2009 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝レースが、7月26日、スポーツランドSUGO(宮城県)で行われた。GT500クラスはNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)が優勝。GT300クラスはNo.33 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ/影山正美組)が優勝を果たした。


GT500 Class

決 勝 天候:晴/雨 | コース:ドライ/ウェット | 気温30度 | 路面温度42度



No.39 DUNLOP SARD SC430
 優勝したNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは、朝のフリー走行で黄旗区間での追い越し違反により2グリッド降格のペナルティ。予選4番手ながら6番手グリッドからのスタートを余儀なくされてしまうが、スタートドライバーの本山哲が序盤で4番手を奪い返す。
 26周を過ぎるとコース西寄りからパラパラと雨が落ち始める。ニスモは、本山がドライバー一人の義務周回数であるレース距離の3分の1、27周をクリアしたところでピットインのサイン。28周終わりでピットに入れ、浅みぞのレインタイヤでブノワ・トレルイエをコースに送り出す。
 この時点でトップだったNo.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)は34周終わりまでピットインを遅らせ、こちらは伊藤大輔が深みぞのレインで出て行く。この時点での雨脚は降り始めより強まっており、ルマンの作戦がニスモを上回ったかと思われた。


No.18 ROCKSTAR童夢NSX
 だが、レースの3分の2を過ぎた頃から雨脚が弱まり、走行ライン上が乾き始めると形勢は逆転。No.1 トレルイエのラップタイムは秒単位でNo.6伊藤より速く、一時は10秒近くあったその差はあっという間に詰まってしまった。
 66周目の1コーナー、No.1 トレルイエがNo.6 伊藤を攻略。No.6 伊藤は、これほどペースの差があっては抵抗できず、トップの座をNo.1 トレルイエに明け渡してしまった。
 終盤、再び雨がぽつぽつと落ち始めたもののNo.1 トレルイエのペースはほとんど緩むことなく、最終的には2番手に20秒以上のマージンを作ってフィニッシュ。第3戦富士に続き今季2勝目を挙げ、ランキングもトップに浮上した。前戦のセパンではポールポジションを奪いながらスタート直前のミッショントラブルでピットスタートとなり、優勝のチャンスを逃してしまったが、そのリベンジを果たすこともできた。また、スポーツランドSUGOではSUPER GTの前身であるJGTCが始まった1994年以来昨年までGT500クラスで日産車が勝てなかったが、この勝利でようやく悪しきジンクスにピリオドを打つことができた。


No.6 ENEOS SC430
 2位に入ったのはNo.39 DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平)。今季ベストの予選6番手から、序盤はポジションをキープ。ピットインは35周目に行い、レインタイヤに交換すると、これがちょうどいいタイミングだった。その後の雨脚の変化にダンロップのレインタイヤがしっかりと対応。35周目には4位、41周目にはNo.3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R(ロニー・クインタレッリ/安田裕信)をかわして3位に浮上する。71周目の最終コーナーではNo.6 ENEOS SC430をもかわし、2位を奪うと、そのまま今季初表彰台を得た。同チームの表彰台は、07年第8戦オートポリス3位以来。平手晃平は、これがGT500クラス初表彰台となる。
 3位はNo.18 ROCKSTAR童夢NSX(道上龍/小暮卓史)。4番手グリッド(予選は5位)から序盤は順位を落とすが、雨が降り出すとポジションを回復。終盤は小暮が他を数秒上回るペースでラップを重ね、残り1周でNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治>細川慎弥)をパスし、開幕戦2位以来、今季2度目の表彰台を得た。

 No.100 RAYBRIG NSXは予選13番手から一時は表彰台圏内までジャンプアップするが、最後にNo.18にかわされ、やや悔しい4位となった。
 それ以上に悔しさを味わったのがNo.6 ENEOS SC430とNo.3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R(ロニー・クインタレッリ/安田裕信)。No.6は終盤、タイヤ表面が完全にブローしてしまい、5位に入るのがやっと。一方、予選でポールを奪ったNo.3は、雨の中でまったくペースが上がらず、最終的には9位に終わってしまった。