2008 SUPER GT スポーティングレギュレーション 抜粋
これは2008年度のSUPER GTスポーティングレギュレーションから主な内容を抜粋、編集したもので、正式なものではありません。正確な内容、解釈が必要な場合は、GTA発行の『2008 SUPER GT Sporting Regulations』をお読みください。また、規則はシーズン中に変更される場合があります。
○タイトルの認定
○GT500
2008年JAF国内競技車両規則第1編第7章「グランドツーリングカー(JAF-GT500)」に従った車両とGTAによる特認車両。
○GT300
同第8章「グランドツーリングカー(JAF-GT300)」規定に従った車両とGTAによる特認車両。
※GTAが特別に認めた車両(特認車両)
(1)2007年にSUPER GTに参加したJAF-GT車両、(2)FIA GT車両、(3)ル・マンGT車両、(4)SCCA GT車両、(5)Grand-American GT車両、(6)DTM車両、(7)GTAが特別に認めた車両。
○GT500新造車の2シーズン連続使用
2007年シーズンに使用された新造シャシーは2シーズン連続して使用する。期間中に修復不可能となった場合は、GTAの承認を受けて交換する。交換した最初のレースは決勝スタートグリッドをクラス最後尾とする。
※予備車両、またはスペアカー等の使用は認められない。
○公式予選
抽選で決定したタイヤを除いた残りのセットを自由に使用できる。公式予選およびフリー走行において、上記で述べたセット以外のタイヤの使用は、いかなる理由においても許されない(ウェット宣言時を除く)。
○ウェットタイヤ
ウェットタイヤは決勝レースを除き、各々のセッションにおいて路面がウェット状態であると競技長が宣言した時のみ使用可能。ウェットタイヤは、溝パターンを最初に使用する大会の10日前迄にGTAに登録する。
○ウォーマーの禁止
競技会期間中、機材等を用いてタイヤを意図的に加熱、保温することは禁止される。
※タイヤメーカーとGTAの協定として、レースウィークで使用できるタイヤは1車両11セット、500kmレースは12、1000kmレースは15に制限されている。
○ライセンス
ドライバーは所属するASN発給の国際ドライバーライセンスBクラス以上の所持者。同CグレードのドライバーはGTAの承認を得ねばならない。
○公式予選
60分の公式予選を2回設定する。2回の公式予選の間は2.5時間以上開け、下記の1または2の方法を選択する。
スーパーラップ方式または他のグリッド決定方式を選択した場合、各戦の特別規則で定める。
※各々のドライバーは、公式予選通過基準タイム(それぞれの部門の上位3台のタイムを平均し、その107%以内)を達成しなければならない。
※公式予選中、または公式予選中断時に、何らかの理由により競技役員の手助けを受けピットに戻った車両は、公式予選の残りの時間内に再びコースインすることはできない。
※チェッカーフラッグまたは「走行可能クラスの表示」が表示された後に計測された最終周回タイムは有効。
※2台以上の車両が同タイムの場合には、最初に記録した車両が優先される。
※基準タイム達成車両が、特別規則に定められている決勝出走台数に満たない時、予選通過基準タイムを達成しなかったチームは、決勝レース出走嘆願書を競技会審査委員会に提出することができる。この車両のスターティンググリッドは、当該部門の最後尾とする。
※前年ポイントランキング(各車両単位)で各カテゴリー12位までのチームとワイルドカード参加車両の決勝レース出場権を保証される。
予選1回目
予選2回目
○全車走行セッション
○スーパーラップ
○グリッド数
スタートにつくことを許される車両台数は、当該サーキットの認可条件内で特別規則に記される。
○フォーメーション
スターティンググリッドは、公式予選の最高タイムの順に1×1スタッガードフォーメーション(2列の互い違い)に配列される。GT500クラスとGT300クラスは予選タイムに関わらずGT500クラスを前、GT300クラスを後のグリッドとする。ローリングスタート中のグリッドは2×2フォーメーション(2列の並列)とする。
○車両の位置
スターティンググリッドは、ドライバーの1名が出した最高タイムによって決定される。ペナルティ等があれば、記録タイムに関わらずグリッドを後退させる場合もある。
