2010 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」の決勝レースが、5月2日、富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。GT500クラスはNo.35 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)が優勝。GT300クラスはNo.74 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資組)が優勝を果たした。
□決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温21℃ | 路面温度32℃
決勝は14時、5万3100人の大観衆で埋まったスタンド前からスタート。ポールポジションのNo.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)は危なげなくスタートダッシュを決め、そのまま序盤をリードする。
今回はレース距離が400kmと長く、ドライバー交代を伴うピットインが2回義務付けられている。このため、チームによっては1回目のスティントを短くしたり、タイヤ交換を1回だけにとどめたりと、変則的な作戦を採るところも多かった。
だが、練習走行から好調だった35号車はオーソドックスな作戦を遂行。レース距離をほぼ3分割し、31周目に1回目のピットイン。石浦宏明への交代と、4本のタイヤ交換および給油を、28秒余りで済ませる。
No.1 PETRONAS TOM'S SC430
この時点ではまだ4台ほどがピットインを行っていなかったが、全車が作業を終えた42周目にはトップに復帰。2番手No.1 PETRONAS TOM'S SC430との間に10秒以上のマージンを稼いでいた。
石浦も大嶋同様、ペースを乱すことなく淡々と走行。63周目にピットに戻ると、再び大嶋にステアリングを託した。このときもタイヤは4本交換。作業時間は36秒余りとややかかったが、走行中に1号車とのギャップはさらに広がっており、またその後にピットインした1号車も作業に34秒余りを要したこともあり、ポジションに変動はなかった。
大嶋は終盤、ややペースを落としてポジションを守る走りに切り替え、最後まできっちり走りきりトップでチェッカー。No.35 MJ KRAFT SC430は、事実上、一度もトップを譲ることなく、完勝を果たした。
35号車の優勝は09年第6戦鈴鹿以来。GT500クラスで通算3勝目となる。
No.6 ENEOS SC430
2位のNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)は、ロッテラーが担当した最初のスティントを35周まで引っ張り、つづく脇阪は66周目にピットイン。最後はロッテラーがプッシュしたが、最後まで35号車の前に出ることはできなかった。しかし、2位に入ったことでランキングではトップに浮上することに成功した。
3位はNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)。ここは最初のスティント(伊藤)が22周とやや短めで、第2スティントのビルドハイムが60周まで引っ張る作戦。タイヤ交換は、やはり2回とも4本行った。序盤は一時、No.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有冶)の先行を許すシーンもあったが、8号車がGT300クラスとの接触で上位から脱落した後は、危なげなくポジションを守った。
さらに、4位にはNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)が入り、SC430勢が1位から4位までを独占する結果に。ゴールデンウィークの富士スピードウェイを、レクサス一色に染め上げた。
5位のNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)が、HSV-010 GT勢の最上位。GT-R勢は、6位に入ったNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が最上位だった。
No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)は、スタート直前に駆動系にトラブルが見つかり、ピットスタートに。2周遅れでスタートしたものの、レース半ばにエンジンにも異常が発生し、コースサイドにマシンを止めてしまった。