7月26日午前、2008 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の予選1回目が、スポーツランドSUGO(宮城県)で行われた。GT500クラスはNo.18 TAKATA童夢NSXの小暮卓史、GT300クラスはNo.19ウェッズスポーツIS350の織戸学が暫定ポールポジションを奪った。


Qualifying Session 1

公式予選1回目 天候:曇 | コース:ドライ | 気温23度 | 路面温度27度

 予選1回目は11時から。朝からぱらついていた小雨は開始1時間ほど前に上がり、一時は青空ものぞく天候に。開始時には再び雲に覆われ「ウェット宣言」が掲示されたものの、路面はほぼ乾き、スリックタイヤでの走行が可能な状況となった。開始時点での気温は23度、路面温度は27度。

 最初の20分間はGT300クラスの専有。再び雨が落ちてくる可能性があったため各チーム早めにタイムアタックに入る。しかし、開始から10分ほど経ったところでNo.110 KUMHO BOXSTER-GT(池田大祐)がコースサイドにストップ。どうやらNo.81 ダイシンADVAN Zとの接触があったようで、右後輪を破損しており走行不能となる。No.81には、後にこの接触についてペナルティが科され、予選1回目のタイム削除。決勝は最後尾グリッドからのスタートということになった。
 さらにその数分後、No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(佐々木孝太)、No.666楽天BOMEX 320R(山下潤一郎)も相次いでコースサイドにマシンを止めてしまう。No.666は2コーナーアウト側に半車身はみ出す形でストップしており、危険回避のため赤旗でセッション中断となる。
 3台の回収後、占有時間残り4分で走行再開。中断前の順位は、No.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学)が1分24秒108でトップ。2番手にはNo.43 ARTA Garaiyaが1分24秒804がつけ、3番手No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)をはさんで、No.95 ライトニングマックィーンapr MR-S、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-Sのミシュランタイヤ勢が上位に続いていた。
 再開後、各チームともタイムアップをねらってアタックに入るが、この路面温度ではタイヤのウォームアップに時間が足りなかったか、順位を上げたところはなかった。

 11時30分、「GT500」ボードが提示され20分間のGT500クラス専有走行に入るが、その直前にNo.87 アクティオガイヤルドRG-3(栗原宗之)がコースアウトし、グラベルでストップしてしまったために赤旗中断。コースインしていたGT500車両は、1周を完了せずにピットに戻った。
 車両回収後、専有時間残り19分で再開。このクラスでも早めにタイムアタックに入るチームが多く、トップタイムはどんどん更新されていく。ことに動きが早かったのはNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)、No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)のNISMO勢。一時は1-2態勢を築くが、残り5分あまりとなったところでNSX勢やSC430勢が一斉にコースイン。まずNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)がトップタイムを逆転すると、これをNo.17 REAL NSX(金石年弘)が更新。このままNSX勢の1-2となるかと思われたところで、No.22クルムが再度アタック。1分16秒997と、初めて1分17秒を切ってトップを奪回してみせた。
 だが、これでアタック合戦は終わらず、No.18 小暮が1分16秒935をマークしてまたしてもトップを逆転。さらにNo.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士)が1分16秒973で2番手に飛び込んできたところで専有時間終了となった。

 その後の混走時間帯にはGT500クラスでの順位逆転はなく、No.18 TAKATA童夢NSX、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430、No.22 MOTUL AUTECH GT-R、No.17 REAL NSX、No.38 ZENT CERUMO SC430、No.1 ARTA NSX、No.36 PETRONAS TOM'S SC430、No.100 RAYBRIG NSX、No.35宝山KRAFT SC430、No.39 DENSO DUNLOP SARD SC430がトップ10となったが、No.38 ZENT CERUMO SC430に対して抗議があり、審査委員会の裁定によりNo.38の予選1回目のタイムが削除された。この結果No.23 XANAVI NISMO GT-Rが繰り上がってスーパーラップ進出を果たした。

 一方、GT300クラスでは、No.26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)が1分24秒893までタイムを上げ、6番手に飛び込んでくる。これでスーパーラップ圏外に下がったチームや、ボーダーライン上のチームは再度アタックを敢行。その中でNo.4 EBBRO UEMATSU 320Rが10番手に上昇してくる。
 残り7分ほどになったところで、No.52 GREENTEC KUMHO IS350のエンジンフードがストレート通過中に飛ぶというアクシデント。さいわい他車に当たることはなかったが、破片がコース上にも残ってしまう。さらにNo.2プリヴェKENZOアセット・紫電が最終コーナーを立ち上がったところでコースサイドにストップ。このためまたしても赤旗が提示され、セッションが中断される。
 再開後、12番手のNo.7 ORC雨宮SGC-7をはじめ、数台がタイムアタックを行なうが、No.88 triple aガイヤルドRG-3のコースアウトで1コーナーで黄旗が提示されたこともあって、順位の逆転はならなかった。
 結果、GT300クラスではNo.19ウェッズスポーツIS350、No.43 ARTA Garaiya、No.2プリヴェKENZOアセット・紫電、No.95ライトニングマックィーン apr MR-S、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-S、No.26ユンケルパワータイサンポルシェ、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R、No.46 MOLAレオパレスZ、No.4 EBBRO UEMATSU 320R、No.11 JIMCENTER ADVAN F430の10台がスーパーラップ進出を決めた。


No.19 ウェッズスポーツIS350

GT500 クラス | 予選1回目トップ
小暮卓史/No.18 TAKATA童夢NSX
持ち込んだときからクルマの状態が良かった。ウィングを調整したぐらいで何もいじっていないんですけど、ウェイトが重いわりにはイケたかなと思います。(コース上は)ライン以外はまだ湿っていて、縁石では少し滑りましたけど、普通に使えましたよ(笑)。あの(縁石を使う)ラインじゃないとリズムに乗らないし、気分が乗らないんで。スーパーラップは正直、厳しいと思います。ボクはいきなりタイムを出すのが得意だから1回目にタイムを出せましたが、みんなセットアップが煮詰まってタイムを詰めてくると、ウェイトの分厳しくなると思います。でも、ウチもなんとかセットを詰めて、攻めまくっていきたいと思います。目標はポールです。
GT300 クラス | 予選1回目トップ
織戸 学/No.19 ウェッズスポーツIS350
予選1回目は、とりあえず晴れて良かったという感じです。セパンでのクラッシュのあと(クルマの)細かい部分を変えたり、タイヤもIS350用になったりと、いろんな要素が向上したんです。なかでも、タイヤを含めてコーナリングスピードが格段にアップしました。その分ラップタイムが稼げるようになったというわけです。昨日(の練習走行)はウェットコンディションでしたが、その中でドライのセッティングをいろいろと試しました。セパンのとき『あと2割くらいやることが残っている』と言いましたが、その2割がいいように煮詰まり、総体的に合わせ込みがすごくうまくいってますね。午後もドライコンディションでいきたいですねぇ。