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2008 SUPER GT Round4

プレビュー

2008-06-16

灼熱の決戦!
前半戦を締めくくるマレーシアの戦い
何が起こるか分からない!? 熱き国でのデッドヒート

6月21、22日、セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)で、AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUPER GT International Series in MALAYSIA」が開催される。赤道間近のマレーシアで行われるこのラウンドは、例年暑さ、熱さとの戦いとなり、波乱の展開が多い。昨年は多くのチームがタイヤのトラブルに襲われ、混乱の一戦となった。さあ、今年はどんなレースとなるのだろうか?


戦いはGT-RとNSXが中心に!?


No.1 ARTA NSX
 セパン・サーキットのレイアウトは、フラットで回り込む中速コーナーが多い。それだけにコーナリングを得意とするマシンに有利と言える。今季のマシン特性的に言えば、GT-R、NSXに向いている。ことにNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)のファーマンは、ここを得意としており、毎年のようにポールポジション争奪や優勝争いに絡んできている。今回はウエイトハンデも5kgと少なく、伊沢も確実な戦力といえるようになった。それだけに本命に推せる1台である。また、昨年ポールポジションを獲得しているNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)も優勝を争う存在になりえるだろう。


No.22 MOTUL AUTECH GT-R
 そしてGT-R勢だが、昨年はNo.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治組)がSUPER GT初勝利を挙げた(当時のマシンはZ)。昨年は、路面の再舗装と暑さによって多くのチームがタイヤの耐久性が落ちてしまい、2回のピットストップを強いられるというアクシデントがあった。その中、No.24が使うタイヤはアドバンテージがあり、さらにデ・オリベイラと荒のタイヤに優しく速い巧みなドライビングが勝利をもたらした。だが、ライバルチームとそのタイヤ供給メーカーも今年は同じ轍を踏むとは思えない。No.24も優勝候補の一つとは言えるが、有利な存在ではないだろう。他にGT-R勢で注目したいのが、今回ノーハンデウェイトのNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム/柳田真孝組)と、GT-Rが苦戦した第3戦富士でも大健闘したNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)。一方、開幕から連勝したNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)は、まだ95kgのハンデがあり、このレースも厳しい戦いとなりそうだ。


No.39 DENSO DUNLOP SARD SC430
 SC430とって、セパンは決して得意なコースではない。だが、チャンスがないわけではない。ノーウエイトのNo.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士/石浦宏明組)やセパン優勝経験のあるNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(高木 虎之介/アンドレ・クート組)がおもしろい存在になるかもしれない。一方で、第3戦で優勝のNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)、2位のNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)は、きっちりポイントを稼ぐレースになるだろう。ただ、地元の石油企業をスポンサーに持つNo.36は、意外と果敢なレースを披露するかもしれない。


本命はやっぱり雨宮7。そしてクスコインプレッサが気になる!?


No.7 ORC雨宮SGC-7
 GT300クラスでセパンと言えば、やはりNo.7 ORC雨宮SGC-7(井入宏之/折目遼組)だろう。セパンではなんと7戦4勝の勝率を誇るのだ。今回ウエイトも少なく、彼らにとってもここで勝利を挙げれば、2回目のチャンピオンへの手応えも掴めるだけに気合いを入れて臨むだろう。
 そして、セパンに向いたマシンと言えばミッドシップ。GT300ならヴィーマックやMR-SもRX-7に絡む戦いをしてきそう。注目としてはNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R(黒澤治樹/密山祥吾組)を挙げたい。そして、前戦でデビューしたてのNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/阿部翼組)も、ひょっとしたら上位に食い込んでくるかも。他方、ウエイトの重いNo.95 apr MR-S(平手晃平/国本京佑組)やNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)は我慢の戦いとなるかもしれない。


No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ
 そして、今季の台風の目になっているNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也/佐々木孝太組)。このセパンでも何かしでかしてくれそうな気が。先にセパンはミッドシップが有利と書いたが、実は重心の低いフラット4エンジンのインプレッサも、意外とこういったコースを得意としている。しかも、山野も佐々木もセパンは得意のコース。さらに暑さなどでタイヤに厳しい状況になれば、さらに4WDが力を発揮する。


 このようにコース特性の有利不利もあるが、このレースなんと言っても敵は"暑さ"と"熱さ"だ。毎年、ドライバーに熱中症でダウンする者がおり、マシンやタイヤも限界を強いられて戦う。ドライバーの中には、セパンの1カ月くらい前からレーシングスーツのままサウナに入る、厚着にサウナスーツで日中のマラソンと我慢比べのような耐熱強化する者もいるという。セパンでの1勝は、正に鉄人ドライバーの称号だ。果たして、今年の『セパンの鉄人』は果たして誰になるのか?