10月18日午前、2008 AUTOBACS SUPER GT第8戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の予選1回目が、オートポリス(大分県)で行われた。GT500クラスはNo.22 MOTUL AUTECH GT-Rのミハエル・クルム、GT300クラスはNo.11 JIMCENTER ADVAN F430の田中哲也がトップタイムをマークした。


Qualifying Session 1

公式予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温21度 | 路面温度29度

 予選1回目は10時20分から。前日と同じくきれいな秋晴れに恵まれ、完全なドライ路面での走行に。開始時点での気温は21度、路面温度は29度というコンディションだった。

 最初の20分間はGT300クラス専有。No.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学)が早めのタイムアタックを行い、他が1分53秒台に留まる中、1分52秒台でトップに立つ。その後、No.43 ARTA Garaiya(高木真一)、No.81 ダイシンADVAN Z(青木孝行)が次々とトップタイムを更新。1分52秒台前半の勝負になるかと思われた。だが、No.11 JIMCENTER ADVAN F430(田中哲也)がファーストアタックで1分51秒505と、この時点で他を0.5秒以上上回るタイムをたたき出し、暫定トップを奪った。
 さらにその後、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)もアタック。前日の練習走行中にクラッシュ、徹夜の修復作業でようやく走れるようになったマシンを、加藤が思いきり振り回し、1分51秒615をたたき出して2番手につけた。
 その後、混走の時間帯を含めてトップ10に変動はなく、No.11 JIMCENTER ADVAN F430、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電、No.81 ダイシンADVAN Z、No.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)、No.43 ARTA Garaiya、No.19 ウェッズスポーツIS350、No.4 EBBRO UEMATSU 320R(阪口良平)、No.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹)、No.33 HANKOOK PORSCHE(影山正美)、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(黒澤治樹)の10台がスーパーラップ進出を決めた。

 つづく20分間はGT500クラス専有。最初の10分間、タイムアタックに出たのはNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート)、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士)の2台のみだった。
 残り8分ほどになって、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)を先頭に続々とコースイン。本格的なタイムアタック合戦が始まる。ファーストアタックでトップを奪ったのはNo.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)だが、No.32 デュバルがアタック2周目でこれを逆転。さらにその後、No.22 MOTUL AUTECH GT-R(ミハエル・クルム)が1分40秒472と、初めて1分40秒台をマークしてトップを奪う。
 No.22クルムのタイムをターゲットに、各チームともアタックに入ったが、ここでアクシデントが発生。第1セクターまでベストタイムで来ていたNo.39 クートが、第1ヘアピンより一つ手前のコーナー付近でコースアウト。クラッシュバリアに後方から乗り上げてストップしてしまう。直ちに赤旗が提示され、セッションは中断となる。
 さいわいクートにはダメージはなく、マシン回収後に再開されるが、この時点でGT500クラス専有の残り時間は約1分30秒。アウトラップを周回しているうちに混走の時間帯に入ってしまうことに。このため、最後のアタックにすべてを賭けていたNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)らは、混雑した中でのタイムアタックを余儀なくされることになった。

 最後の20分間、No.38 立川、No.12 松田、さらにNo.100 RAYBRIG NSX(細川慎弥)ら、この時点でトップ10に入っていなかったチームはアタックを行なう。だが、両クラスのマシンが入り乱れるこの状況ではなかなかタイムアップは難しく、自身のタイムは更新するものの、10番手以内に入ることはできなかった。
 この時点では、No.22 MOTUL AUTECH GT-R、No.17 REAL NSX(金石年弘)、No.32 EPSON NSX、No.23 XANAVI NISMO GT-R、No.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)、No.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)、No.35宝山KRAFT SC430(ピーター・ダンブレック)、No.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)、No.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ)、No.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が、暫定トップ10となった。

 13時14分、暫定結果が発表された。それによると、No.22 MOTUL AUTECH GT-Rは車両規則違反(リアウィングの位置)により予選1回目の全タイムを抹消された。また、他にも10時58分の赤旗提示以後にベストタイムをマークしたと判定された車両があり、順位に大きく変動。さらにNo.17 REAL NSXは赤旗中の減速違反によりポジションが一つ下がり、11番手に。
 この結果、暫定トップはNo.32 EPSON NSX。以下、No.23 XANAVI NISMO GT-R、No.18 TAKATA童夢NSX、No.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R、No.36 PETRONAS TOM'S SC430、No.38 ZENT CERUMO SC430、No.25 ECLIPSE ADVAN SC430、No.100 RAYBRIG NSX、No.35宝山KRAFT SC430、No.1 ARTA NSXの10台が暫定のトップ10となっている。


No.11 JIMCENTER ADVAN F430

GT500 クラス | 予選1回目トップ
ロイック・デュバル/No.32 EPSON NSX
僕は他の人たちより、ちょっとラッキーだったと思う。早目にピットを出て行ったおかげで、ちゃんとタイムアタックすることができたから。でも、まだクルマのバランスがパーフェクトっていうわけじゃないから、スーパーラップでこのポジションをキープするのは、本当に本当に本当に大変だと思う。クルマはかなり跳ねが強いんだ。このサーキットはバンプが多いからね。コーナーの入り口ではオーバーステアだし、コーナーの中ではアンダーステアが強い状況で、ドライビングも簡単じゃないよ。でも、僕としては最大限のプッシュをしなくちゃいけない。いいタイムを出そうと思ったら、110%でアタックしないとね。僕らの目標としては、とにかくスーパーラップでトップ5に入ること。あとは他の人たちのアタックを見てみないとね
GT300 クラス | 予選1回目トップ
田中哲也/No.11 JIMCENTER ADVAN F430
昨日から流れがいいんですよね。でも予選アタック自体は完璧じゃなかったんです。セクター3で失敗したんです。アンダーを出しちゃいました。それ以外はまぁまぁかな。アタックでは、フロントが(温まって)こなくて、続けて2周目もアタックしました。それでもフロントのアンダーがキツかったですね。かえって、混走時のユーズド(タイヤ)のほうがしっくりしていましたよ。スーパーラップでは、ニュータイヤでの合わせ込みを見直して、タイミングよくタイムを出せるようにしないと。まずは自分で完璧なアタックができれば、と思います