2008 AUTOBACS SUPER GT第8戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の予選を翌日に控えた10月17日、オートポリス(大分県)で、公式練習走行が行われた。


Session 1

練習走行 1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温16度 | 路面温度18度

 SUPER GT開催サーキットの中で最も標高が高いオートポリス。好天に恵まれたこの日、まさに高原の秋らしい、爽やかな空気の中での走行となった。
 1回目の走行は9時30分から。開始時点での気温は16度、路面温度は18度と、やや肌寒さも感じられたが、終了の11時には気温22度、路面温度31度に上昇した。
 GT500クラスでは、このセッションでトップタイムをマークしたのはNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)で、1分41秒793。今回のウェイトハンデは15kgと、ランキング・トップ5の中では最も軽く、そのメリットを最大限に生かした格好だ。2番手はNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝)、3番手No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)とNISMO勢が続いた。この2台もNo.22が25kg、No.23が20kgとウェイトが軽く、今回が勝利を挙げるチャンス。ここで勝てばタイトルもぐっと近づくだけに、入念なテストを重ねていた。
 一方、ランキングトップのNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)はウェイトハンデ75kgで12番手、No.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)は70kgで8番手と、さすがに重さに苦しんでるようす。NSX勢では、No.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)の4番手がこのセッションでの最上位だった。

 GT300クラスではNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)の1分52秒074がこのセッションでのトップタイム。ランキング3位からの逆転タイトルに向け、今回はウェイトハンデが5kgと有利な条件。ここで勝って、最終戦に勝負をかけたいところだ。
 だが、2番手No.11 JIMCENTER ADVAN F430(田中哲也)をはさんで、3番手にはランキングトップのNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹)がつけた。No.46はウェイトハンデが100kgと、クラス最大。それでも3番手につけたところにチームの底力がうかがわれる。また、ランキング2位のNo.43 ARTA Garaiya(新田守男)もウェイトハンデ50kgながら5番手。これらランキング上位勢のこのレースでの結果が、タイトルを行方を大きく左右するだけに、各チーム、少しでもライバルを上回ろうと、真剣なテストを重ねていた。



No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電
Session 2

練習走行 2回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温23度 | 路面温度36度

 2回目の走行は14時から。1回目と同じく、晴天、ドライでの走行となった。開始時点での気温は23度、路面温度は36度まで上がった。
 GT500クラスでは、No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)が、まず1分41秒362と、1回目のトップを上回るタイムをマーク。ライバル勢は、最後に行なわれるクラス専有走行にニュータイヤを残し、セッション半ばまでは中古タイヤでの決勝シミュレーションを行なうチームが多かった。だがNo.23は、タイヤの比較をするために中盤に2セットのニュータイヤを投入。その中でマークしたのがこのタイムだった。
 途中15分間のGT300クラス専有時間をはさみ、15時40分からGT500クラス専有。No.23を除く各チームはここでニュータイヤを投入し、予選シミュレーションのタイムアタックに出る。SC430勢ではNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)、No.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)、NSX勢ではNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)が、それぞれタイムアップしてくるが、いずれもNo.23に届かない。けっきょく、このセッションでのトップはNo.23となった。
 GT300クラスではNo.11 JIMCENTER ADVAN F430(田中哲也)がこのセッションでのトップ。2番手は専有時間帯にタイムアップしたNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)、3番手はNo.110 KUMHO BOXSTER-GT(光貞秀俊)と、ポルシェ勢がつけた。
 一方、1回目にトップタイムをマークしたNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電は、高橋一穂が走行中にコースアウトを喫してマシンを一部破損し、赤旗中断の原因に。このセッションでは7番手に留まった。ただし、一日トータルでは1回目に加藤寛規がマークしたタイムがこの日のベストとなった。また、ランキングトップのNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹)はこのセッションでは15番手、同2位のNo.43 ARTA Garaiya(高木真一)は14番手に留まった。


ブノワ・トレルイエ/No.23 XANAVI NISMO GT-R(GT500クラストップタイム)
午前中は、クルマのバランスが悪くもないけど、いいっていう感じでもなくて、ドライビングがちょっと難しかった。だから、午後に向けてセットアップを変更したら、乗りやすくなった。午後は2種類のタイヤを比較したかったから、セッションの真ん中にニュータイヤを使った。セッションの最初に1セット、最後にもう1セットという使い方をすると、コンディションが違いすぎて、比較をするのが難しいんだ。短時間で2種類を試せば簡単に比較できるからね。セッションの中盤に、僕がタイムアタックシミュレーションをした後は、サトシがロングランをやって、最後に僕もそれを確認した。レースセットアップでもクルマのバランスは悪くないと思うよ。今回の目標はもちろん優勝だよ。そのためにも予選から前に行きたい。グリッドが後方になるとアクシデントに巻き込まれるリスクも高まるから、より安全にレースを戦うためにも1列目からスタートしたいよ
加藤寛規/No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(GT300クラストップタイム)
(トップタイムは)何かの間違いじゃないですか(笑)? 確かに(クルマとコースとの)相性はいいですよ。クルマは軽い状態だったし、ニュータイヤも午前中に2セット投入したしね。だからタイムが出たのも当然といえば当然なんです。でも、周りを見ると、来るべきところが意外に来てない。チームとしては今回の目標はできるだけ上位狙いということになりますが、あんまり(コースアウトによるクルマの)壊れ方がひどいとなぁ…。(最終戦の)富士はこの前のテストを考慮すると正直キツいんで、ここでしっかり取れるもの(ポイント)は取っておきたいですね。明日のタイム次第というところはありますが、スーパーラップでの勝負でいくしかないですね。今日は、周りが燃料積んで走ってるでしょうから、明日になればハッキリしますよ