える分はリストリクター径縮小で相殺)が応えているようだ。
このセッションでトップタイム(1分34秒816)をマークしたのはNo.100 RAYBRIG NSX。セッション半ば過ぎまではNo.35宝山KRAFT SC430がトップだったが、終盤に逆転した。3番手はNo.17 REAL NSX。この3台までが1分34秒台で、4番手以下14番手までが1分35秒台だった。
GT300クラスではNo.4 EBBRO UEMATSU 320Rが唯一1分44秒を突破し、1分43秒786のトップタイムをマークした。2番手はNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサの1分44秒073。前戦で表彰台を獲得、今回はリストリクター径が若干小さくなったが、速さはキープしているようだ。以下、9番手までが1分44秒台。このクラスも、GT500クラス同様、混戦模様を呈している。
今回がデビュー戦となるNo.19 ウェッズスポーツIS350は1分35秒台で14番手。前戦、エントリーはしたものの出走できなかったNo.52 GREEN TEC KUMHO IS350は1分47秒台で22番手だった。また、シボレー・コルベット(No.9 ニッソーサービスC6)も久々に復活。タイムは最下位だったものの、大きなトラブルはなく周回を重ねていた。
□練習走行 2回目 天候:雨 | コース:ウェット | 気温16度 | 路面温度19度
練習走行2回目は14時から。1回目終了後、昼過ぎから雨が降り始め、この時間にはかなりの雨量に。完全なウェット路面での走行となった。開始時点での気温は16度、路面温度は19度。終了時にはそれぞれ15度、17度まで下がった。
No.36 PETRONAS TOM'S SC430
路面状態が悪いときに能力を発揮するのがNo.36 PETRONAS TOM'S SC430のアンドレ・ロッテラー。ここでも序盤からタイミングモニターのトップに立つ。セッション中、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)が逆転する場面もあったものの、最終的にはNo.36 ロッテラーの1分44秒249がベストだった。
2番手にはNo.38 ZENT CERUMO SC430がつづき、3番手のNo.1 ARTA NSXがNSX勢の最上位。その後ろにはNo.18 TAKATA童夢NSX、No.32 EPSON NSX、No.100 RAYBRIG NSX、No.17 REAL NSXの順でNSX勢が並んだ。GT-R勢では、セッション最後のGT500クラス専有時間帯にタイムアップしたNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)の8番手(1分45秒063)が最上位だった。
No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ
GT300クラスでは、やはりNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサがAWD(全輪駆動)の強みを生かし、図抜けた速さをみせる。序盤、ヘビーウェットの状態で同クラス他車より2〜3秒も速い1分53秒013をマーク。早々にテストメニューを消化し、終盤にはピットで待機する余裕をみせる。
これに対し、ライバル勢はセッション後半、雨が小降りになったところでようやくタイムアップ。No.33 HANKOOK PORSCHEが1分53秒554をマークし、2番手につけた。今回、ハンコックが持ち込んだレイン用タイヤはこのセッションのコンディションに合っていたようで、No.27 石松・RYUMA HANKOOK GT3も1分56秒台で7番手につけている。
3番手から6番手までを占めたのはミシュランタイヤ勢。No.46 MOLAレオパレスZの1分53秒832を筆頭に、No.95 ライトニング マックイーンapr MR-S、No.43 ARTA Garaiya、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-Sの順に並んだ。
これに対し、横浜ゴム勢はNo.4 EBBRO UEMATSU 320Rの8番手が最上位。GT500クラスでも横浜ゴム勢は下位に留まっており、このセッションのコンディションには今ひとつマッチしなかったようだ。
天気予報では、予選が行われる3日午前にも雨が若干残る模様。その量にもよるが、レインタイヤとコンディションとのマッチング具合が、予選結果を大きく左右する可能性もある。