○ポールポジション
ポールポジションは、公式予選において最上位を達成した車両に与えられる。ポールポジションおよびGT300クラスの先頭車両のグリッドは、1コーナーに向かってイン側とする。ポールポジション車両が決勝レースに出走できない場合、そのグリッドは空席となる。
※グリッド表が決定する前に車両が撤退した場合、グリッドは前につめられ、発表後では空席のまま残す。
○ローリングスタート
スタート方法はローリングスタート方式が採用される。
○ウォームアップ(フリー)走行
フォーメーションラップ開始55分前からスタート準備を行い、最初にピット出口が開放されてから8分間のウォームアップ(フリー)走行が行われる。
○ピットスタート
スタート37分前にピット出口が閉鎖されるまでにピットから離れることができなかった車両、グリッドについても一度ピットに戻った車両はピットスタートとなる。
○グリッド上の作業
「5分前ボード」が出されるまで許される。ただし、燃料およびオイルの補給は除く。
○スタート手順の進行
5分前ボード:すべての作業は禁止。グリッドに着けない車両はピットスタートとなる。
3分前ボード:ドライバー、競技役員を除くすべての者はコース上から退去。
1分前ボード:ドライバーが車両内に着座したままエンジンを始動。
30秒前ボード:この合図の後、グリッド前方で、グリーンフラッグが振られ、同時にオーガナイザーのオフィシャルカーを先頭に全競技車両は隊列を保ち、フォーメーションラップを開始する。この周回中にスタート練習を行うこと、著しく隊列を乱すことや追い越しは禁止。オーガナイザーから指示があるまでは1列縦隊で走行することは許されるが、指示が出され、隊列を2列縦隊に整えた後は前車の走行ラインから左右にはみ出してはならない。
○スタート不能の車両
フォーメーションラップ開始時にスタートできなくなった場合、ドライバーは手を出して合図する。他の全車両がグリッドを離れた後、競技役員のみが車両をトラック上で押してエンジンを始動することができる。フォーメーションラップのスタート時、及び途中でスタート順序を保てなかった車両は、同クラスの他車を抜かずに最後尾につける。ただし、GT500車両はピットロードに入り、ピットスタートとする。
○信号
フォーメーションラップが開始された時点でスタートラインの信号灯にレッドライトが灯され、全オブザベーションポストにおいてイエローフラッグが提示される。スタート信号は、競技長が管理するスタート信号灯(グリーン)により合図される。スタートラインの信号灯のレッドがグリーンに変わるとレーススタートとなるが、各車両はスタートラインを通過するまで他車を追い越してはならない。
○先導車の速度
フォーメーションラップを先導するオフィシャルカーの最高速度は約80km/hで、フォーメーションラップの終了と共にコースから退去する。競技車両はポールポジション車両の先導で約70〜90km/hでそのまま走行を続ける。GT300の先頭車両はスタートラインまで90km/hを超えてはならない。
○スタートの延期
フォーメーションラップ中に問題が発生した場合、スタート信号灯はレッドライトを継続し、全ポストにおいてイエローフラッグが提示され、もう1周フォーメーションラップを行い、オフィシャルカーが隊列の先頭に合流し、再度フォーメーションラップを行う。この場合レース距離は、本来の周回数から2周減算される。
○ウェット時のスタート遅延 (START DELAYED)
決勝スタートが迫っていて、安全上問題があると競技長が判断した場合は、競技長はスタートを延期できる。
○燃料給油
決勝レース中、1回以上の燃料補給が義務付けられる。燃料あるいは補給装置の冷却は禁止。燃料補給中はエンジンを停止し、4輪が装着状態でなければならない。燃料補給中ドライバーはその車両内にとどまることができる。燃料補給中、最少1名のチームクルーが消火器を持って待機する。燃料補給要員並びに消火要員は、耐火のスーツ、グローブ、フルフェイス型ヘルメット、バラクラバス(目出し帽)を着用すること。燃料補給中にジャッキを作動させることは許されない。
燃料補給中は次ぎを除きすべての作業が禁止される。ドライバー交代、シートベルトの装着、計時用トランスポンダーのセット、ドライバー無線、ドリンクボトル、クールスーツの接続およびアイスボックスの氷交換。
○エンジンの停止
