2010 AUTOBACS SUPER GT第2戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の練習走行が、4月3日午前、岡山国際サーキット(岡山県)で行なわれた。GT500クラスではNo.32 EPSON HSV-010(道上龍)がトップタイムをマーク。GT300クラスではNo.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規)がトップだった。

公式練習 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 1回目開始時:5度/7度 1回目終了時:8度/14度
2回目開始時:10度/17度 2回目終了時:12度/18度


 練習走行は8時20分から9時20分までと、10時15分から11時15分までの2回、合計2時間にわたって行なわれた。
 1回目の走行時、上空は晴れていたが、4月としては気温が低く、早朝には霜が降りるほど。風もかなり強かった。
 走行開始直後、No.17 KEIHIN HSV-010(塚越広大)がヘアピン手前でコースアウト。左後部をガードレールにヒットしてストップする。この処理のために数分間、中断となった。ピットアウト直後、タイヤが冷え切った状態でコントロールを失ったようだ。

 再開後は各チーム、大きなトラブルもなく周回を重ねる。ただし、使用タイヤのセット数制限がある中、想定より低い路面温度の中で、タイヤをムダに磨耗させたくないということなのか、あまり走行しないチームも見受けられた。
 その中で精力的にラップを重ねていたのがNo.32 EPSON HSV-010(道上龍)。他がタイヤのウォームアップだけに留まっていた序盤、ただ1台1分25秒台をマーク。その後、残り30分を切って各チームが1分25秒台に入れてくると、さらにペースを上げ、1分24秒847で、このセッションのトップとなった。
 2番手はNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史)。開幕戦では予選ポールを奪いながら接触リタイアに終わってしまったが、その後遺症はないようだ。同じく開幕戦でマシンを破損したNo.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)も問題なく走行していた。
 3番手はNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)、4番手はNo.38 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)。以下、8番手までが1分25秒台で並んでいる。このセッションのラップタイムから見る限り、車両ごとのパフォーマンス差はあまりないようだ。

 2回目の走行では、1回目より気温、路面温度とも上昇。タイムの出やすい状況になったかと思われた。しかし、ここはドライバーの慣熟や予選セッティングの確認などに費やすチームが多かったのか、ラップタイムそのものはあまり上がって来なかった。
 その中でのトップはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)で、タイムは1分25秒247。23号車は1回目に本山哲が1分25秒389をマークしており、二人のタイムがほぼそろっている。今回、ノックダウン方式で行なわれる予選では、二人がともに上位タイムをマークすることが重要で、この点、23号車はよい練習走行になったといえそうだ。
 一方、1回目にトップタイムをマークしたNo.32 EPSON HSV-010は、中山友貴が走行中にGT300車両と接触。右前輪をパンクしてピットに戻った。マシンに大きなダメージはないようだが、予定どおりのメニューを消化できたのか、気になるところ。また、1回目にコースアウトしたNo.17 KEIHIN HSV-010は、2回目には出走できなかった。さらに、No.18 ウイダーHSV-010は、走行後にエンジン交換作業に入っている。



No.2 アップル・K-ONE・紫電

 GT300クラスでは、No.2アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規)が1回目、2回目ともトップタイムをマーク。1回目の1分31秒763というタイムが、トータルでのベストとなった。この車両も開幕戦で接触、ダメージを受けているが、チームはわずか2週間の間に完全に修復してきた。
 その2号車と開幕戦で接触したのはNo.43 ARTA GaraiyaとNo.31 apr COROLLA Axio。2台を製作したaprは、2週間で両方を修復するという強行日程を強いられたが、みごとに間に合わせてきた。43号車は1回目クラス4番手(トータル6番手)、31号車は2回目3番手(トータル5番手)と、まずまずのタイムでこのセッションを終えている。
 クラス2番手は、2回目に1分32秒437をマークしたNo.86 JLOCランボルギーニRG-3(山西康司)。3番手は1回目のタイムでNo.3 HASEMI SPORT TOMICA Z(柳田真孝)がつけた。
 今回が日本でのデビュー戦となるNo.365 365サンダーアジアMT900Mは1回目、2回目ともトラブルなく走行。タイムは1回目にティム・サグダンがマークした1分37秒020がベストだった。


道上 龍/No.32 EPSON HSV-010(GT500クラストップタイム)
チームにとって今の課題は予選なので、みんながあまり走っていないところでタイヤの確認をしようということで、1回目のセッションから2セットを使って確認しました。今回はブリヂストン勢がタイヤの温まりに苦労しているような雰囲気もありますし、そういう点ではダンロップはマージンがあります。ノックダウンは時間が短いので、向こうにはタイヤが温まり切らずに終わるという可能性がありますから。練習走行で一番で終われたのは良かったですね。ただ、僕らも(予選では) 朝とは違うタイヤを使うことになると思いますが、ブリヂストン勢もソフト系のタイヤを入れてくると思いますし、そうなるとグリップの上がり幅はすごいので、侮れないですね。まずはセッション2に進むことが第一段階。今回はいけると思うんですけど。チャンスだと思うので、頑張りたいですね
加藤寛規/No.2 アップル・K-ONE・紫電(GT300クラストップタイム)
朝はノックダウンの予選のシミュレーションしかしていませんでした(笑)。やっぱり予選で前にいないとオーバーテイクはなかなかできないので。ただ、周りのタイムが『燃料を積んでロングをかけているタイム』でしかないので、読めないですよね。朝1回目のコンディションは、最初こそ滑りやすかったんですけど、ヨコハマタイヤのソフトにバッチリ合った路面温度で、去年のスーパーラップのタイムよりも速かったので、“おっ、イケるのかな?”と思ったんですけど、2回目は全然そんなことなかったです(笑)。クルマに関しては、。何のトラブルもなく、完全復調していたので良かったです(笑)。もうホントによく直してくれたなっていう感じでした。今回は、まず1つでも上のポジションでレースを終えたいですし、濱口さんにレベルの高い争いを経験してもらうためにも、予選ではできるだけ前にいたい。今回は確実にポイントを獲っていきたいです