6月21日午前、2008 AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の予選1回目が、セパン・インターナショナル・サーキット（マレーシア）で行われた。GT500クラスはNo.22 MOTUL AUTECH GT-Rのミハエル・クルム、GT300クラスはNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサの佐々木孝太が暫定ポールポジションを奪った。

Qualifying Session 1

□公式予選1回目 天候：曇 ｜ コース：ドライ ｜ 気温30度 ｜ 路面温度37度

　予選1回目は11時から開始された。上空はやや雲が多かったものの、蒸し暑さはあいかわらず。開始時点での気温は30度、路面温度は37度と、例年どおり暑さの中での予選となった。（終了時／気温：32度　路面温度：43度）

　最初の20分間はGT300クラス専有走行。序盤は2分08秒台での上位争いとなり、No.81 ダイシンADVAN Z（青木孝行）が2分08秒324でとりあえずトップを奪う。これに続いたのはNo.11 JIMCENTER ADVAN F430（田中哲也）、No.19ウェッズスポーツIS350（織戸学）ら。しかし、15分ほど過ぎたところでNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ（佐々木孝太）が2分06秒930をマーク。他を1.3秒以上突き放す。これを見たライバルも渾身のアタックを行なうが、No.77 佐々木のタイムはおろか、2分07秒台にも届かなかった。
　専有時間残り3分を切って、スーパーラップ進出のボーダーラインとなる10番手前後のチームのアタックが激しさを増す。まず、No.110 KUMHO BOXSTER-GT（光貞秀俊）が7番手にジャンプアップ。その直後、No.2 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・Shiden（加藤寛規）が2分08秒台をマークして7番手に上がったところで専有時間終了となる。

　つづく20分間はGT500クラス専有。いつもどおりNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430（アンドレ・クート）が真っ先にコースインし、No.35 宝山KRAFT SC430（ピーター・ダンブレック）、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430（土屋武士）らがこれに続く。その中ではNo.25 土屋が最も速く、1分56秒405でこの時点でのトップを奪った。ハンデウェイトの重いNo.23 XANAVI NISMO GT-R（ブノワ・トレルイエ）も早めにアタックを敢行。ときにコースをはみ出しながら激しく攻めるが、さすがにタイムは1分59秒台に留まった。
　専有時間残り7〜8分となったところで他のチームも続々コースイン。まず、No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が1分56秒229でトップを奪うと、No.1 ARTA NSX（ラルフ・ファーマン）が1分56秒105でこれを逆転。さらにNo.18 TAKATA童夢NSX（小暮卓史）が1分56秒087でNo.1を上回る。
　最初に1分55秒台に入れてきたのはNo.22 MOTUL AUTECH GT-R（ミハエル・クルム）で、タイムは1分55秒310。これにNo.1ファーマンも続くが、1分55秒558で2番手どまり。さらにNo.17 REAL NSX（金石年弘）、No.24 デ・オリベイラも1分55秒台に入れるが、やはりNo.22クルムには届かない。専有時間終了直前、No.100 RAYBRIG NSX（細川慎弥）も1分55秒台をマーク。5番手に上がった。一方、No.23は本山哲に交代して出ていった後、2コーナーでスピン。コースアウトしガードレールに軽くヒットしたが、大きなダメージはなくピットに戻ることができた。

　その後の混走時間帯にも、GT500クラスではタイムアップする車両はなく、順位が確定。No.22 MOTUL AUTECH GT-Rを筆頭に、No.1 ARTA NSX、No.17 REAL NSX、No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R、No.100 RAYBRIG NSX、No.18 TAKATA童夢NSX、No.32 EPSON NSX、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430、No.12 カルソニックIMPUL GT-R、No.3 YellowHat YMS TOMICA GT-Rの10台がスーパーラップ進出を決めた。

　一方、GT300クラスでは順位の変動があった。まず、専有時間帯に11番手に留まっていたNo.7 ORC雨宮SGC-7（井入宏之）が8番手にアップ。さらにNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R（黒澤治樹）も8番手に入る。つづいてNo.110 KUMHO BOXSTER-GT（光貞秀俊）が6番手まで上昇。これで10番手まで下がったNo.7井入はもう1周アタックし、8番手を回復する。最後にNo.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-S（峰尾恭輔）が10番手に滑り込んだところでチェッカー。この結果、GT300クラスはNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ、No.81 ダイシンADVAN Z、No.11 JIMCENTER ADVAN F430、No.19 ウェッズスポーツIS350、No.43 ARTA Garaiya、No.110 KUMHO BOXSTER-GT、No.4 EBBRO UEMATSU 320R、No.7 ORC雨宮SGC-7、No.2 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・Shiden、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-Sの10台がスーパーラップ進出となった。


No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ
GT500 クラス | 予選1回目トップ
ミハエル・クルム／No.22 MOTUL AUTECH GT-R
予選の前に曇ってきて、それほど暑くなかったし、コンディションは良かったですね。クルマは昨日オーバーステアが強かったので、それをアジャストして、予選アタックの時のバランスはすごく完璧でした。1ランクの救済を受けたことでも、クルマはすごく変わりました。とにかくチームがすごくいい仕事をしてくれて、クルマを完璧にしてくれました。セット変更はちょっとリスキーでしたけど、もし失敗してもトップ10に入れる自信はありました。でも、期待した通りすべてが良くなった。今日、こんなに差をつけられるとは思わなかったけど、完璧なラップを刻めたと思います。スーパーラップでもこのラップを出したいけど、難しいでしょうね。ウチはタイヤのウォームアップに時間がかかるセットアップなので…。ポールを獲れる可能性は高くないと思いますが、チャンスがないわけじゃないので、ベストは尽くします。今回は優勝というより、いいポイントを獲りたい。このあとのシリーズでは、ジョーカーは使えない（救済は受けられない）し、リタイヤしたらタイトル争いが終わるので、各レースで安定してポイントを獲っていきたいと思っています。ただ、レースセットアップがまだ全然できていないので、今日はそれが大変ですね。
GT300 クラス | 予選1回目トップ
大溝敏夫監督／No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ
えっ?　ウチがトップなんですか?　いやぁ知らなかった（笑）。このタイムは、佐々木選手がストレートを走っているとき、ちょうど前にポルシェがいたからなんです。最初は、イヤだなぁ、このままアタックに入るのは厳しいなぁと思ってました。ところが逆に最終出口あたりでスリップに入り、そのままストレートまで引っ張ってもらって、1コーナーで抜いていけたんで、非常にラッキーでしたね。タイミングがドンぴしゃだったんです。1コーナー過ぎたあとだったらタイムは出なかったと思いますよ。今のところウチはすごく運が向いてますね。タイヤも今回の路面に合ってまして、ダンロップさんとのコンビで去年もファステストラップを出してるんで、タイヤの条件や、インプレッサの特性がセパンに合っているのかなぁ、と思いますね。スーパーラップもスリップを使って…（笑）。いやいや、運がよければ気温が下がって、路面がより出来上がっていくだろうし、運が向かないと雨になるかもしれません。逆に前半に雨が降って、後半路面が変わるかもしれないし…。富士（第3戦）は不幸な結果だったんですが、クラッシュした車両を（工場のスタッフが）短い期間で直してくれたんで、なんとかみんなの努力を結果に表すことができればな、と思います。期待されて優勝するのは気持ちがいいので、しっかり頑張りたいです。