2008 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが5月4日、富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。GT500はNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)が予選2位から逆転優勝。GT300はNo.95ライトニング マックィーン apr MR-S(平手晃平/国本京佑組)が、予選クラスポールから優勝を果たした。
□決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温25度 | 路面温度35度
決勝は14時スタート。朝のうち晴れていた上空には湿気を帯びた風が吹き、山には黒い雲がかかり始めたが、雨が落ちてくることはなかった。
序盤、ポジションを落としたのはNo.17 REAL NSX(金石年弘)。予選4番手から、10周しないうちに6番手まで下がってしまう。一方、ポール・スタートのNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)は順調にラップを重ねていったが、22周目のダンロップコーナーで単独スピンからコースアウト。すぐに復帰するが、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)の先行を許してしまう。これでトップ6はNo.38、No.18、No.35 宝山KRAFT SC430(ピーター・ダンブレック)、No.100 RAYBRIG NSX(井出有治)、No.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)の順となる。
No.36 PETRONAS TOM'S SC430
26周を終え、GT500クラスの先陣を切ってNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)がピットイン。後輪2本の交換と燃料補給を行い、ドライバーはファーマンのままでコースに戻る。30周を過ぎると各チーム1回目のピットイン。2番手に下がったNo.18は33周目、トップNo.38は38周目にピット作業を終える。ドライバーはNo.18が小暮のまま、No.38は立川からリチャード・ライアンに交代した。
42周を過ぎ、No.23 XANAVI NISMO GT-Rを除きGT500全車の1回目のピット作業が終了。No.23は燃費走行に徹し、1ピット作戦を採っていた。このピット作業時、No.39 DENSO DUNLOP SARD SC430は違反を犯し、ドライブスルーペナルティを課される。この時点でのトップ6はNo.38ライアン、No.35ダンブレック、No.100井出、No.18小暮、No.32デュバル、No.36ロッテラーの順。
だが48周目の1コーナー、No.18をかわそうとしたNo.32がスピン。逆にNo.36にまでパスされてしまう。これでNo.36が5位に進出。
65周を終え、No.1が2度目のピットイン。ファーマンから伊沢拓也に交代し、タイヤも4本とも交換して復帰する。これに対し、No.18、No.100はタイヤ交換を後輪のみに留め、ピット作業時間を短縮する作戦。No.18は69周目に小暮>道上龍、No.100はその次の周に井出>細川慎弥への交代を済ませる。No.35、No.36はこれより後にピットに戻りタイヤを4本換えるが、No.36トムスの作業が早く、コースに復帰したときには、No.36脇阪寿一、No.35片岡龍也、No.100細川、No.18道上の順になっていた。
No.18 TAKATA 童夢 NSX
トップを行くNo.38は、上位陣では最も遅く75周を終えてピットイン。ライアンからふたたび立川へとつなぎ、トップをキープしたままコースに復帰する。その後方にはNo.36を先頭にNo.18までの4台が近づいていた。
だが、No.38立川はアウトラップから、タイヤの温まっているライバルに遜色のないタイムをマーク。その後もその差をキープし、トップを固める態勢に入った。
一方で2位から5位までの争いは白熱。96周目にはNo.18道上がNo.35片岡を攻略。次の周の1コーナーではNo.100細川もNo.36脇阪に並びかけ、コカ・コーラコーナーでインを奪って逆転する。これで2位No.100、3位No.36、4位No.18、5位No.35の順で、NSXとSC430が交互に並んだ。
残り5周を切り、もはや順位の逆転はないと思われたのだが、106周目のヘアピン、No.100細川が単独スピン。No.36脇阪とNo.18道上にパスされてしまった。
これでNo.38とNo.36がSC430ワンツー態勢を築き、そのままフィニッシュを迎えた。
優勝はNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)。SC430の優勝は昨年の第6戦鈴鹿1000km以来。立川は、これで自身の持つSUPER GT/JGTC最多勝記録を10勝に伸ばした。ライアンにとっては、トヨタ陣営での初勝利。過去、ホンダ、日産の車両で優勝を経験しており、これで3メーカーすべてで優勝を飾った史上2人目のドライバー(1人目はジェレミー・デュフォア)となった。