8月22日、2010 AUTOBACS SUPER GT第6戦「39th International Pokka GT SUMMER SPECIAL」は鈴鹿サーキット(三重県)で決勝日を迎えた。決勝日朝のフリー走行が、9時55分から45分間行なわれた。


Free Practice

フリー走行 天候:晴 | コース:ドライ | 気温32℃/路面温度40℃>終了時:気温34℃/路面温度45℃


 決勝日朝のフリー走行は9時55分から45分間。前日同様の暑さと、前日を上回るほどの湿気の中で始まった。
 今回の決勝は700kmあり、タイヤの選択やピットインのタイミングについて、通常の300kmレースとは異なる戦略が求められる。各チームとも、このセッションで戦略の最終確認を精力的にこなしていった。
 GT500クラスではNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)が比較的早い段階で1分57秒628をマーク。これが、このセッションでのトップタイムとなる。トレルイエのタイムは、その他の周も1分58秒台から59秒台で安定。後半に乗り込んだ本山哲はややタイムを落とす周もあったが、クルマ自体は順調に仕上がっているようすだった。
 これにつづく2番手はNo.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)の1分58秒001。序盤は井出有冶が入念にチェックを重ね、セッション半ばを過ぎてファーマンがこのベストタイムをマーク。そして、最後に小林崇志が3ラップだけ走行した。予選で、デビュー・ポールという離れ業を演じてのけた小林だが、果たしてチームはこの三人を決勝でどう使うのか。タイヤ戦略、ピット戦略に加えて、ドライバー戦略も注目の的となりそうだ。
 3番手はNo.17 KEIHIN HSV-010、4番手はNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rとつづき、5番手No.38 ZENT CERUMO SC430がSC430勢の最上位だった。
 なお、No.18 ウイダーHSV-010はセッション中に「危険なドライブ行為」があったと判定され、最後尾グリッドに降格というペナルティを受けた。


No.26 CINE CITTA'タイサンポルシェ

 GT300クラスでは、予選でポールを獲得したNo.26 CINE CITTA'タイサンポルシェの密山祥吾が2分09秒986というベストタイムをマークする。しかし、26号車はイゴール・スシュコに交代して出て行った周のシケイン手前でコースアウト。アウト側のバリアにクラッシュし、マシンの前後を破損してしまう。チームでは決勝に間に合わせるべく修復作業に入った。
 このマシンの撤去作業のためセッションは10分間中断。終了時間が10時45分まで、5分間延長された。
 2番手はNo.25 ZENT Porsche RSR(土屋武士)。今回はレギュラーの都筑晶裕に加えて都筑善雄を第3ドライバーに迎え、兄弟にとっての地元ともいえる鈴鹿での上位を狙っている。3番手はNo.2 アップル・K-one・紫電(加藤寛規)。このチームも今回は加藤、濱口弘と高橋一穂の3人体制を採り、前戦SUGOに続いての連勝を期す。
 4番手はNo.62 R&D SPORT LEGACY B4(佐々木孝太)。ノックダウン予選ではわずかの差でセッション3進出を逃してしまったが、決勝に向けてのマシンの仕上がりはいいようだ。
 なお、予選でマシントラブルのために通過基準タイムをクリアできなかったNo.666 BOMEX LIAN BOXSTERのTakamori.comと木村聡は、このセッションでの走行の結果、決勝出走が認められることになった。

 フリー走行終了後、恒例の“サーキットサファリ”が行われ、観客を乗せたバスが走る間を縫っての走行が行われた。


ブノワ・トレルイエ/No.23 MOTUL AUTECH GT-R(GT500クラストップタイム)
朝はニュータイヤを履いて、満タンで走ったんだけど、昨日と比べてもクルマのバランスはいいし、すごくいい感触だったよ。ただ、僕らのクルマは、セクター3でタイムを稼げていないんだよね。それはつまり、まだエンジンのパワーの面で開発の余地が残っているということ。新しいエンジンだから、信頼性を上げて行きつつ、パワーも出すっていうのは、エンジンの開発部門の人たちにとっても、とても大変なことだと思う。それでも、進歩は常に感じているし、クルマ自体のバランスはいいし、今日のレースではベストを尽くしたい。とにかくこのレースは長くて、いつもとは違う本当の耐久レース。色々とアクシデントやハプニングも起こるから、そういうものを回避しながら、着実にクルマをゴールまで運びたいと思っているよ。それが、このレースでは一番大切なことだから。その結果、自分たちにとってベストなリザルトを残せるといいね。まずはちゃんと最後まで走り切ることを心掛けるよ。
密山祥吾/No.26 CINE CITTA' タイサンポルシェ(GT300クラストップタイム)
僕が出走したときは、決勝用のシミュレーションで出ていって、いいタイムが出ました。タイヤも1スティント終盤くらいのものをわざと履きました。クルマとしてはぜんぜんまだまだいける状態ですし、決勝に向けてもすごい自信があったんですけどねぇ…。(クラッシュがあって)ちょっと残念です。優秀なタイサンのスタッフが「全部直すから」って言ってくれています。(いつもより遅めの)3時からのレースだから、そこは救いですよね。修理していいレースをして、今のことが笑い話になればいいなと思います。
イゴール・スシュコ/No.26 CINE CITTA' タイサンポルシェ(GT300クラストップタイム)
130Rでブレーキングをして、シケインに進入したんですが、クルマがリアから流れてしまい、2回ウォールに当たりました。オーバースピードだったというわけではないし、まだ詳しい原因はわかりません。チームにも申し訳ないですし、悔しい気持ちでいっぱいです。