4月3、4日、岡山国際サーキット(岡山県)で2010 AUTOBACS SUPER GT 第2戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が開催される。スリリングな逆転劇や衝撃のクラッシュなど開幕戦鈴鹿での興奮も冷めやらないが、早くも次なる戦いの幕開けだ。テクニカルな岡山で2010年型のマシンがどんな走りを見せ、今季の主導権を誰が握るのか? 話題は尽きない。
No.100 RAYBRIG HSV-010
開幕戦は長い直線2本を持つ鈴鹿だったが、第2戦の舞台となる岡山国際サーキットは、中低速コーナーの多いテクニカルコースだ。それだけに、これまではコーナリング性能が自慢のNSXやGT-Rがここ岡山を得意としていた。だが、今季はNSXがHSV-010 GTに代わり、GT-Rはエンジンが変わった。こうなるとその勢力図は変わってしまうかもしれない。
Hondaのニューマシン“HSV-010 GT”は、FRながらコーナリングに優れており、ブレーキ性能ではNSXをしのぐと言うドライバーもいる。つまり、岡山ではかなり速いと予想されるのだ。しかも、前戦ポールポジションを獲得しながら、クラッシュに泣いたNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)にとっては雪辱の一戦だ、HSV-010 GTの初勝利を、ここで狙うのは間違いない。また、開幕戦で3位に駆け込んだNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)のフレッシュコンビの勢いも楽しみである。
No.23 MOTUL AUTECH GT-R
GT-R勢でも、開幕戦で思うような結果を残せなかったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)に期待したい。また、昨年の岡山戦覇者No.34 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)は開幕戦鈴鹿で勝利し、ウェイトハンデを搭載するので少々厳しいかもしれない。だが、ウェットコンディションとなればレースの主役に躍り出る可能性は十分にあるだろう。
No.38 ZENT CERUMO SC430
SC430も昨年からマシンの基本スペックが変わったことで、テクニカルコースにこれまでのような苦手意識はないはず。中でもドライバーとして岡山を得意としている立川祐路(昨年のポールシッター)が率いるNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川/リチャード・ライアン)や昨年のチャンピオンNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)、そして昨年予選2位、先の開幕戦でも一時トップを走ったNo.35 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)あたりがおもしろい存在になりそうだ。
GT500では過去ミッドシップのNSXが強かった岡山だが、GT300クラスでも過去4年ミドシップ車の優勝が続いている。したがって、本命を選ぶならやはりミッドシップのマシンだろう。開幕戦で悔しいリタイアを喫したNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)とNo.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)、そして昨年の勝者であるNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)がすぐに思い浮かぶ。また、開幕戦で良い走りを見せ4位となったNo.5 マッハGOGOGO車検408R(玉中哲二/黒澤治樹)も気になる存在だ。
ミッドシップではないが、岡山と相性がよいのはフェアレディZ。No.3 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)などZ勢は、混乱の開幕戦でも良い走りを見せているだけに、雨や低い路面温度など滑りやすい状況となれば、一躍本命になるだろう。
そしてGT300クラスで楽しみなのは、やはりニューマシン。No.66 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)のアストンマーティンV8ヴァンテージは一見の価値あり。そして、開幕戦は間に合わなかったが、シンガポールから最新のモスラーMT900を擁して登場するNo.365 365 サンダーアジア MT900M(メルビン・チュー/ティム・サグダン)も注目だ。このチームは昨年、第4戦セパンで特別参戦し、一時トップに迫る快走を披露した。今年のマシンはGT300参戦のために造られ、レース専用のザイテックV8エンジンを搭載している。海外チームとして初のレギュラー参戦が話題を呼ぶ彼らだが、ひょっとすると大きな台風の目になるやもしれない。
ともあれ、第2戦岡山は今シーズンの流れを決める重要な一戦と言える。そして、テクニカルコースゆえのおもしろいレースになることもまず間違いない。そう、HSV-010 GTの初勝利も十分あり得るだけに、くれぐれも見逃さないようにしてほしい。
■ノックダウン予選方式
今大会の公式予選2回目はノックダウン方式で行われる。
○セッション1はGT300(10分)、GT500(10分)の順で行い、タイム上位(GT300:16台、GT500:10台)は、
セッション2への進出が許される。
○セッション2はGT300(7分)、GT500(7分)の順で行い、タイム上位(GT300:10台、GT500:7台)は、
セッション3への進出が許される。
○セッション3はGT300(7分)、インターバル5分、GT500(7分)の順で行う。
○セッション3で使用するドライタイヤは1セットとし、決勝レーススタートタイヤとして使用しなければならない。
○1名のドライバーは最大2回のセッションまで出走することができる。ただし、連続したセッションは走行できない。
GT500 | GT300 | |
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セッション1 (S1) | 全車両 (10分) 17位以下順位決定 | |
全車両 (10分) 11位以下順位決定 | ▼ | |
↓ | インターバル (10分) | |
セッション2 (S2) | ▼ | S1上位16台 (7分) 11位以下順位決定 |
S1上位10台 (7分) 8位以下順位決定 | ▼ | |
↓ | インターバル (10分) | |
セッション3 (S3) | ▼ | S2上位10台 (7分) |
インターバル (5分) | ||
S2上位7台 (7分) | ||
▼ | ▼ | |
決勝グリッド決定 |
※公式予選1回目に予選通過基準タイムをクリアした車両のみがノックダウン予選に参加できる。
※タイヤは全セッションを通じて5セット。
※S3進出車両は、S3で使用したタイヤを決勝スタートに使用する。
※ノックダウン予選中の給油及びピット作業は許される。