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2010 SUPER GT Round4

プレビュー

2010-06-14

混沌の2010シーズンは中盤戦へ!
得意のセパンでGT-R、HSVの逆襲はあるか?
GT300はミッドシップカーに要注意

AUTOBACS SUPER GTシリーズの海外ラウンド、第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」は、6月19、20日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催される。今大会は2000年の初開催以来、10回目(*)となる記念の一戦であり、2010年シーズンの中盤戦となる重要な戦いとなる。灼熱のセパンでの過酷な戦いを制するのは、果たして誰だろうか?
*:シリーズ戦は8回目。2003年はSARS禍で他コースに代替


猛暑の一戦はGT-Rが有利!?


No.23 MOTUL AUTECH GT-R
 赤道に近い国、マレーシア。そのセパンサーキットで行われる第4戦は、毎年のように熱中症や疲労困憊でダウンするドライバーが出る過酷なレースとなる。したがって、ドライバーはもちろん、マシンに対しても暑さ対策が重要となる。昨年、GT-Rの一部ではレースでは極めて珍しい小型エアコンを導入してきた。この点、GT-R勢はアドバンテージを得ていそうだ。さらに舞台となるセパンがフラットな中高速コーナーの多いレイアウトなだけに、ブレーキとコーナリングに自信のあるGT-Rにとって勝利を狙うべきコースだ。実際、昨年、一昨年とGT-Rが連勝中だ。中でも、今季まだ未勝利のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)にとっては、ここで勝たないとタイトル争いから脱落しかねない。ましてや彼らの履くミシュランタイヤは暑さなど厳しいコンディションに強いと言われ、昨年のセパンを制したタイヤでもある。まず、ここが要注意チームであろう。

ARTA HSV-010の活躍に期待


No.8 ARTA HSV-010
 そして、コーナリングと言えばHondaのニューマシンHSV-010 GTも得意とするところ。昨今はGT-Rの後塵を浴びているが、セパンはNSXも得意コースであった。そのノウハウを受け継ぐHSV-010 GT勢の活躍も期待できるだろう。特にセパンを大の得意とするラルフ・ファーマンが乗るNo.8 ARTA HSV-010(ファーマン/井出有治)、昨年2位となったNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)は、優勝候補の一角を占めると言ってもいいだろう。

No.1 PETRONAS TOM'S SC430
 一方、前戦富士で表彰台を独占したSC430勢だが、セパンはお世辞にも得意なコースとは言いがたい。さらに、前戦の活躍で各車ウェイトハンデが増えており、ここはきっちり走って少しでも多くのポイントを得ることが大事になるだろう。だが、ウェイトハンデの軽いNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平)は、勝ちが欲しいところだ。クートとTEAM SARDは2004年にセパンを制しており、セパンとの相性は悪くないのだ。そして、もう1台。地元マレーシアの企業であるペトロナス石油をスポンサーに持つNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)にとっては、チャンピオンゼッケンを背負っての凱旋レースだ。恥ずかしい結果を残すわけにはいかないし、ここで上位に付ければ連覇がグッと近くなる。要注目の一台であるのは間違いない。


やはりRX-7が本命? 紫電とIS350も気になる


No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7
 GT300クラスのセパン戦と言えば、No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)だ。セパン9戦中4勝という好成績を挙げている。ましてやM7 RE雨宮レーシングのスポンサーはマレーシア企業だ。昨年も3位と健闘しているが、やはりここでは勝利以外ないはず。この本命に対して、昨年の勝者No.2 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・Shiden(加藤寛規/濱口弘)が対抗だろうか? セカンドドライバーがルーキーの濱口ではあるが、昨年の優勝は最後尾スタートからの超大逆転だった。SUPER GTわずか3戦目で表彰台を手にした濱口だけに、予選上位なら十分勝てるのではないか。


No.365 365 サンダーアジア MT900M
 そして、コーナリング・サーキットのセパンだけに、ミドシップエンジンのマシンが有利である。昨年の予選2位のNo.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)、決勝2位のNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)も優勝候補の一角に上げられる。両車共に今季未勝利だけに、ここでの勝利は是が非でも欲しいであろう。
 今回、忘れてならないのはNo.365 365 サンダーアジア MT900M(メルビン・チュー/ティム・サグダン)だ。昨年のセパンではマシントラブルもあって結果こそ残せなかったが、予選8位から一時トップに迫るなど周囲を驚かせた。ここはシンガポールのチームであり、セパンはお馴染みのコースでホームコースと言ってもいいだろう。初のシリーズ参戦である今季、ここまでは満足のいかない結果であるだけに、セパンでは期するところがあるはずだ。

 昨年より1戦少ない全8戦の今シーズン。早くも折り返し前の一戦となる。昨年はスコールがあったり、一昨年は猛暑でタイヤコンディションに右往左往するチームが続出した。もちろん、ドライバーにとっても極めて過酷なレース。今年のセパンではどんなドラマが待っているだろうか?