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2009 SUPER GT Round3

プレビュー

2009-04-24

シーズンの流れを掴め!
400kmの高速&長距離バトルは必見だ!!
ゴールデンウィークの熱き戦いに注目

5月3、4日、富士スピードウェイ(静岡県)で2009 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」が開催される。序盤戦の山場だけに、シーズンの流れを左右する重要な戦いと位置づけられる。世界に知られる高速コース、富士スピードウェイでの400kmのロングレース。まさに必見の一戦であろう。


不運のチャンピオンは逆襲できるか!?


No.1 MOTUL AUTECH GT-R
 今季はGT500クラスの車両規定がかなり変わったことで、国産マシンの勢力図が変わりつつある。とは言え、NISSAN GT-R勢の存在感は変わらず。ただ、昨年のチャンピオンNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が、なんとここまでの2戦はノーポイント。どちらかと言えばアンラッキーが続いているだけ。となれば、この富士はなんとしてでも勝ちに出たい。悪くともシリーズの流れを取り戻すために表彰台獲得は必須。No.1に加え、昨年の最終戦を優勝で飾ったNo.12 IMPULカルソニックGT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ)と共に優勝争いを演じそうだ。


ホームコースだけにSC430が有利か


No.38 ZENT CERUMO SC430
 このGT-R勢以上に、富士に賭けてくるのはLEXUS SC430勢だろう。富士はトヨタ系列の、いわばホームコース。テストでも何度も走っているだけにデータも豊富。ストレートスピードに利があるSC430としては“勝てる”、いや必勝のコースである。そこで中心になるのは、やはり“富士マイスター”立川祐路がドライブするNo.38 ZENT CERUMO SC430(パートナーはリチャード・ライアン)だ。鈴鹿では見事に今季初勝利を挙げ、昨年から続いていたGT-Rの連勝を止めた。この勝利でウェイトハンデを積むが、そこは400kmという長丁場。昨年もこのレースを制したこのチームなら十分乗り越えられるはずだ。そして、No.38に鈴鹿で敗れたNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)も当然勝利を狙ってくる。他にはNo.35 KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)の若手組もおもしろい存在になりそうだ。


No.32 EPSON NSX
 一方、Honda NSX勢は今季少々苦戦している。だが、その中でも富士を得意とするNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/中山友貴)や速さに定評あるNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也)、No.18 ROCKSTAR童夢NSX(道上龍/小暮卓史)あたりが、上位に進出してきそう。


好調のNo.81 フェラーリF430に注目


No.81 ダイシン アドバン Ferrari
 勢力図が見えないのはGT300クラスも同じ、というより一層混沌の度合いが深いかもしれない。富士を得意とするポルシェ勢、昨年も第9戦を制したNo.26 UP START タイサンポルシェが気になるところだが、今季はドライバーが一新。黒澤治樹と阿部翼がどんな走りを見せるだろうか。本来なら第2戦鈴鹿で優勝したNo.33 HANKOOK PORSCH(木下みつひろ/影山正美)も優勝候補に上がるところだが、今大会は残念ながら欠場となった。
 この他、注目したいのが、ストレートスピードに自信があるNo.81 ダイシン アドバン Ferrari(青木孝行/藤井誠暢)だ。第2戦もいい走りをしていながら結果を残せなかった。同様にNo.2 プリヴェ アップル 紫電(加藤寛規/吉本広樹)やNo.11 JIMGAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸)あたりも上位を争いそうだ。
 ミシュランタイヤを使うNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)などは、昨年もこの富士で定石の2回のピットではなく、1ピット作戦を採用して上位を手にしてきた。だが、今回は規定で2回のピットインが義務付けられるため、1ピット作戦は使えない。となればスピードでの真っ向勝負となる。昨年も若手コンビが乗るMR-Sが優勝したが、2戦の経験を積んだNo.74 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)がどんな活躍を見せるか注目したい。

 この第3戦は通常のレース距離300kmより長い400km、しかも2回のピットインがあるだけに、何が起こるか分からない。また、今大会は第3ドライバーの参戦も認められ、一層不確定要素が増える。ゴールデンウィークということで観客も多く、ドライバーたちも勝ちたいレースと口を揃える第3戦富士。今年もドラマティックな展開が見られるだろう。


No.11 JIMGAINER ADVAN F430

No.74 COROLLA Axio apr GT