7月26、27日、スポーツランドSUGO(宮城県)で2008 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」が開催される。このSUGOでは、SUPER GT史上に残る名勝負が何度となく起こっている。緑豊かな仙台郊外のサーキットで、今シーズンもきっと何かが起こる予感がする……。
No.38 ZENT CERUMO SC430
第5戦の舞台となるのは、緑豊かなコース、スポーツランドSUGO。山間にあるため、アップダウンがきつく、中高速コーナーが多いハイスピード系のレイアウトだ。パワーのあるGT500クラスでは、マシン間の戦闘力差が出にくく、常に好バトルが展開されるファンには人気のラウンドである。
マシン差が少なければ、勝つマシンは多種に及ぶはずなのだが……。不思議なことに、ここはトヨタ系のマシンが強く、2001~06年まではスープラとSC430で6連勝。昨年は36号車SC430にペナルティがなければ7連勝も行けたはず。したがって、SUGOでの本命を挙げればやはりSC430、中でもNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)だろう。そしてウエイトハンデの少ないNo.39 デンソーDUNLOPサードSC430(高木虎之介/アンドレ・クート)あたりも気になる。
No.1 ARTA NSX
そして、昨年トヨタ車7連勝を阻んだのが、ARTA NSX。NSXもこの高速コーナーの多いSUGOは得意だ。今季もNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也)、No.17 REAL NSX(金石勝智/金石年弘)、No.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥)が前に出てきそう。
No.12 カルソニック IMPUL GT-R
一方、このSUGOが苦手なのが日産勢。いや、決して不利なレースをしているわけではないが、94年にJGTCとしてスタートして以来、GT500クラスの日産車はSUGOで一度も勝っていない。今季4戦で3勝を挙げる新型GT-Rは、このジンクスをうち破れるだろうか? No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ)、No.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝)が、その先兵となるだろう。
ともあれ、昨年もトップ争いの3台がストレートでスリーワイド(横3台並び)と言う語り継がれるホットバトルが展開されたSUGO戦。ここで優勝、上位に入らないチームは、シリーズチャンピオン争いが厳しくなるだけに、まさに天王山。さらに熱いレースになりそうだ。
No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ
SUGOでのGT300クラスは、これこそ誰が勝つか分からない状態だ。優勝候補筆頭に挙げたかったのはNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也/佐々木孝太)だが、彼らはセパンでブッチギリ優勝を飾ったため、ウエイトハンデがキツイ。彼らのチャンスはヘビーレイン。AWD(全輪駆動)でウエイトを感じさせない走りを見せてくれるだろう。
となれば、どこが注目か? ここで推したいのはNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/阿部翼)だ。レーシングプロジェクトバンドウは、ここSUGOを得意としている。昨年もセリカで優勝し、クラス最多勝のSUGO 3勝なのだ。今季第3戦でデビューしたIS350も、前戦セパンで予選2位と熟成も順調。決勝はアクシデントに遭遇し、スタート直後にレースを終えただけに、織戸もチームもこの一戦に賭ける意気は高いはず。同じIS350のNo.52 GREEN TEC KUMHO IS350(黒澤琢弥/井口卓人)も同様にチェックしておきたい。
他に挙げるなら、No.81 ダイシンADVAN Z(青木孝行/藤井誠暢)。GT500の日産勢はSUGOで苦戦続きだが、GT300ではZが一昨年接戦を制している。そして、フェラーリ、ポルシェボクスター、ランボルギーニも軽いウエイトを利して、上位に嵐を呼ぶかもしれない。