9月13日午後、2008 AUTOBACS SUPER GT第7戦「MOTEGI GT 300km RACE」の予選2回目がツインリンクもてぎ(栃木県)で行われた。GT500クラスはNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-Rのロニー・クインタレッリ、GT300クラスはNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェの谷口信輝がポールポジションを奪った。


Qualifying Session 2

公式予選2回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温29度 | 路面温度39度

 予選2回目は14時50分から。上空は、午前中よりさらに雲が占める部分が多くなったが、日差しは依然として強く、開始時点での気温は29度、路面温度は39度という暑さの中での走行となった。

 今回の“ノックダウン”方式では、最初にGT300クラス全車が15分間走行し、ひきつづきGT500クラス全車が15分間走行。ここでGT300クラスの上位20番手まで、GT500クラスの上位12番手までが次のセッションへ進出できる。7分間のインターバルをおいて、やはりGT300、GT500の順で10分間ずつのセッション2。GT500は8台、GT300は10台がセッション3へ進む。再び7分間のインターバルをおいてGT300、GT500とも10分間ずつのセッション3が行なわれ、各クラス ポールポジション以下の上位グリッドが決定する。
 この間、タイヤの脱着や給油などのピット作業は可能だが、別のタイヤに履き替えることは許されない。このため、アタックが終わって熱が入ったタイヤを、もう一度冷やして次のアタックに備えるシーンもあった。また、今回は1人のドライバーが走行できるのは最大2セッションまでと定められたため、通常はタイムアタックしないドライバーによる渾身の走行が見られた。

 GT500クラスでは、セッション1でNo.32 EPSON NSXのラジエターにトラブルが発生。タイムアタックができないままピットに戻らざるをえなくなる。これでクラス最後尾グリッドが決定。また、クラスの先陣を切ってアタックに出ていったNo.25 ECLIPSE ADVAN SC430(石浦宏明)、No.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)の2台の横浜ゴム勢、さらに久々のアタックとなった金石勝智のNo.17 REAL NSXの4台がセッション2への進出を逃した。
 セッション2では、ウェイトハンデの重いNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)が、1コーナーで飛び出すほどのがんばりをみせるが、わずかに届かなかった。さらに、クルマのセッティングが決まらなかったNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)、No.18と同じくウェイトハンデが重かったNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)、No.100 RAYBRIG NSX(井出有治)も、このセッションで予選を終えた。
 セッション3が始まるころには雲が日差しをさえぎり始め、路面温度は37度とわずかに低下。一方、タイヤの磨耗は進んでいるため、冷やし具合によって微妙にグリップが変化するということもあったようだ。
 そうした難しい状況でのタイムアタック合戦の中で、飛びぬけたタイムをマークしたのはNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ)。セッション終盤、1分44秒548をたたき出し、他が1分45秒台に留まる中で、悠々とポールポジションを奪ってみせた。No.3は横溝直輝が担当したセッション1も、クインタレッリに交代したセッション2もトップ。予選1回目や前日の練習走行をも含め、この週末のすべてのセッションでトップを奪うという完璧さだった。ハセミモータースポーツのポールは昨年の第6戦鈴鹿以来。クインタレッリにとってはSUPER GT/JGTCで初のポールとなる。
 2番手はNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)。No.3 クインタレッリがアタックに入る前はトップだったが、最後に逆転されポールを逃した。一方、3番手となったNo.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)は、最後にタイムアップして今季ベストグリッドを得た。これで3車種がトップ3に並ぶ形となった。


No.26 ユンケルパワータイサンポルシェ

 GT300クラスでは、予選1回目に車両規定違反でタイム抹消となったNo.19 ウェッズスポーツIS350が、セッション1で織戸学、阿部翼の2人揃って予選通過基準タイムをマーク。織戸は1分54秒634と、予選1回目のトップを上回るタイムをたたき出してみせた。だが、規定によって決勝は最後尾からのスタートとなる。このほか、No.95 ライトニングマックィーンapr MR-S、No.70 外車の外国屋&LMPポルシェ、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-S、No.666 楽天BOMEX 320Rがこのセッションで予選を終えることになった。
 セッション2では、20台中10台しか次のセッションへ進めないため、非常に激しいタイムアタック合戦となる。ボーダーラインの10番手はめまぐるしく入れ替わったが、最後にNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(佐々木孝太)、No.33 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ)がジャンプアップ。これによってNo.111 ARKTECH BOXSTER-GT、No.7 ORC雨宮SGC-7など10台がはじき出される結果となった。
 セッション3では、No.110 KUMHO BOXSTER-GT(光貞秀俊)、No.66 triple aムルシェRG-1(山西康司)、No.26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(黒澤治樹)らが次々とトップタイムを更新。残り数分となったところでNo.2プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)が1分55秒972をマークし、これでポールを奪ったかと思われた。だが、No.26谷口はその次のラップで1分55秒751をたたき出し、これを逆転。No.2加藤も続けてアタックに行き、自己ベストは更新するがNo.26には届かなかった。
 この結果、No.26ユンケルパワータイサンポルシェがクラスポールを獲得。昨年につづくもてぎ戦連覇をかけて、決勝を最前列からスタートすることになった。2番手はNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電。3番手にはNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rがつけた。