7月30日、栃木県のツインリンクもてぎでSUPER GT公式テスト1日目が行われた。走行は午前と午後に1回ずつ行われた。平日ながら夏休みとあって、パドックやスタンド、コースサイドには多くの家族連れの姿が見受けられた。


Session 1

セッション1 天候:曇 | コース:ドライ | 気温:28度 | 路面温度:40度

 曇が多いながらも夏の日差しのさす中、午前9時30分から2時間の予定で最初のセッションが開始された。気温28度、路面温度40度のコンディションで終了時点では気温29度/路面温度42度まで上昇した。

 セッション開始から45分の段階ではNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー/カルロ・バンダム)の脇阪が1分46秒800のトップタイムをマーク。さらにNo.36は終盤に46秒766までタイムをアップ。これがこのセッションのトップタイムとなった。
 2番手には、つい3日前の第5戦SUGOのクラッシュからマシンを修復したNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也)のファーマンの47秒058。そして、3番手にNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)だったが、ライアンが出したタイムは、なんとNo.1 NSXと同タイム。ともにSUGOでの好調を維持しているようだ。
 上位陣はSC43とNSXが占め、GT-R最上位はNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ)だった。

 このセッションのトップタイムを記録したNo.36 脇阪は「もてぎはSC430との相性も悪くないし、雰囲気は良い。SUGOでクルマが壊れたんですが、短い時間でメカニックが修復してくれました。トップタイムは気持ち良いし、いい流れです。後はメニューを消化してバンダムの乗る時間をつくってあげたい。SUGOも良いレースをしてたけど、フロントスポイラーがなくなって、タイヤも変磨耗が出て、ポイントを落としました。TOM'Sとしてはいつでも全開! 次の鈴鹿はある程度のポテンシャルがあると思いますよ」と、現在好調であることをアピールした。


No.36 PETRONAS TOM'S SC430

 GT300クラスは、開始45分の段階でNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/山路慎一/澤圭太)が1分57秒287でトップ。No.2 プリヴェKENZアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規)が57秒867と、この2台が57秒台をマーク。残り45分でSUGOの雨の金曜日に好調だったNo.33 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ/影山正美)の木下が1分57秒251とトップタイムを更新。No.26 谷口もこれに続いて1分57秒281をマークした。
 木下は「SUGOの雨は速かったんです(笑)。タイヤを開発していてデメリットをメリットとして生かせることができて、これが第一歩です。ここにきてそれが確認できて、それがタイムアップにつながったんです。次の鈴鹿は長いレースなので、給油時間が長くなるポルシェは厳しいですね。速さよりコンスタントなラップが求められますから。もてぎで勝負できたらいいなと思ってます」と、ひとつ先の第7戦もてぎまで視野に入れているようだ。
 なおこのテストにエントリーをしていたNo.110 KUMHO BOXSTER-GTは、前戦SUGOでのクラッシュから修復が間に合わずに欠場。それもあって光貞秀俊がNo.111のステアリングを握っていた。



No.66 triple a ムルシェRG-1
Session 2

セッション2 天候:曇 | コース:ドライ | 気温:35度 | 路面温度:39度

 午後セッションは、2時30分から始まった。セッション前のインターバルではポツポツと雨が降ったが、コースを濡らすほどではなく、曇り空のなか午後のセッションはドライコンディションで行われた。

 セッション開始50分の段階で、No.38 ZENT CERUMO SC430が1分45秒749とこのセッションでのトップタイムをマークしていた。これに続いたのがNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/平中克幸)の46秒023となっていた。
 15時43分にNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(高木虎之介/アンドレ・クート/嵯峨宏紀)が90度コーナーでコースアウトしたため、8分間の走行中断。16時10分、予定では残り20分となった段階では、トップ、2番手はNo.38、No.32で変わらず。3番手にはNo.1 ARTA NSXが46秒100でつける。
 16時25分にNo.111 ARKTECH BOXSTER-GTが最終コーナーでスタック。5分間の中断となり終了時刻が11分延長されて,16時41分のチェッカーにとなった。

 結局、No.38 ZENT CERUMO SC430のトップは変わらず。このタイムがこの日のトータル・ベストになった。2番手に終了近くに45秒807までタイムアップしたNo.1がつけた。午後もGT-RのトップはNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rで10番手。前戦SUGOを急な発熱で欠場した松田は復帰を果たし、午後はGT-Rのステアリングを握っていた。
 16時30分の終了時点では気温27度、路温35度まで低下した。

 GT300クラスの午後。セッション序盤は午前に続いてNo.33 HANKOOK PORSCHEが1分56秒857と自らのタイムを更新する好タイムを出しトップにつけた。だが、16時10分頃にNo.66 triple a ムルシェRG-1(山西康司/余郷敦)の山西が1分56秒264をマークし、トップが入れ替わる。No.33も56秒580まで縮めるが、2番手に留まった。


No.33 HANKOOK PORSCHE

Comments
立川祐路/No.38 ZENT CERUMO SC430(GT500クラストップタイム)
まわりもテストで何をやっているかわからないのでタイムはね…(気にしていない)。クルマはSUGOでのレースも良かったし、その流れで今日も悪くない。けれど、まだまだ満足できる状況じゃないです。今日はタイヤをメインでやったんで、もう少しクルマもセットしないとね。次の鈴鹿1000kmは(ライアンと)2人でやります。僕が1スティントだけで、後はライアンでね(笑)。鈴鹿はSUGO(の3位入賞)でウエイトを積んだからどうなるかわからないけど、やるだけやって最後まで走っていてポイントが取れれば取るし、ダメならもてぎに賭けますよ。
山西康司/No.66 triple a ムルシェRG-1(GT300クラストップタイム)
SUGOでは原因不明のノーグリップでクルマをいろいろ変えたんです。あのコンディションでは何が悪いかわからず、少しずつ戻したらいつものフィーリングに戻ったかな。(今日は)ヨコハマのタイヤがすごく良かったです。(第2戦の)岡山でタイミングが狂ったかな? テストは速いのに、予選がダメと言うパターンに(ハマって)…。余郷さんと2人で相談しながら、安定して速いクルマに仕上げたいですね。タイヤは素晴らしい状態ですが、(テストの)メニューがたくさんあるので、本当は今日1日で終わる予定だったけど、明日もテストをすることになりました。