2008 AUTOBACS SUPER GT第7戦「MOTEGI GT 300km」の決勝レースが、9月14日、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行われた。GT500クラスはNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝組)がポール・トゥ・ウィン。GT300クラスはNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/阿部翼組)が、最後尾スタートから驚異の逆転優勝を果たした。


GT500 Class

決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温31度 | 路面温度43度


 決勝レースは14時から。全車がグリッドに着き、フォーメーションラップに出て行こうしたが、12番手グリッドのNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治)がスタートできず、ピットに押し戻される。ピットで点検したところスターターモーターにトラブルが見つかり、修復後、2周遅れでスタートを切った。

 上位陣は、ポールスタートのNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ)、2番手No.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)以下、予選順位どおりに1周目を終えるが、中団グループでは順位の変動があった。No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)が順位を上げた一方、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)が第5コーナー付近でスピン。No.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)も大きくポジションダウンして1周目を終える。どうやらNo.22とNo.38の2台に接触があったようで、No.22には後にドライビングスルーペナルティが課された。


 17周目、6番手あたりを走っていたNo.12松田がピットイン。トラブル発生かと思われたが、タイヤ交換と燃料補給のみでコースに戻る。どうやら、燃料を少なめに積んでスタートし、ピットインを2回にして上位を狙う戦略だったようだ。
 他のチームではNo.24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ>荒聖治)が21周終了時、No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ>本山哲)とNo.35 宝山KFAFT SC430(片岡龍也>ピーター・ダンブレック)がともに26周終了時と、やや早めのピットイン。今回は、予想よりも路面温度が上がり、タイヤの磨耗が思ったより早いチームもあったようだ。


No.1 ARTA NSX
 トップ2ではNo.1が先、28周を終えてピットイン。タイヤ交換を後輪のみに留めて作業時間を短縮し、伊沢拓也に交代してコースに戻る。No.3は次の周にピットインし、横溝直輝に交代。こちらはタイヤ4本を交換する。当然、作業時間はNo.3のほうが長かったが、その差は思ったほど縮まらず、テール・トゥ・ノーズには至らなかった。
 その後、2回ピット作戦のNo.12(松田>セバスチャン・フィリップ)を含め、全車のピット作業が終了したのは、レースの約3分の2を消化した40周目。これでNo.3がトップ、No.1が2番手、No.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム>飯田章)が3番手という、スタート時と同じ順位に戻る。  その後方、4番手にはNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー>脇阪寿一)が上がってくる。トップ3と4番手のギャップはそれぞれ数秒ずつあり、このままでフィニッシュを迎えるかと思われた。だが、最終ラップにNo.6が急速にスローダウン。No.36が楽々とこれを抜き、3位に上がった。


No.36 PETRONAS TOM'S SC430
 63周を終えてチェッカー。優勝はNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝)。チームにとっては長谷見昌弘監督自身がドライブしていた95年第4戦富士以来のGT500クラス(当時はGT1クラス)優勝となった。ドライバー2人にとってはこれがSUPER GT公式戦初優勝となる。
 2位はNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也)。3位にはNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)が入り、3メーカーの3車種が表彰台を分け合う結果となった。
 それより下位、7位から10位あたりの数台は、最終ラップに大きく変動した。9位にいたNo.23本山は他車との接触があり、12位に後退。No.22(クルム>柳田真孝)が7位、No.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史>道上龍)が8位、No.38(立川>リチャード・ライアン)が9位となった。
 この結果、シリーズランキングはNo.36脇阪/ロッテラー組が、トップのNo.18道上/小暮組と同ポイントに。No.22クルム/柳田組が3位、No.23本山/トレルイエ組が4位となっている。