8月24日、2008 AUTOBACS SUPER GT第6戦「37th International Pokka 1000km」は鈴鹿サーキット(三重県)で決勝日を迎え、朝のフリー走行が8時30分から行なわれた。


Free Practice

フリー走行 天候:曇 | コース:ウェット | 気温24度 | 路面温度26度

 通常、決勝日朝のフリー走行は30分間だが、今回は前日の予選が変則的な形で終了したため、10分間長い40分間の予定で開始された。前日、激しく降り続いた雨は上がったが、路面には濡れた部分が残る状態。「ウェット宣言」が出され、まずはレインタイヤでの走行開始となった。開始時点での気温は24度、路面温度は26度。
 通常このセッションは決勝セッティングの確認が主なメニューとなるが、今回は、予選で基準タイムをクリアできなかったドライバーの通過がここで図られることになる。走行時間が10分間延長されたのもこのため。3人のうち1人だけが基準をクリアできていない場合は、ここでクリアすれば予選順位のまま決勝スタート可能。クリアできない場合も、そのドライバーが決勝に出走しなければ問題はない。

 GT500クラスでは、No.100 RAYBRIG NSXの松浦孝亮、No.23 XANAVI NISMO GT-Rのファビオ・カルボーン、No.6 ENEOS SC430のロベルト・ストレイトらがここで基準タイムをクリア。一方、No.35宝山KRAFT SC430はミッションにトラブルが発生し、脇阪薫一が走行できなかった。このためチームは第3ドライバーの登録を取り消し、レギュラーの2人だけで戦う作戦を選択した。
 ラップタイムのほうは、開始から20分ほど経ってライン上が乾き始め、スリックタイヤでの走行が可能になってから上昇。だが、その矢先に、130Rを立ち上がった先でNo.17 REAL NSX(塚越広大)がコースアウトしたため赤旗中断となる。塚越によれば「路面が少し濡れていて、アウトラップの130Rでリヤが出て、コントロールできずにスピンしてしまいました」とのこと。さいわいマシンとドライバーに大きなダメージはなく、安全が確保された後に再開された。
 再開後、まずNo.38 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)が1分57秒台をマーク。さらにNo.1 ARTA NSX(伊沢拓也)、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)がこれを上回る。No.1はラルフ・ファーマンに交代した後さらにタイムを上げ、1分57秒575をマーク。最終的に、このタイムがこのセッションでのトップとなった。
 この3台に続いたのはNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(横溝直輝)。予選ではクラス最下位に沈んだが、ここでは1分58秒台で4番手となった。また、予選トップタイムながら決勝では11番手からのスタートを余儀なくされたNo.100 RAYBRIG NSXは5番手タイムをマーク。ともに決勝での巻き返しをねらっているようだ。一方、最前列スタートとなるNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)は1分59秒台で7番手となっている。


No.19 ウェッズスポーツIS350

 GT300クラスでは、最初からスリックタイヤで出ていったNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学)が2分09秒165のトップタイムをマーク。No.11 JIMCENTER ADVAN F430(田中哲也)、No.4 EBBRO UEMATSU 320R(阪口良平)、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂)が2分09秒台でこれに続いた。
 予選ポールのNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(佐々木孝太)は10番手、予選2番手のNo.43 ARTA Garaiya(峰尾恭輔)は13番手。タイムはともに2分11秒台に留まった。ウェット路面では速さを発揮した2台だが、ドライでは苦戦を強いられることになるのか。決勝の展開が注目される。
 なお、No.33 HANKOOK PORSCHEはクラッチトラブルのため、このセッションでは出走しなかった。また、このセッションで基準タイムをクリアできなかったNo.666 楽天BOMEX 320Rの山下潤一郎は嘆願書により決勝出走可能となった。
 一方、No.111 ARKTECH BOXSTER-GTのポール・イップはSUPER GTでの実績がないため決勝出走は不可能となり、レギュラーの2人で戦うことになった。また、No.9 ニッソーサービスC6は武井寛史、松本高幸の2人が基準タイムをクリアしていないため、決勝出走はかなわないことになった。また、予選に出走しなかったNo.808 初音ミクStudie GLAD BMW Z4はこのセッションでも走ることができず、決勝出走をあきらめることになった。



ラルフ・ファーマン/No.1 ARTA NSX(GT500クラストップタイム)
クルマの状態はすごくいい。僕らはとてもハードなタイヤを選んでいるにも関わらず、朝のセッションでトップタイムだった。今週は間違いなくいい週末になるはずだよ。だから、昨日スーパーラップがなかったのは残念だった。ただ、スタート後20周以上経てば、他のクルマをオーバーテイクしていくことも可能だね。長いレースだし、それほどハードにプッシュする必要もないし、最初のピットストップまでに2番手か3番手で帰ってくればいいんじゃないかな。日産のクルマ(GT-R)と比べたら、僕らのラップタイムの方がかなり速そうだしね。朝の走行で、すでに湿度がすごく高かったし、午後はもっと暑くなるかもしれないけど、それは例年のことだから問題ないよ。
織戸 学/No.19 ウェッズスポーツIS350(GT300クラストップタイム)
関口(雄飛)の基準タイムの問題があったので、最初からスリックタイヤで行きました。(基準タイムを)クリアしたあとそのまま走ってもらって、赤旗を機に僕に代わりました。今のところ(クルマは)かなりいい状態だと思う。不安もないし、いいスタートが切れる感じですね。今回は(前戦)SUGOとセットアップを変えて、決勝重視のいい方向に仕上がっています。今、僕らの持ってる中では100%近いものが出ているかな。あとはドライバーがミスをしないこと、安定したタイムで走ること、ピットでミスをしないこと。これらができて何位にいられるかなってことですね。ま、レースでは僕が比較的長めに乗るでしょうが、序盤は2号車と一緒に逃げるような展開にしたいね。