GT500 クラス | 優勝

No.36 PETRONAS TOM'S SC430

脇阪 寿一
 今年は、ふがいないレースが続いてしまっていましたが、今回は勝利で終われて良かったです。でも、今日はアンドレ(ロッテラー)のレースですよ。スタートでは、いつものように素晴らしいスタートを決めてくれましたしね。
 レースですが、(タイヤの状況を考えると)ライバルがもっと早くピットインすると思っていました。僕らの方がピットインを遅らせることができると思っていたんです。僕が担当した後半は、すぐ後ろに立川選手がいたけれど、マージンを見ながらタイヤのことを考えて(労わって)走りました。彼も同じタイヤ(メーカー)、同じクルマですから、タイムはそんなに変わらない。このコースは抜けませんから、お互いにその辺は考えていたと思います。彼に対してもですが、(タイトルを争う)1号車とのギャップも計っていました。前回の富士で1号車と争って最後に押し出されたこともトラウマになってますから(笑)。とにかく1号車とのマージンをキープしようと思っていました。でも、レースを終えてからタイヤの余裕はありました。
 最終戦は精いっぱいやるだけです。僕もアンドレももてぎは好きなサーキットです。ストップ・アンド・ゴーのコースで、オートポリスとは特性が変わりますが、そこはみんな同じこと。(ランキングトップの本山の)1号車を意識して、(タイトルを目指し)精いっぱいやりたいです。
アンドレ・ロッテラー
 グレートな気分。スタートは非常にうまくいって(ポールの)リチャード(ライアン:38号車)にサイド・バイ・サイドまでいったんですが、抜くことはできませんでした。そこで、彼の後ろで安定した走りをすることを心がけました。その後も1度チャンスがありましたが、そこはリスキーだったので無理はしませんでした。抜くのにブレーキングを遅らせて、コースアウトしそうになるミスもありましたし。スティントの最後2、3周に彼のペースが落ちたのですが、ブロックして譲ってはくれませんでした。
 そして、ピットインでタイムを稼ぐことができ、38号車の前に出ることができました。ピットのタイミング、ピットワークは非常に良くて、チームには感謝したいです。脇阪さんは僕のレースと言ってくれたけど、このレースはふたりで勝つのだし、負けるときもふたり。それに今日も、チームのピットワークがすごく良かった。みんなの勝利です。
 最終戦は優勝しなければいけないと思います。この2、3戦を振り返ってもNISMO(No.1 MOTUL AUTECH GT-R)と100%以上を出して戦ってきている。彼らとのバトルはとても激しいんです。タイトルを獲るには、優勝するつもりでいくしかないと思っています。


GT300 クラス | 優勝

No.11 JIMGAINER ADVAN F430

田中 哲也
 今季はジムゲイナーが設計し、製作した新車にしました。開幕からこの新しいクルマで走り、勝てそうで勝てないレースが続きました。それだけに今回優勝できたのは、とても嬉しいです。スタートから(先行した)アクシオ(74号車)とガライヤ(43号車)が速かったのですが、向こうは結構プッシュしていたように思えたので、多分タイヤが早くタレるだろうと、僕は我慢してタイヤをマネージメントしていました。そうしたら、やはり彼らのタイヤ(のグリップ)がダウンして、それで2台を抜いて、『よし!』と思った矢先にぶつけられてスピンしてしまって…。その瞬間は『あぁ…』と思ったんですが、ただグルッと回って(コースアウトすることなく)すぐに戻れて、トップも見えたんで『まだなんとかなる!』と思っていきました。あとは、最近平中がいい走りをするし、今回ロング(走行の)テストも良かったんで、このタイミングで(ピットに)入ればいけると思いました。ただ、(平中の)スティントが予定より長くなったので、そこがちょっと心配でした。僕としてはもっと楽に(クルマを)渡してあげられるはずが、苦労を掛けてしまいましたね(苦笑)。
 これでトップとのポイント差も詰まりましたから、最終戦は優勝を目指してがんばります。
平中 克幸
 (今季は)何度もチャンスがあったのに、いろいろなことがあって勝てないレースが続きました。すごく悔しいと思っていました。今回、こういう形で勝つことができて嬉しいです。(田中)哲也さんがトップに立って、すごくいい状態でドライバー交代ができると思っていましたが、GT500に当てられてスピンをしたのを見たときは『もう終わったかな』とちょっと諦めかけました。でも、僕に交代してコースに出たら3番手と(無線で)知らされ、ちょっと走ったら2番手と。もう目の前の織戸さん(19号車)が見えたので、それに集中して、タイヤのマネージメントも考えないでプッシュし続けました。ここで抜けなければ、最後まで抜けないという気持ちでした。でも抜けないので、そこからは頭を切り替えて、ミスを待つという形で走っていました。そうしたら、100Rで織戸さんが失速したみたいで、そのタイミングでGT500のクルマも来たので、そこでトライして、うまく抜くことができました。
 この優勝でタイトルの目が繋がりました。最終戦はノーウェイトだからチャンスがあると思います。やはりノーウェイトの開幕戦で哲也さんがポールを獲っていますし、クルマも調子がいいですから。