2009 AUTOBACS SUPER GT第8戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の決勝レースが、10月18日、オートポリス(大分県)で行われた。GT500クラスはNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)が優勝。GT300クラスはNo.11 JIMGAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸組)が優勝を果たした。


GT500 Class

決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温17度 | 路面温度26度



 優勝したNo.36 PETRONAS TOM'S SC430は、4番手グリッドからのスタート。しかし、スタートドライバーを務めたアンドレ・ロッテラーが絶妙のダッシュを決め、1コーナーで2台をパス。ポールスタートのNo.38 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)に次ぐ2番手でオープニングラップを終える。


No.1 MOTUL AUTECH GT-R
 その後、2台のSC430は接近戦を展開。15周目の1コーナーでは、いったんNo.36 ロッテラーがNo.38ライアンの前に出かかるが、No.38 ライアンがラインをクロスさせて防御。元の順位のまま緊迫した走行が続く。
 この均衡が破れたのは29周終了時。2台は同時にピットに入り、No.38はライアンから立川祐路、No.36はロッテラーから脇阪寿一への交代と、タイヤ交換、燃料補給を終える。このピット作業が早かったのはNo.36のほうで、コースに復帰したのはNo.36 脇阪が前、No.38立川が後ろという順番だった。
 このとき、早めにピット作業を終えていたNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ>本山哲)が間に入る格好になったが、32周目の1コーナーでNo.38 立川がNo.1 本山をパス。その後、全車がピット作業を終えると、No.36 脇阪がトップ、No.38 立川が2位、No.1 本山が3位という順位になっていた。
 No.36 脇阪とNo.38 立川は、序盤と攻守を入れ替える形で再び接近戦に。数秒離れてNo.1 本山が続くという展開が20周余りにわたって続く。


No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R
 だが、残り10周ほどになったところで、それを見守るモニター画面に映し出されたのは「No.38ピット作業違反により30秒加算のペナルティ」という文字だった。No.38はピットアウトの際、エアジャッキが下ろされる前にエンジンをスタートしてしまっていた。
 これでNo.38の勝利は事実上消滅したが、60周目、No.36 脇阪がGT300に詰まり、No.38 立川と並ぶ形になってしまう。ダートに片輪を落としたNo.38立川はスピン。ガードレールに後部をヒットしてウイングを曲げ、ピットインを余儀なくされてしまった。
 No.36 脇阪は残り5周を悠々と独走。トップでチェッカーを受けた。

 No.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)の優勝は今季初で、一昨年の第6戦鈴鹿1000km以来。脇阪はSUPER GT/JGTC通算9勝目。ロッテラーは3勝目となる。
 2位はNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。3位には、終盤No.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也)との攻防をしのぎきって、No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)が入った。
 この結果、ドライバーズランキングではNo.1本山が78ポイントでトップをキープしたが、No.36脇阪/ロッテラーが73ポイントで急接近。今回4位となったNo.8ファーマン/伊沢が61ポイントで最終戦にタイトルの可能性を残した。この3組以外には、ドライバーズチャンピオンの可能性はなくなった。