GT500 クラス | 優勝

No.35 KRAFT SC430

石浦 宏明
昨日予選で使ったタイヤが、第1スティントで持つかギリギリという感じでしたから、それをどうやって持たせるかが自分の中で課題でした。ただ、最初で(後続に)差を付けておかないと、GT300に引っかかったとき抜かれてしまうこともあるので、3〜4秒の差を付けてからタイヤを温存したんですけど、それでも(スティントの)終盤苦しくて3号車に迫られました。でも、それをしのいでからは、展開は楽になりました。
 その後を走った大嶋のペースもかなり速くて、着実に後ろと差が開きました。僕が乗っているときにセーフティーカーが出て、かなり動揺したんですけど、そこでピットが良い判断をしてくれ、抜群のタイミングでピットに入れて、マージンがさらに広がったくらいでした。それが大きなポイントだったと思います。
 僕らは今季、シートが決まるのも一番最後でしたが、(GT500参戦という)大きなチャンスをもらって、そのチャンスを結果で返すことができ、ホッとしてますし、このチャンスをくれた方々に感謝しています。今年はプレッシャーを受けたシーズンで、僕らは若手らしくないと言われていたんで(苦笑)、ここからやっと(若手らしく)のびのびと暴れるレースができるかなと思います(笑)
大嶋 和也
今週はずっと(クルマの)調子が良く、予選もポールが獲れて、そこまでは完璧でした。決勝もミスしないように、最後まで集中を切らさないようにと考えてました。最後までノーミスで走り切れたので、すごくホッとしています。
 セーフティーカーが入る前には、(2番手と)10秒くらい差があったんですが、それがなくなってしまったので、もったいないなと思ったんですけど、それは仕方ないと割り切って、あとは全開でいこう、と。自分もクルマも調子が良かったし、僕が乗ったスティントでタイヤが最後まで持つのも分かってましたから、後ろにつかれても、逃げていける自信はありました。
 ただ、終盤クールスーツが効かなくてすごく暑くて、ドリンクもすぐになくなって、体温も上がってやばいなと思いました。最後15周くらいは毎周、気合いを入れながら走っていました(苦笑)


GT300 クラス | 優勝

No.46 エスロード MOLA Z

星野 一樹
レースを(ピットインによって)3つに分けるか、4つにするか、いくつかシミュレーションをしたんですが、結局決まらずに、最初の柳田選手のスティントでどのくらいのタイムでどのくらいタイヤが持つかを見て、決めることにしました。そのへんは去年と(勝ったときと)よく似てました。そのスティントで(柳田が)非常に力強い走りで追い上げてくれたので、これは3つに割れると、急遽(義務づけされた3回のピットのうち1回を作業なしで済ませる)3スティントで行くことに決めました。それがバッチリ当たりました。最後(セーフティーカーが入ったこと)は、他の車両にはアンラッキーだったかもしれませんが、僕らとしては展開にも恵まれ、セーフティーカー後は3番手になれました。そこから先は柳田選手がやってくれると信じて、ピットで祈ってました。
 最後は、ペットボトルをバンバン叩いたりして、お見せできない状態じゃなかったかな(苦笑)。僕は昨年、諦めなかったら良いことがあると身をもって経験(最終戦の最終ラップでチャンピオンを決定)したので、ファイナルラップまで諦めずに(柳田の走りを)見ていました。(トップの2号車を)抜いた瞬間は覚えてないです。まだ勝っていないのにメカニック達と抱き合って…(笑)。本当にみんなに感謝したいです。
 実は、鈴鹿に来る前に木曜にオヤジ(星野一義氏)と飯を食って、今年も去年みたいに親子で優勝できたらいいねと言っていたんです。僕だけ勝って、申し訳ないですけど(笑)。昨日は予選14位で落ち込んでたんですけど、諦めたらダメだと奮起して、それが結果に繋がって、本当に良かったです。
柳田 真孝
いやぁ、本当に信じられないです。14番手からのスタートで、最後の最後で逆転してこの場所にいられるのは素晴らしいことだと思います。今でも信じられない気持ちです。
 最後はGT500が2号車を130Rで抜いたので、そこを狙いました。ペース的には2号車も43号車もトップを争った3台は皆同じようなペースで、単独では抜けない状況でした。130RでGT500クラスに抜かれるとき、抜かれる方(GT300)はタイムロスがあるので、そこをうまく使いました。2号車がタイムロスした分を、僕はうまく使えました。シケインのブレーキングでアウトから抜きました。ラッキーだったと思います。
 予選14位なんで厳しいレースになるのは分かっていました。でも、700kmという長いレースですし、諦めなければなんとかなる、と。去年も一樹さんが優勝していますし、最後もプッシュすればいいことあると思って、チームのみんながそれを実行できた結果だと思います。
 選手権を考えると今回の鈴鹿がラストチャンス、勝てなかったらチャンピオンはないとふたりで考えていたし、チームもそう思っていました。最後のラップで勝てたと言うことは、ラスト3戦に繋がるいい結果だと思います。残りのレースも諦めずに走ります。