ピットでの停車は必ずエンジンを停止さる。調節のためのエンジン始動は補助エネルギー源を使用することが許されるが、レースに加わるためのエンジン始動は、運転席においてドライバーがその車両に装備されている装置によって四輪が接地された状態で行わなければならない。
○後進ギアの禁止
ピットエリアでの後退ギアの使用は禁止。車両が自己のピットを行き過ぎて停止した場合には、当該車両は自チームのチームクルーによってのみ押し戻すことができる。
○作業
決勝レース中シリンダーブロック、あるいは車体を取り替えることは失格となる。
ドライバーが単独で安全な場所で、車両に搭載されている方法あるいは手段をもって行う応急修理を除き、燃料補給、修理は当該車両のピット以外で行ってはならない。
○作業員の人数
チームクルーのうち最大5名(タイヤメーカーのサービスマンおよび消火要員を除く)が同時に車両の作業につくことができる(当該5名は、耐火装備しなければならない)。 燃料補給中に、燃料補給以外で作業できる人数は3名以下であること。ドライバーはこの中には含まれない。窓拭き、アイスボックスの氷交換は作業とみなす。
○タイヤ交換
タイヤ交換は2名以内で行い、一連の作業中の人員変更は認められない。タイヤ交換を行う2名以内の作業員は、平置き状態で装着予定のタイヤを他の者からの援助を一切受けることなく装着しなければならない。また、外したタイヤを地面に平置きの状態にしなければならず、他の者へ手渡したり放り投げる等の危険な行為は許されない。平置き状態の外されたタイヤをピット作業エリア外へ片づける場合、手渡したり、放り投げる等の危険な行為は許されない。 ※タイヤ交換は義務ではない。
○再スタート
レースの再開はセーフティカースタートによって行なわれる。レースが再開できなかった場合は、レースは中断の合図が出された周回の1つ前の周回が終了した時点の結果が採用される。
◎SUPER GTではレースの安全と公平性を考慮し、決勝レース中のセーフティカー(SC)運用を下記の通りにする。
○チェッカーフラッグの掲示ミス
万一チェッカーフラッグが不注意などで規定周回数を完了する前に表示された場合でも、レースはその時点で終了したものとみなされる。遅れて表示された場合は、最終順位はレース距離が達成された時点のものとなる。
○順位の認定
規定距離を最短時間で走破した車両を第1位とする。すべての車両は、達成した周回数の多い順に、同一周回数の場合はフィニッシュライン通過順に順位を決定する。
○性能の引き下げ措置
*積載するウェイトの重量は下表を参照
○ウェイトハンディの軽減
ウェイトハンディが課せられた車両が6位以下となった場合、次レース出場時ウェイトハンディの累積から順位に対応した重量を、当該レースに出場しない場合は両クラスとも20kgの軽減がなされる。
ウェイトハンディ | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
決勝順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位以下 |
積載ウェイト | +50kg | +30kg | +20kg | +10kg | ±0kg | –5kg | –10kg | –15kg | –20kg |
予選順位 | 1位 | 2位 | |||||||
積載ウェイト | +10kg | +5kg | |||||||
○車両型式が変更された場合、およびチームとドライバーが同時に変更された場合はハンデは累計されない。
○ウェイトの取り付け位置
ウェイト取り付け装置の重量はウェイトハンディに含まれる。ウェイトは定型の鉛板で、50kgまでは助手席部に、累積50kgを超える分の積載位置は任意とする。該当車両はウェイトハンディマークを表示する。
○性能の引上げ措置
各車両は各レースの成績等に基づき、判定基準に基づき、次レース出場時にエアリストリクター径を拡大できる。ただし、特認車両にはこの措置は適用さず、別途この措置に準じた性能調整が適用される。また、10kgを越えるウェイトハンデ課せられている車両にはこの措置が適用されない。
※引上げ適用の車両が、車両型式、エンジン型式または排気量を変更した場合、その措置を撤回する。
○GT500車両の特別性能調整 [GT500]
