2009 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 300km RACE」の練習走行が、5月3日午前、富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。GT500クラスではNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔)がトップタイムをマーク。GT300クラスではNo.81 ダイシンアドバンFerrari(青木孝行)がトップだった。

公式練習 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度  開始時:18℃/24℃ 終了時:19℃/26℃


 No.6 ENEOS SC430の伊藤大輔は、セッション開始からほどなく1分35秒601をマーク。これが、このセッションでのトップタイムとなった。セッティングを変更することなく好タイムをマークできているのは、初期設定が正しい方向にできている証拠とみていいだろう。予選、決勝でも上位がキープできるのか、午後が注目される。

 2番手タイムはNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)。こちらはセッション半ばに1分35秒639をマークした。1分35秒台はこの2台のみ。SC430勢にとってホームコースの富士スピードウェイでは、ライバルにトップを譲り渡すわけにはいかないようだ。
 3番手は1分36秒011をマークしたNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)。ブノワ・トレルイエは、ドライビングモラルハザード・ポイント(*)の累積によりこのセッションを走行できないため、今回も本山が予選アタックを担当する。ここまで2戦、まさかのノーポイントに終わっているだけに、今回は背水の陣の戦いとなる。4番手、No.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)の1分36秒169がNSX勢のベストタイム。前戦鈴鹿のレース終盤、不運なクラッシュに見舞われてしまった同車だが、その影響は完全に払拭したようだ。
 一方、やはり前戦の接触によりシャシー交換を余儀なくされたNo.3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-Rは、このセッションでトラブルを発生。安田裕信が走行できなかった。また、No.17 KEIHIN NSXも塚越広大が走行できなかった。  No.100 RAYBRIG NSXは、ドライビングモラルハザード・ポイント累積で出場できない細川慎弥に代わり、今回は松浦孝亮がステアリングを握っている。

 GT300クラスでは、No.81 ダイシンアドバンFerrari(青木孝行)の1分43秒793がトップタイム。前戦鈴鹿でも予選で速さを見せた同車だが、今回も好調をキープ。前回、決勝では下位に沈んでいるだけに、今回はこのままの調子を維持したいところだろう。
 2番手は、セッション終了間際にタイムアップしたNo.43 ARTA Garaiya(高木真一)。昨年のこのレースでは1ピット作戦を行なった同チームだが、今回は特別ルールで2回ピットが義務づけられている。このチームを含め、昨年1ピットだったチームがどんな作戦をとってくるのか、注目されるところだ。その後方、3番手のNo.2プリヴェアップル紫電(加藤寛規)以下、6番手までが1分44秒台だった。
 なお、No.46エスロードMOLA Zは黄旗中のコースアウト違反により、公式予選開始後10分間走行禁止のペナルティを科された。


No.81 ダイシン アドバン Ferrari

*レースやテストなど公式日程の走行で、接触などで他のドライバーに不利な状況を作るなどドライバー・モラルに反する行為をしたドライバーに対し、GTAはドライビングモラルハザード・ポイントを与え、累積者にペナルティを課している。


伊藤大輔/No.6 ENEOS SC430(GT500クラストップタイム)
順位的に前の方にはいるんですが、クルマの方はまだ…というか、コンディションがもっと良くなると思ったんですけど、意外にグリップが上がらなかったんです。だから予選に向けては、コンディションを読んで、クルマの方もアジャストしないとダメかなと思います。朝はセットアップをいじってもタイムにはつながらないという状況でしたから、それを予選に向けてどうするか。そのままのセットをキープするのか、戻すのか、また違うところをやるのか、混走で試すかどうかも含めて、非常に悩ましいコンディションでした。ビヨンの時はいくらか決勝レースモードでしたね。その時のタイムは安定して良かったです。予選一発は悩みどころですけど、今回は勝ちたいですし、勝つためにも前の方のグリッドに行きたい。レース展開をリードするためにも、前の方に並びたいですね。
青木孝行/No.81 ダイシン アドバン Ferrari(GT300クラストップタイム)
今回は、どのライバルチームもフェラーリが来ると思っているだろうし、僕らが本命だと思います。フェラーリはストレートが速く、そのメリットを(富士が)一番生かせるので。ただ、セクター3なんかは全然遅いし、すぐに追いつかれてしまう。FIA-GT仕様のクルマなので、そのへんは今ドキのGT300にはかなわないんです。朝は、使うタイヤの選択と摩耗量をはかったのがメインで、セットアップはほとんどやっていないです。今回はピットインのルールがいつもと違うのでいろいろな作戦が取れると思うんですけど、僕らは他のクルマより給油時間が長いので、不利なんですよ。その分をコースで取り戻さなきゃいけないんです。まぁ、スピードがあるなっていうのは確認できましたし、トップは何にせようれしいですよね。予選でもトップになれるようにがんばります。