5月4日、2009 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」は富士スピードウェイ(静岡県)で決勝日を迎えた。決勝日朝のフリー走行が、8時45分から30分間行なわれた。


Free Practice

フリー走行 天候:晴 | コース:ドライ | 気温17度 | 路面温度20度

 GT500クラスで、このセッションのトップタイムをマークしたのはNo.36 PETRONAS TOM'S SC430。最初にアンドレ・ロッテラーが乗り込み、1分36秒294を記録した。後半に走った脇阪寿一は1分37秒台がベスト。二人とも安定したタイムを刻んでおり、決勝ではスタートでロッテラーが前方のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rをパス、脇阪がつないで、最後に再びロッテラーで逃げきるという作戦が予想される。
 そのNo.1は、最初に乗ったブノワ・トレルイエが1分36秒582で、このセッションの4番手。後半に乗った本山哲も1分36秒台のベストタイムをマークしており、二人のタイムにほとんど差はない。決勝でも、易々とNo.36の先行を許すとは考えにくく、スタートからこの2台の激しい先行争いが見られそうだ。

 ここに割って入りそうなのがNo.8 ARTA NSX。最初に乗ったラルフ・ファーマンが1分36秒464で2番手につけた。伊沢拓也はコースアウトしかかるシーンも見られたが、最終的には1分37秒台のベストタイムをマーク。決勝でもミスさえ犯さなければトップ争いに加わってくるだろう。
 その他では、予選で12番手に留まったNo.39 DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート)が5番手に食い込んだのが目立った。その後方、7番手までが1分36秒台のベストタイムをマーク。上位陣にあまりタイム差はなく、決勝での混戦が予想される。
 なお、予選で通過基準タイムをクリアできなかったNo.21 ASTON MARTIN赤坂DBR9の都筑晶裕は、このセッションで1分41秒台のベストタイムをマーク。大会審査委員会から決勝出場を認められた。

 GT300クラスでは、No.2 プリヴェアップル紫電(加藤寛規)の1分44秒314がベストタイム。予選ではパワーステアリングのトラブルが発生、タイムアタックができなかったが、決勝では後方グリッドからの追い上げが期待される。
 クラスポールを奪ったNo.43 ARTA Garaiyaは新田守男が最初に乗り、1分44秒525をマークして3番手。通常は高木真一がスタートドライバーを務めることが多いが、今回は新田>高木>新田とつなぐ作戦かもしれない。
 予選2番手だったNo.81 ダイシンアドバンFerrariは、ここでも2番手。こちらは前半に藤井誠暢が乗り、ベストタイムは後半に乗った青木孝行がマークしている。4番手はNo.88 triple aガイヤルドRG-3(松田秀士)。予選では16番手に留まったが、決勝での追い上げが期待できそうだ。
 なお、No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7は、折目遼が走行中に左後サスペンションのピロボールが破損するトラブルが発生。スピンしてコースサイドにマシンを止めたが、決勝までには修復することができそうだ。

 フリー走行終了後、恒例の“サーキットサファリ”が行なわれた。この時間帯には気温20度、路面温度は25度まで上昇。上空には雲が多いため前日よりは温度は低めになると思われるが、路面温度がどうなるかも、決勝の行方を左右しそうだ。


No.2 プリヴェアップル紫電

アンドレ・ロッテラー/No.36 PETRONAS TOM'S SC430(GT500クラストップタイム)
僕らは、ただユーズドタイヤでのクルマのバランスを見ただけだよ。あとはレースのシミュレーションをしたんだけど、なかなかいい感じだった。ここまで大きな問題もないし、僕らのパッケージに対してはハッピーだよ。タイヤチョイスも良かったみたいだし、レースがどうなるか楽しみだね。(ポールポジションの)1号車も間違いなく速いとは思うけど。昨日の朝からセットアップはほとんど変えていない。満タンに合わせたぐらい。でも、この位置にいるし、楽しみだよ。
加藤寛規/No.2 プリヴェアップル紫電(GT300クラストップタイム)
あと3秒ぐらい速く走れたかなと思うんですけど、吉本くんが止めろっていうんで(笑)。(予選のトラブルは)ここ2戦トラブルが出ちゃって…。レースには間に合うので、いいんですけど。後ろからの追い上げはストレートがツラいので、厳しいとは思います。でも、レースが長いですし、ピットも2回入るっていうことで、チームの力でできるだけ前に押し上げてもらおうと思っています。予選が悪くても、レースでは必ず帳尻を合わせていますし、今年のキーワードは“V字回復”っていうことで(笑)。スタートドライバーもこれから決めます。スティントの距離とかも幅がありますし、スタートタイヤに何を選ぶかも検討材料。後ろから追い上げなので、色々な作戦が取れると思うんです。目標は表彰台です。