2010 AUTOBACS SUPER GT第1戦「SUZUKA GT 300km」の決勝レースが、3月21日、鈴鹿サーキット(三重県)で行われた。GT500クラスはNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信組)が優勝。GT300クラスはNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼組)が優勝を果たした。
□決 勝 天候:曇 | コース:ドライ | 気温14度 | 路面温度19度
決勝レースは、わずかに小雨がぱらつき、路面が滑りやすくなった中でスタート。1周目の130Rで、ポールスタートのNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史)がコースアウトし、大きく順位を落とすなど、波乱の幕開けとなった。
この混乱を切り抜け、1周目をトップで戻ってきたのは5番手スタートだったNo.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)。10番手スタートのNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)も5番手までジャンプアップしていた。
No.6 ENEOS SC430
一方、クラス最後尾まで順位を落としたNo.18 小暮は5周目にこのレースのファステストラップとなる1分55秒555をマークして猛然と追い上げ。10周目には8番手争いに加わってくる。
だが、11周目のストレートで、No.18 小暮とNo.32 EPSON HSV-010(道上龍)、No.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)の3台が横一線に並ぶと、1コーナー手前で接触。イン側にいたNo.18 小暮とアウト側のNo.8 ファーマンがもつれ合うようにコースアウトし、激しくクラッシュ。間に挟まれたNo.32 道上はフロントを小破しただけで危うく難を逃れたが、2台のHSV-010が序盤で姿を消すことになってしまった。
事故処理のため、5周にわたってセーフティーカーラン。16周目に再開する。
次の周のシケインで3番手だったNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が2番手のNo.38 ZENT CEROMO SC430(リチャード・ライアン)を抜きにかかるが、勢い余ってオーバーラン。その隙にNo.24 デ・オリベイラが3番手、No.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)が4番手に上がる。
No.100 RAYBRIG HSV-010
この3台はその後も接近戦を繰り広げるが、このバトルはNo.38 ライアンが23周を終えてピットインしたことでいったん収束する。
トップをいくNo.35 大嶋も同じ周にピットイン。石浦宏明に交代して出ていくが、アウトラップでなにかトラブルがあったのか、GT300クラスの車両にまでパスされるほど遅く、No.38 立川祐路にあっさりパスされる。
30周目にピットに入ったNo.1も、脇阪寿一がアウトラップでまったくペースを維持できず、やはりNo.38立川が前に出る。
一方、No.24 デ・オリベイラは34周を終えるまでピットインを我慢。安田裕信に交代するが、なんとタイヤ無交換という思い切った作戦を採り、ピット作業をわずか26秒余りという早さで終える。
これで全車がピット作業を終了。トップはNo.24 安田、2番手にNo.6 伊藤大輔。3番手には、No.24と同じくタイヤ無交換作戦を採ったNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也>山本尚貴)が上がってきていた。
その後、この3台は、ほぼ同じようなペースで周回。その後方では激しい順位争いもあったが、トップ3は接近戦の状況に至ることなくフィニッシュを迎えた。
No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)は、これがSUPER GT通算4勝目。開幕戦での優勝は、昨年の岡山戦につづき、2年連続となった。
2位にはNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)、3位にはNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)が入り、3メーカーの3車種が、それぞれ表彰台の一角を占める結果となった。No.100 山本は、SUPER GTデビューレースで、うれしい初表彰台を獲得した。無交換のまま磨耗したタイヤでペースを維持した、新人らしからぬたくみなドライビングが光った。