7月24、25日、スポーツランドSUGO(宮城県)で2010 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」が開催される。東北の山間に位置するサーキット、スポーツランドSUGOは、緑が豊かなことで知られるこのコース。ここを舞台に、シーズン中盤に突入しさらに熱さの増すSUPER GT。毎年、予想し得ない“何かが起こる”このラウンド。さあ、今年はどんなドラマが待っているのだろうか?
No.8 ARTA HSV-010
スポーツランドSUGOは、コースの高低差が大きく、中高速コーナーが大きいレイアウトのサーキットだ。したがって、大パワーのマシンに有利と考えられるが、SUPER GTの場合はトップパワーがほぼ一定なので、常に僅差でいつもより増してバトルが多くなる。また、コーナリング性能の優れたマシンに有利とも言われ、これまではミッドシップ・レイアウトのNSX勢が本命に挙げられることが多かった。だが、今季はGT500のすべてがFRとなり、この点で全車がイーブンのはず。それでもやはり、NSXの血統を受け継ぎ、ライバルよりコーナリング性能が抜群によいと言われるHSV-010 GTが、本命視されるだろう。
もちろん、今季デビューのHSV-010 GTにとっては初のSUGO戦。データ不足も心配されるが、前戦セパンで好走を見せ、このSUGOを得意としているNo.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有治)、No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)は要注意のチームだ。もちろん、タイトル争いで優位に立ちたいNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)も上位に絡んできそうだ。
No.12 カルソニックIMPUL GT-R
コーナリングと言えばGT-R勢も侮れない。GT-R、日産勢にとってSUGOは、SUPER GT/JGTCでなぜか勝てないサーキットだった。しかし、その苦いジンクスも昨年のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)の快勝で厄落とし。今年もMOTUL AUTECH GT-Rや前戦勝利で波に乗るカルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が暴れてくれそう。
No.38 ZENT CERUMO SC430
SC430はテクニカル・コースが得意ではない、というのが定評だが、今季のマシンは非常にハンドリングが向上しているという。それだけに勝機は十分あるはず。このコースを得意とするNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)やウェイトハンデの軽いNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平)あたりが上位に食い込んでくると思われる。
No.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430
混戦が予想されるのはGT300クラスも同様だ。その中で注目したいのは、SUGOとの相性が良いミッドシップの欧州車だ。No.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)やNo.66 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)、No.86 JLOC ランボルギーニ RG-3(山西康司/関口雄飛)といった面々が上位に来そう。
No.2 アップル・K-ONE・紫電
さらに、前戦セパンで悔しいリタイアに終わったNo.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)も、ここSUGOで優勝が欲しいはず。国産勢ではNo.31 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)やNo.3 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)あたりか。そして昨年のチャンピオンNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)も、そろそろ優勝を手にしないとタイトル防衛に黄色信号が灯ってしまう正念場だ。
No.31 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ
そしてポルシェもRRの特性やパワフルさを活かし、SUGOでは良い成績を残しいている。昨年のSUGOで勝利したNo.33 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ/影山正美)は、残念ながら欠場だが、今回のSUGOでは今季型の最新ポルシェがデビューする。No.9 初音ミク×GSRポルシェ(番場琢/佐々木雅弘)だ。マシンのパフォーマンスはHANKOOKにも勝るとも劣らないし、番場はSUPER GTの経験も十分で、ルーキーの佐々木も岩手県出身だけにSUGOはホームコースだ。デビュー戦だけに不確定要素もあるが、当たれば上位進出も十分あるはず。
何度も繰り返すが、スポーツランドSUGOでの一戦は、必ず何かが起こる。このシリーズ中盤の重要レースを、決して見逃してはならない。