2008 AUTOBACS SUPER GT第9戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝レースが、11月9日、富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。GT500クラスはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ組)が今季2勝目。GT300クラスはNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)が、予選2位から今季初優勝を果たした。
□決 勝 天候:曇/小雨 | コース:ドライ/ウェット | 気温9度 | 路面温度10度
GT300クラスは、オープニングラップでタイトル候補のNo.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹)がスピンする波乱。他車との接触があったようだが、これで入賞圏外に下がってしまう。
一方、3番手スタートのNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学)と、6番手スタートのNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)はそろってポジションを上げる。スタート時、ライバルがレインタイヤを選択していたのに対し、この2台はスリック。路面が乾き出したためタイヤ交換のピットインを余儀なくされたライバルを出し抜いて、この2台がトップ2に浮上していった。
No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R
スピンでポジションを落としたNo.46星野は徐々にポジションを回復。10周目にはタイトル争いのライバル、No.43 ARTA Garaiya(新田守男)の直後、12番手に戻ってくる。13周目にはダンロップコーナーでNo.46星野がNo.43新田のインを差し、11番手に上がる。
18周目、ダンロップコーナーでNo.46星野とNo.33 HANKOOK PORSCHE(影山正美)が絡んでストップ。そこへNo.43新田が差し掛かり、No.33に接触してしまう。No.46とNo.43はすぐに再スタートを切ることができたが、No.33はダメージが大きく、いったんは動き出したもののコースサイドにマシンを止めざるを得なかった。
25周を過ぎ、次々とルーティンのピットイン。この時点では再び雨が落ち始めたため、ほとんどのチームがレインタイヤに履き替えた。34周目には上位陣のピット作業がほぼ終わり、No.26ドミニク・ファーンバッハーがトップを確保。2位には、やはりスリックでのスタートを選択していたNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R(黒澤治樹>柴原眞介)、3位にはNo.19阿部翼がつけていた。
No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ
だが、その後方から追い上げてきたのがNo.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(カルロ・バンダム>山野哲也)だった。強まる雨の中、AWDのインプレッサのペースは完全に他を上回っており、No.19阿部、No.31 DOUBLEHEAD avex apr MR-S(坂本雄也>峰尾恭輔)らをパスして、ついに3位に上がってくる。
トップ3にはこれ以上変動はなく、No.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー)が今季初優勝を遂げた。
2位はNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R(柴原眞介/黒澤治樹)。開幕戦で柴原が負傷するなど流れの悪かった今季だが、最終戦を表彰台で締めくくることができた。3位はNo.77クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也/カルロ・バンダム)。気まぐれな天候を味方に表彰台を得た。
一方、タイトル争いは最後にもつれた。序盤のスピンでいったんは遅れたNo.46 MOLAレオパレスZ(星野>安田裕信)だが、徐々にポジションを回復。フィニッシュ1周前には7位になっていた。このままフィニッシュすると、9位につけていたNo.43 ARTA Garaiya(新田>高木真一)と同ポイントながら優勝回数の差でNo.43新田/高木組がドライバーズチャンピオン。だが、この時点で6位にいたNo.81 ダイシンADVAN Z(青木孝行>藤井誠暢)が最終ラップで急激にスローダウンし、最終コーナーを立ち上がったところでNo.46が6位に上がった。No.81のスローダウンの原因は「クルマをチェックしてみないとはっきりしないが、おそらく燃料系のトラブル」(大八木信行監督)とのことだが、これによってNo.46星野/安田組がドライバーズタイトルを手に入れることになった。