2010 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の練習走行が、7月24日午前、スポーツランドSUGO(宮城県)で行なわれた。GT500クラスではNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)がトップタイムをマーク。GT300クラスではNo.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規)がトップだった。

公式練習 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時:33度/44度 終了時:34度/49度


 練習走行は9時ちょうどから10時45分まで、全時間帯GT500、GT300両クラスの合同で行なわれた。
 連日の猛暑に見舞われている日本列島。ここSUGOも例外ではなく、走行開始の時点で気温はすでに33度。タイヤチョイスとセッティングに加えて、この暑さにどう対処するかも、このセッションでの重要なポイントとなった。
 セッション序盤、GT500クラスは1分18秒台でのラップ。その中で唯一1分17秒台をマークしたのがNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)。開始25分で1分27秒543をマークし、2番手を0.5秒以上引き離す。
 その後、No.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)も1分17秒台に入れて2番手に上がってくるが、No.23 トレルイエは1分16秒956までタイムアップ。ふたたび2番手を1秒以上突き放した。
 セッション中盤には各チーム、ロングランのチェックに入るが、ここでのタイムはベストタイムとの差がやや大きい傾向も見られた。この暑さの中で、いかにタイヤを持たせるかを模索していたのかもしれない。
 残り時間が20分を切ったあたりから、ふたたび各チームがニュータイヤを履いてのタイムアタック・シミュレーションに入る。ここで大きくタイムアップしたのがNo.32 EPSON HSV-010(道上龍)。1分17秒739をマークし、2番手を奪った。
 3番手はNo.35 MJ KRAFT SC430。4番手にはNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)がつけた。
 No.23は終盤、本山哲がドライブ。本山のタイムは1分19秒台で安定しており、SUGO戦2連覇がかかる決勝に向けて、まずは順調な滑り出しとなった。



No.2 アップル・K-ONE・紫電

 GT300クラスはセッション序盤、上位9台が1分25秒台で並ぶ混戦模様。その中から一歩抜け出したのはNo.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規)。開始30分で1分25秒196をマークしてトップに立つと、1回ピットに戻った後さらにアタックし、1分24秒482をたたき出した。
 終盤、このタイムをターゲットに各チームがアタックをかけるが、1分24秒台に入れたのはNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)のみ。1分24秒889で2番手に付けた。
 3番手はNo.25 ZENT Porsche RSR(土屋武士)。第3戦富士以来の参戦となったが、チームの状況はいいようだ。走行中、リアウインドウが外れて飛ぶというハプニングもあったが、走行自体には大きな影響はなかった。
 4番手にNo.31 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀)をはさんで、5番手に付けたのはNo.62 R&D SPORT LAGACY B4(佐々木孝太)。今シーズン、ここまで望んだ成績を挙げられなかったが、第4戦セパンを休場してマシンを大改良。このセッションでは序盤10番手前後のタイムをマークすると、終盤に一気にタイムアップしてこのポジションにつけた。
 今回、新車にスイッチしたNo.9 初音ミク×GSRポルシェは佐々木雅弘が1分26秒246をマークし、12番手となった。
 なお、No.86 JLOCランボルギーニRG-3はミッショントラブルで1周しかできなかったが、予選までには修復する予定だという。


ブノワ・トレルイエ/No.23 MOTUL AUTECH GT-R(GT500クラストップタイム)
ミシュランは何年も前から、暑い時期のタイヤの性能がすごく高かったけど、僕らはそこからさらにタイヤを進化させて、前回のセパンからはとてもタイヤのグリップが高くなっている。もちろんタイヤは、今後ももっと進化させなくちゃいけないよ。でも、タイヤのグリップが高いことで、クルマのセットアップを集中して行なうことができている。今朝のタイムは主としてタイヤのグリップのおかげだね。
 最初は路面のコンディションが余り良くない中で、1セット、ニュータイヤを履いて1分17秒台、その後違うタイヤを試して1分16秒台だった。路面のせいでタイムが上がったと思う。S字は今年、縁石が低くなったんだけど、それでも相変わらずドライビングは難しい。だから、それに併せて、ダンピングの調整をしていたんだ。なぜか最初はジャンプしていたんだよね。とにかく最後にはバランスが取れて、今、とてもいい感じだね。できれば、明日いっぱいこの状況が続くといいな。(予選は)3時から雨が降るかもしれないっていう予報が出ているのは知っているけど、僕としてはずっとこのコンディションが続くように祈っているよ
加藤寛規/No.2 アップル・K-ONE・紫電(GT300クラストップタイム)
ここ(SUGO)との相性がいいのと、ランキング上位の人たちはウェイトを積んでいて、逆にウチは残念なことにウェイトを積んでいないので、タイムが出てます(笑)。ここはいつも勝とうと力が入りすぎて、いろんなトラブルに巻き込まれているので、今回は表彰台から仕切り直しましょうっていうイメージでいます。ただ、ベストタイム(を出した周)は、オフィシャルから『脱輪です』って通達が来てます(笑)。確かに一回(縁石に乗り上げる走り方を)試してみたんです。そしたらいけたんですが、でもオフィシャルが見てました。なのでもうちょっとシケインの走り方を勉強しなきゃいけないかな(笑)。タイヤも想定したとおりです。暑いほうに合わせたものを持ってきていて、それが功を奏しているとも思いますね。
(濱口選手が一度コースアウトしたが)ダメージもないし、気にするほどもないですよ。ここは走ったこともあるサーキットなので、セパンよりだいぶリラックスして乗れていると思います。ミスなくまとめたいですね。周りの皆さんに『今週は期待している』って言われているので、気を使って手を抜いてもらわないとね(笑)