7月25、26日、スポーツランドSUGO(宮城県)で2009 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」が開催される。全9戦で行われるSUPER GT。第5戦と言うことは、ちょうど折り返しのレースになる。ここで上位に入り、きっちりポイントを積み上げることがタイトルへの近道だ。毎年、波乱の展開となることが多いSUGO戦だけに、今年も“熱い”戦いが見られそうだ。
No.12 IMPUL カルソニック GT-R
GTファンなら、もう今更言うこともないジンクスがある。『日産のGT500はSUGOで勝てない』。日産ファンが歯ぎしりしたくなるこのジンクスは未だに健在。昨年もなんと8位が最高位だった。今年もここまで3勝するGT-R陣営としては、”今年こそ”の気概があるだろう。
ここで、期待したいのはNo.12 IMPULカルソニックGT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ)。GT-R勢で今季まだ勝利のない彼らとしては、ここで面目躍如といきたい。気がかりは、先のフォーミュラ・ニッポンでエース・松田が右手人差し指を骨折したこと。だが、経過は順調で本人もやる気十分だけに可能性は十分だ。
No.6 ENEOS SC430
本命に推したいのは、No.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)。チームもドライバーもこのSUGOを得意としており、ウエイトハンディも少な目なだけに注目の1台であろう。一方、ランキング2位のNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)もこのSUGOは得意なのだが、いかんせんウエイトハンディがキツイ。やはりウエイトハンディが大きいランキングトップのNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(J.P・デ・オリベイラ/荒聖治)とともに、いかにポイントを稼ぐか、この2台の戦略も気にしておきたい。
No.17 KEIHIN NSX
そしてNSXもこのSUGO戦を逆襲の機会と狙っているだろう。前戦セパンで活躍したNo.17 KEIHIN NSX(金石年弘/塚越広大)、そしてNo.18 ROCKSTAR童夢NSX(道上龍/小暮卓史)が上に来そう。荒れた展開となれば、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/中山友貴)もダークホースとなりそうだ。
No.33 HANKOOK PORSCHE
GT300でこのSUGOを得意とするのはNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)、No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)あたりだが、この3チームはランキング上位者でもあり、いかんせんウエイトハンディが大きい。苦しいレースの中でいかに1つでもポジションを上げるかという戦いになるだろう。
これに対して勝利を狙うのが、前戦セパンで最後尾からの優勝を果たしたNo.2 アップル・K-one・紫電(加藤寛規/吉本大樹)だろう。シーズン序盤の出遅れを連勝で巻き返せば、一躍タイトル争いの渦中に飛び込める。前戦の勢いを駆って勝負にいきそうだ。また、スピードは十二分に発揮しながら結果に繋がっていない2台のフェラーリ、No.11 JIMGAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸)、No.81 ダイシン アドバン Ferrari(青木孝行/藤井誠暢)も、このレースは気合いが入ってきそうだ。
No.2 アップル・K-one・紫電
そして、要注意の1台はNo.33 HANKOOK PORSCH(木下みつひろ/影山正美)だ。今季初出場の第2戦で、ハンコックタイヤのチームとして涙の初優勝を飾りながら、諸般の事情で今季の出場は4戦程度となった。その第2戦以来の出場となる。2人のベテランが一戦必勝の意気込みで挑むはず。
そして、優勝候補ではないが、もう1台注目のマシンを上げたい。セパン戦を欠場し、エンジン、ミッション、空力と大幅に手を入れてきたNo.808 初音ミク Studie GLAD BMW Z4(菊地靖/田ヶ原章蔵)だ。これまで戦闘力不足から“痛車”としての話題が目立ったが、新車並のマシンでまずは初入賞を狙う。もちろん、大改造だけにセッティング不足やトラブルもあろう。だが、こんなチャレンジこそGT300クラスの見どころでもあるのだ。
宮城の緑多い山麓にあるスポーツランドSUGO。まさに緑が美しい季節だ。SUPER GT観戦としても、夏休みの思い出作りとしても、ぜひ足を運んで欲しい。