2008 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが、7月27日、スポーツランドSUGO(宮城県)で行われた。GT500クラスはNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)がポール・トゥ・ウィン。GT300クラスはNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が、予選2番手から逆転優勝を果たした。


GT500 Class

決 勝 天候:曇 | コース:ドライ | 気温24度 | 路面温度26度



 決勝レースは14時過ぎにスタート。オープニングラップの2コーナーで、8番手スタートのNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)が、No.6 ENEOS SC430(飯田章)と接触しコースアウト。ほどなく復帰はできたが、GT300クラスの隊列にまで飲み込まれてしまう。No.6には、後にこの接触に関してドライビングスルーのペナルティが与えられた。他の上位陣は予選順位どおりにオープニングラップを終え、序盤はNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)、No.17 REAL NSX(金石年弘)、No.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)の順でNSX勢の1-2-3態勢となる。


No.18 & No.1
 だが、8周目にNo.17が周回遅れのNo.5 プロμマッハ号320R(玉中哲二)と接触。No.17はこれで順位を落とした上に、ドライビングスルー・ペナルティの判定が下され、トップ争いから脱落してしまう。これでNo.1が2番手、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士)が3番手に上がる。
 その後はNo.18 小暮とNo.1 ファーマン、NSXどうしのトップ争いに。30周目の1コーナーでは、思いきりブレーキングを遅らせたNo.1 ファーマンがNo.18 小暮のインにノーズをねじ込もうとして姿勢を乱し、危うくスピンを免れるという、白熱したシーンもあった。
 だが、けっきょくトップ2の順位は変わらないまま34周終わりでNo.1がルーティンのピットイン。後輪のみタイヤを替え、伊沢拓也に交代してコースに復帰する。次の周にはNo.18もピットイン。やはり後輪のみの交換と道上龍への交代を終える。
 ピット作業時間はNo.18のほうが短かかったが、No.1 伊沢は果敢な走りを繰り広げ、数周後にはNo.18 道上の背後に迫る。38周目のレインボーコーナーではアウト側の縁石に乗って姿勢を乱し、コースアウトしかかって再び差が開くシーンもあったが、それでもNo.1 伊沢は追撃の手を緩めなかった。62周目、最終コーナー手前でGT300車両に追いついた2台は、ポジションの奪い合いに。結果的にアウト側を取ったNo.1伊沢だったが、挙動の乱れをわずかに制御しきれずコースアウト。タイヤバリアに激しくヒットしてしまう。ノーズを大きく壊し、ピットには戻ったものの、そのままリタイアという痛恨の結果になってしまった。
 これで楽になったNo.18 道上は、後続との距離を測りながらクルージングに入る。その後、トップを脅かす車両はなく、このまま優勝を飾った。
 No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史)は、これが今季初勝利。シリーズランキングでもトップに立つことになった。また、NSX勢にとってもこれがシーズン初勝利となった。


No.38 ZENT CERUMO SC430
 一方、2位、3位争いは終盤にもつれた。前半、3番手にいたのはNo.25(土屋>石浦宏明)だったが、ピット作業が終わってみるとNo.35 宝山KRAFT SC430(片岡龍也>ピーター・ダンブレック)が前に。その後方では、予選タイム削除で最後尾スタートとなったNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路>リチャード・ライアン)が着実に順位を上げ続け、全車のピット作業が終わったところでNo.25の直後、5番手にまで追い上げてきていた。
 No.38 ライアンはその後もじりじりとNo.25石浦との差を詰め、残り10周ほどでテール・トゥ・ノーズに。77周目、No.25 石浦がSPアウトコーナー立ち上がりで加速を鈍らせ、最終コーナー手前でNo.38 ライアンの先行を許してしまう。この時点でNo.1 伊沢はすでにリタイアしていたため、No.35が2位、No.38が3位、No.25が4位という順位になる。


No.35 宝山KRAFT SC430
 その後方、5位には序盤のペナルティを消化したNo.6(飯田>ビヨン・ビルドハイム)が浮上してきていたが、ここで再度違反を犯してしまう。今度は10秒のペナルティストップで、7位まで順位を落とし、代わってNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治>細川慎弥)が5位に上がった。
 その後は順位の変動はなく、No.35 宝山KRAFT SC430(ピーター・ダンブレック/片岡龍也)が2位、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)が3位となった。GT-R勢では、No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)の8位が最上位だった。