8月21日午後、2010 AUTOBACS SUPER GT第6戦「Pokka GT SUMMER SPECIAL」の公式予選が鈴鹿サーキット(三重県)で行なわれた。ノックダウン方式で行なわれた予選では、No.8 ARTA HSV-010の第3ドライバー 小林崇志が、デビュー戦でポールポジションを獲得。GT300クラスはNo.26 CINE CITTA'タイサンポルシェの第3ドライバー、密山祥吾がクラスポールを奪った。
□公式予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時 32℃/47℃ 終了時 33℃/47℃
□ノックダウン予選 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時 34℃/47℃ 終了時 35℃/46℃
今回の予選はノックダウン方式。予選1回目はGT500、GT300両クラスとも通過基準タイムのクリアがメインとなる。だが、ここでNo.666 BOMEX LIAN BOXSTERに電気系トラブルが発生。Takamori.com、木村聡の2人が走行できず、予選不通過となってしまった。このチームの決勝出走は、決勝日朝のフリー走行の結果により判断されることになる。他のドライバーは予選通過基準タイムをクリア。2回目のノックダウン予選に進んだ。
予選2回目、GT500クラスのセッション1(S1)は15時20分から10分間、全車走行の予定で始まる。だが、No.24 HIS ADVAN KONDO GT-Rはここでトラブルの修復が間に合わず、出走できなかった。また、No.6 ENEOS SC430(伊藤大輔)とNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)の2台は、最後に8番手まで浮上したNo.39 DENSO DUNLOP SC430(平手晃平)に蹴落とされる形になり、セッション2(S2)進出を逃した。
S1でトップタイムとなる1分55秒791をマークしたのはNo.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)。2番手にはNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘)がつけ、3番手はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)。4番手はNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)で、5番手となったNo.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)が、SC430勢の最上位だった。
S2は15時50分から。ここでのトップもまたNo.8 ARTA HSV-010だった。このセッションは井出有治が担当し、1分55秒439をマーク。2番手No.100 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)を0.6秒以上突き放してみせた。3番手にはNo.17 KEIHIN HSV-010(塚越広大)がつづき、HSV-010 GT勢がトップ3を独占した。
4番手はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)。5番手にはNo.32 EPSON HSV-010(中山友貴)がつけ、6番手No.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート)がSC430勢の最上位だった。
16時25分、予選最後の10分間でポールが決まるセッション3(S3)が始まる。ここで、観る者全員をあっと言わせたのは、またしてもNo.8 ARTA HSV-010だった。鈴木亜久里監督は、ここでのドライバーに第3ドライバーの小林崇志を指名。今回がSUPER GTデビュー戦、このクルマには練習走行を含めても30周ほどしか乗っていない小林だが、居並ぶベテラン、名手を前にまったく臆することのない走行を披露。最初のアタックで1分55秒839をマークしてみせる。その直後、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)、No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)がこれを上回るが、小林はアタックを続行し、1分55秒237までタイムアップしてみせた。その後、23号車トレルイエも渾身のアタックを試みるが、暴れまわるマシンにタイムアップを果たせず、2番手どまり。結局、このまま8号車 小林のポールポジション奪取が決まった。
No.8 ARTA HSV-010のポールポジションは昨年の最終戦もてぎ以来。小林崇志のGT500クラス・デビュー戦でのポールはJGTC/SUPER GT史上初となる。
予選2番手はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。セッション3で使ったタイヤを決勝スタートで使わなければならないことを考えると、最後のアタックでマシンが暴れていたのは気になるところだが、今回にかける陣営の意気込みはライバル以上。おそらくスタートから勝負をかけてくるはずだ。
予選3番手はNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)。以下、4番手No.32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴)、No.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)と、HSV-010 GT勢が続いた。
6番手No.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平)がSC430勢の最上位。7番手No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、S3ではアタックを行わなかった。このチームはこの予選の前にエンジンを交換しており、規定で10グリッド降格となることが決まっていた。そのため、あえてここではアタックせず、決勝に向けてタイヤを温存する作戦に出たようだ。
GT300クラスのS1は、トップを含む上位がめまぐるしく入れ替わる展開となるが、最終的にトップを奪ったのはNo.43 ARTA Garaiya(高木真一)。2分08秒007で、2番手No.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也)に0.1秒あまりの差をつけた。3番手はNo.26 CINE CITTA'タイサンポルシェ(密山祥吾)だった。
なお、ランキング・トップタイのNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(折目遼)、昨年のチャンピオンNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学)はS2に進めなかった。
15時40分からのS2ではNo.5マッハGOGOGO車検408R(黒澤治樹)が2分07秒505でトップ。2番手のNo.2 アップル・K-one・紫電(加藤寛規)の2分08秒003に0.5秒近い差をつけた。3番手はNo.25 ZENT Porsche RSR(土屋武士)だった。
このセッションではランキング3位のNo.46 アップスタートMOLA Z(横溝直輝)、第4戦セパンでポールを奪ったNo.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(平中克幸)らがアタックに失敗。また、No.62 R&D SPORT LEGACY B4(佐々木孝太)もわずか0.086秒差でS3進出を逃した。
S3は16時10分から。No.26 CINE CITTA'タイサンポルシェ(密山祥吾)がまず2分07秒498をマークしてトップに立つ。その後、このタイムをターゲットに各チームがアタック合戦を繰り広げるが、2分07秒台には届かない。結局、2番手No.74 COROLLA AXIO apr GT(井口卓人)の2分08秒500に1秒以上の差をつけ、26号車 密山がポールポジションを獲得した。
チーム・タイサンのポール獲得は08年第7戦もてぎで、谷口信輝が獲得して以来。密山祥吾はこれがJGTC/SUPER GT初ポールとなる。
3番手はNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一/峰尾恭輔)。レギュラーの2人に加わった峰尾は、ノックダウン予選では走行しなかった。一方、4番手に入ったNo.9初音ミク×GSRポルシェ(番場琢/佐々木雅弘/木下みつひろ)は、助っ人の木下みつひろがS3に出走。予選過去最高位を獲得してみせた。