2008 AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の決勝レースが、6月22日、セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)で行われた。GT500はNo.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治組)が予選4位から逆転優勝。GT300はNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也/佐々木孝太組)が、予選クラスポールから優勝を果たした。
□決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温31度 | 路面温度40度
決勝レースは16時スタート。オープニングラップの1コーナーで、6番手だったNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)がハーフスピン。直後にいたNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(セバスチャン・フィリップ)との接触があったようで、No.12はフロント部にダメージを負い、ピットに戻っての修復を余儀なくされる。これで2台ともに大きく順位を落とす。一方、予選4番手だったNo.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)はNo.17 REAL NSX(金石年弘)をパスし、3番手に上がって1周目を終える。
No.22 MOTUL AUTECH GT-R
ポールスタートのNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)と、予選2番手のNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)はそのままの順位で周回。その差は徐々に開いていき、10周を迎える頃には5秒近いギャップができる。しかし、その後はNo.22のペースが上がらなくなり、23周を終えたところでの差は約1.5秒にまで迫る。
25周を終え、トップNo.22と2番手No.1は同時にピットイン。ともに前後4本のタイヤ交換と燃料補給、No.22はクルムから柳田真孝へ、No.1はファーマンから伊沢拓也への交代を終えてレースに復帰する。この時点では、2台の差はピットイン前とほとんど変わらなかったが、数周する間に接近。30周目の1コーナーではNo.1 伊沢がついにNo.22柳田に並びかけ、並走状態で3コーナーに入るが、ここで2台が接触。No.22はハーフスピン状態に陥り、順位が入れ替わる。だが、この接触に関してNo.1にドライブスルー・ペナルティの判定が下り、これを消化した35周目に、No.22が再度トップに復帰する。
これで4番手に下がってしまったNo.1 伊沢だったが、ここから再び追い上げを開始する。37周目の1コーナー手前で前を行くNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史>道上龍)をパス。3番手に浮上する。さらに2番手のNo.24 荒聖治との差も徐々に詰めていくが、47周目を迎えるころ突然ペースダウン。ブレーキング時にふらふらと左右に振られるなどあきらかにマシンに異常を来たしており、たまらず48周目にはピットに戻ってしまった。接触の影響なのかホイールナットが緩んでいたのが原因で、締め直してコースに復帰することはできたが、順位は11番手まで下がってしまった。
No.18 TAKATA 童夢 NSX
一方、トップを行くNo.22 柳田は、2番手No.24 荒に徐々にその差を詰められていく。ギャップは45周目には約0.6秒、次周約0.5秒、47周目約0.3秒となり、完全にテール・トゥ・ノーズに。50周目の2コーナー立ち上がりでNo.22の加速が突然鈍り、No.24が楽々とこれをパスする。レース後のNo.22 柳田のコメントでは「間違えてピットレーンスイッチを押してしまった」とのことだった。
これでトップを奪ったNo.24 荒の快走を、その後止めるものはなく、54周を走りきってチェッカー。No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)が今季初勝利を飾った。同車の優勝は昨年のここセパン戦以来。セパンでは2連勝となった。
2位はNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム/柳田真孝)。残り10周までは勝利は手中にあっただけに、悔しい表彰台となったが、GT-R勢としては開幕戦、第2戦につづく今季3回目の1-2フィニッシュとなった。
3位はNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史)。第3戦富士につづいて2戦連続での3位表彰台となった。4位はNo.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士/石浦宏明)。後半を担当した石浦は、クールスーツの故障で熱中症状態となり、ゴール後担架で運ばれるシーンもあったが、その努力が報われる入賞となった。これがSC430勢の最上位だった。