2010 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」の練習走行が、5月1日午前、富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。GT500クラスではNo.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)がトップタイムをマーク。GT300クラスではNo.25 ZENT Porsche RSR(土屋武士)がトップだった。

公式練習 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時:13度/23度 終了時:18度/28度


 練習走行は9時から10時45分まで、1時間45分にわたって行なわれた。
 好天に恵まれたゴールデンウィーク、青空に富士山がくっきりと浮かび上がる下での走行。各チーム、順調にタイヤの選定とクルマのセッティングを進めていく。
 GT500クラスで好調ぶりが目立ったのはSC430勢。開始早々にNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔)が1分35秒台をマーク。その後はどのチームもロングランのチェックに入ったこともあって、そのままリーダーボードのトップに残り続ける。
 セッション終盤、これを逆転したのがNo.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)。残り5分を切ったところで1分35秒018をマークし、これがこのセッションでのトップとなった。大嶋はモラルハザード・ペナルティで最初の1時間を走れず、セッティングを石浦宏明に任せる形になったが、最後は自ら名誉を挽回してみせた。
 2番手は6号車をはさんで、3番手にはNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)が続いた。今季、GT-R勢では唯一のブリヂストン・ユーザーとなり、タイヤ開発という面では難しさもあるようだが、今回は表彰台を狙っている。
 4番手はNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)。序盤はずっとロッテラーがドライブし、このタイムをマークした。だが、残り30分となったあたりでNo.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)に追突し、スピンさせてしまう。1号車はフロントにダメージを負いピットイン。さいわい、バンパー部を補修しただけで脇阪寿一に交代して走り出すことはできたが、ひやりとさせるシーンだった。
 5番手はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)。前戦でクラッシュし、その後のテストをキャンセルせざるをえなかったが、その後遺症はまったく感じさせなかった。6番手にはNo.38 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)だった。
 HSV-010 GT勢では、7番手のNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)が最上位。最高速でライバルに遅れをとっている同陣営だが、今回は挽回のためにダウンフォースをかなり削り、ドラッグを減らすセッティングにしてきた模様。その影響か、何台かのHSV-010 GTが、スピンやコースアウトを喫する場面が見られた。また、No.18 ウィダーHSV-010はミッションにトラブルがあったようで、長くピットにとどまって作業していた。



No.25 ZENT Porsche RSR

 GT300クラスでは、No.25 ZENT Porsche RSR(土屋武士)がトップタイムをマーク。今回が初参戦のチームで、マシンも10日前に着いたばかりという状況だったが、まったく問題なく走行。あっさりと1分43秒873をマークした。
 2番手はNo.66 triple a Vantage GT2(吉本大樹)。今季新規参戦、今回が3戦目となるが、マシン、ドライバーともポテンシャルは十分あるだけに、ようやく実力を発揮してきたといえそうだ。
 3番手はNo.33 HANKOOK PORSCHE、4番手はNo.99 初音ミク×GSRポルシェとポルシェ勢が続き、5番手はNo.27 NAC衛生コムLMP Ferrari(山岸大)。ここまでの5台はすべてFIA GT仕様またはルマン仕様のマシンで、このコースとの相性の良さが明らかになる結果だった。


大嶋和也/No.35 MJ KRAFT SC430(GT500クラストップタイム)
今回、新しい富士用の空力パーツで初めて走ったんですけど、セッションが進むにつれて、いい方向になってきたと思います。バランスも取れていますし、最後にトップタイムも出すことかできて、予選に向けてはいい滑り出しですね。実際には、最後のアタックの時に他のクルマに引っ掛かっていますし、コカ・コーラコーナーでちょっとはみ出してしまっているので、本当はもっとタイムが出ると思いますよ。昨日から、監督には“1分33秒台が出たら、ご褒美に100万円やる”って言われているんです。スーパーラップの時にもう少し気温が下がれば、十分1分33秒台に入れると思うので、もちろん100万円いただくつもりでがんばります(笑)。問題はアタックラップの1コーナーとコカ・コーラコーナーにかけて。そこさえクリアできれば、狙えると思います
土屋武士/No.25 ZENT Porsche RSR(GT300クラストップタイム)
クルマの到着がアイスランドの噴火の影響で遅くなって、10日前に到着したばかりなんです。それから徹夜続きでいろいろ手を加えてきたんですが、まだまだやらなきゃいけないところはあります。クルマ自体は去年、アジアン・ルマンに出場していたもの。09年型で、4リッターのエンジンを積んでいます。今のセッションではトップタイムでしたが、もちろん予選でもポールを狙っていきます。今年はドライバーでもあるし、チームの運営もやらなきゃいけないし、大変忙しいですけど、なんとかがんばっていきます