GTAはシーズン中でもリストリクターの調整を行うことができる。2008年GTAブルテンNo.004-Tでは、GT500のSC430、NSX、GT-Rにおいて、第1戦、第2戦の結果に基づき、0kgから最大60kgまでの特別性能調整を行うとしている。この調整によるウエイト搭載は、最低車両重量の調整であり、ウェイトハンディの累計には含まれない。
○ドライバー
○チーム
○不可抗力によるレース中止の場合
ドライバーポイント | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
決勝順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
ポイント | 20 | 15 | 11 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
予選順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 決勝ベストラップ順位 | 1位 | 2位 | 3位 | |||
ポイント | 3 | 2 | 1 | ポイント | 1 | 1 | 1 | |||
○シリーズ全9戦の最終3戦(Rd.7〜9)のポイントは全て有効とし、上位7戦のポイントを対象として有効ポイントを算出する。 ○シリーズ最終戦は、予選・決勝ベストラップに対するポイントは与えられない。 ○レースが所定の周回数で行われなかった場合は、規定により得点を変更する。 ○リタイヤ、未完走、失格となった場合、決勝ベストラップの得点は与えられない。 ○失格とされたレースの予選・決勝ベストラップのポイント加算は行えず、当該大会成績をポイント合計対象レースから除外する事はできない。 ○同ポイントで並んだ場合は、上位入賞回数の多いほうにシリーズタイトルが与えられる。 |
チームポイント | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
決勝順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 |
ポイント | 20 | 15 | 11 | 8 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
走行ラップ数 | トップと同一周回 | 1周遅れ | 2周遅れ以上 | |||||||
ポイント | 3 | 2 | 1 | |||||||
○チームに対するポイントはゼッケンを基準として車両1台ごとに与えられる。 ○シリーズ全戦の決勝レース順位および走行ラップ数ポイント全てが合算される。 ○走行ラップ数ポイントは完走車にのみ与えられる。 ○レースが所定の周回数で行われなかった場合は、規定により得点を変更する。 ○同ポイントで並んだ場合は、上位入賞回数の多いほうにシリーズタイトルが与えられる。 |
○レース中に課す罰則
ドライビングスルーペナルティ:ピットレーンに進入し、ピットに停止せずにピットレーン出口からレースに復帰する。
ペナルティストップ:ピットレーンに進入し、ペナルティストップエリアにタイムペナルティの時間だけ停止(エンジン停止の必要なし)し、レースに復帰する。その時、自チームのピットに停止することは許されない。
○ペナルティの指示
罰則が決定すると罰則の種類を示す表示板、当該車両の競技番号を記入した黒の表示板がコントロールラインで表示される。競技時間内にドライバーに罰則を通知できない場合は、完走タイムに対しペナルティ相当のタイム加算する。予選時のペナルティには最上位タイムの抹消、違反時のセッションのタイムの無効などがある。
○ペナルティの種類
反則スタート:ドライビングスルーペナルティ
黄旗無視:ドライビングスルーペナルティ以上
ピット作業違反:ドライビングスルーペナルティ
ピットレーンの速度制限違反:ドライビングスルーペナルティ
ドライブ行為の規律:ドライビングスルーペナルティからペナルティストップ30秒まで
○失格
ペナルティが表示されてから3周以内に実行できなかった車両は黒旗を提示し失格とする。
○レース後のペナルティ
審査委員会はタイムペナルティに加え、反則金、シリーズポイント減算、出場停止などを重ねて課す場合がある。
○ドライビングモラルハザード
GTAはこの規律を保つため、ドライビングモラルハザード制度を運用する。
※上記のペナルティに対する抗議・控訴は認められない。