3月26日、静岡県の富士スピードウェイでSUPER GT公式テスト1日目が行われた。平日ながら春休みとあって、パドックには多くの家族連れの姿がみられた。
□セッション1 天候:晴 | コース:ドライ | 気温:9度 | 路面温度:12度
曇り空ながら薄日のさす中、午前9時30分から2時間の予定で最初のセッションが開始された。吹く風は冷たく、気温9度、路面温度12度のコンディション。走行開始時には、前夜の雨のため、路面はセミウエットだが、路面はどんどんと乾いていく。
セッション開始間もない9時35分、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士/石浦宏明組)が1コーナーのグラベルにストップ。5分間ほどの赤旗中断となる。この時点ではNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/平中克幸組)が1分49秒701をマークしていた。
セッション開始30分後の10時では、No.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム/柳田真孝組)が1分43秒304でリーダーボードの最上位に上がってくる。開幕戦で1-2フィニッシュを遂げた注目のGT-Rは、全車が+50kgのウエイトを積む特別性能調整を受けたが、それでも勢いは留まるところをしらないようだ。
セッション残り30分で、路面はほぼドライとなり、No.22は1分35秒444までタイムを挙げてトップに。この22号車は、フロントフェンダー部分がカーボンの黒い地色のまま。新たな空力パーツのテストを行っていたようだ。柳田は「序盤のウエットコンディションの時にマシンの状態を確認できました。いいところがあったし、いろんなパーツやアイテムを試しています。エアロパーツはデータをチェックしているところですが、感触は悪くないですね。ドライになってクルムさんがアタックしました。50kgのウエイトは確かにつらいと思いますけれど…。1戦1戦集中して強さと速さをみせたいです」とウエイトを積まれながらも手応えを感じていたようだ。セッション終了時点で気温は14度、路面温度20度まで上昇していた。
GT300クラスでは、開幕戦鈴鹿で決勝6位となり今季に手応えを感じていたNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也/佐々木孝太組)が快走を見せた。開始30分で1分52秒139をまずは山野がマーク。山野は残り30分で1分44秒098とさらにタイムを縮め、このセッションのトップタイムを手にした。2番手には、富士を得意とするポルシェのNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/山路慎一組)がつけた。
□セッション2 天候:晴 | コース:ドライ | 気温:17度 | 路面温度:30度
午後2時30分からのセッションは、気温17度、路面温度30度の晴天で始まる。吹く風が強く気温以上に体感的な寒さが感じられる。
セッション開始30分過ぎにNo.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(J.P.デ・オリベイラ/荒聖治組)がコースサイドでストップ。約5分後に再開される。この段階ではNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥組)が1分35秒123をマークしてトップ。2番手にはNo.32 EPSON NSXが35秒148で続く。
残り45分で、午前トップだったNo.22 MOTUL AUTECH GT-Rが1分34秒889を叩き出して、再度トップに立つ。15時24分にコースサイドに止まったマシンの回収のために5分間の中断。
セッションも残り7分となり、タイム更新もここまでかと思われた。だが、開幕戦の最初の2コーナーで他車と接触、コースアウトでレースをフイにしたMo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)の松田が1分34秒878とこの日のトップタイムを叩き出した。2番手はNo.22のGT-R、3番手にもNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝組)が入り、この日の総合タイムでも開幕戦の予選同様にGT-Rが1−2−3を決めた。4番手にNo.100 RAYBRIG NSXがつけ、以下3台のNSXが連なった。SC430勢はNo.38 ZENT CERUMO SC430が1分35秒382で10番手に入ったのが最上位。次戦岡山、そしてSC430のホームコースである富士での第3戦に向け、少々不安が残るテスト初日となった。
GT300クラスは、このセッションでもNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサが好調。開始30分過ぎに、今度は佐々木が1分42秒747でクラス最上位へと上り、結局これがこの日のGT300トップタイムとなった。
2番手も午前と同様に、No.26 ユンケルパワータイサンポルシェがつけた。このセッションは谷口の走りを見守った山路は「想定の気温がもう少し高いので、レースのシミュレーションはちょっとできてないですね。昨年の最終戦はここで良いレースができたけど、そこまでのアドバンテージはない。厳しいレースになると思うけれど、去年表彰台に上がれた岡山もチャンスはあると思います」と、次戦にも期待をうかがわせた。山路は持病の悪化で、昨シーズン途中でチームを離れざるをえなかった。だが、今季は開幕戦できっちりと仕事(ポジションキープで決勝3位)を果たした。「鈴鹿での復帰戦も体力的に問題なく一安心しました。もっといけることが確認できたので、いよいよ自分自身もエンジンをかけたい。ファンの皆さんにご心配をおかけした分、励ましていただいた分、走りで恩返ししたいですね」と付け加えた。