2010 AUTOBACS SUPER GT 第6戦「39th International Pokka GT SUMMER SPECIAL」の決勝レースが、8月22日、鈴鹿サーキット(三重県)で行われた。GT500クラスはNo.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有冶/小林崇志組)が優勝。GT300クラスはNo.62 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太組)が優勝を果たした。


GT500 Class

決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温36度 | 路面温度48度


 決勝スタートは15時。序盤は上位陣に大きな順位の変動もなく、淡々とした展開となる。ポールのNo.8 ARTA HSV-010(井出有冶)は5周目までに2番手No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)に5秒の差をつける。その後、8号車は周回遅れが出現した際に接触があったようで左後部下面のエアロパーツを破損するが、ラップタイムに影響はなかった。

 だが、26周を終えて1回目のピットに戻った際、取れかかっていた破損部を剥ぎ取るのに手間取り、1分20秒と、通常の倍近くも作業時間がかかってしまう。この間にライバルが先行。レースの4分の1を終えて、全車が1回目のピット作業を終えた時点では4番手となっていた。  この時点でトップに立っていたのはNo.32 EPSON HSV-010(道上龍>中山友貴)。最初のスティントを17周と短めに留め、他とピットインのタイミングをずらすことで順位を上げることに成功していた。2番手は序盤に23号車を抜いたNo.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也>山本尚貴)で、3番手が23号車(本山>ブノワ・トレルイエ)。32号車が45周を終えて2度目のピットイン(中山>道上)を済ますと、100号車(山本>伊沢)がトップ、23号車(本山>ブノワ・トレルイエ)が2位、8号車(井出>ラルフ・ファーマン)が3位となっていた。  だが、23号車トレルイエは52周目のS字コーナーで周回遅れと接触しスピン。すぐにリカバリーしたものの、この間に8号車ファーマンが先行することに成功する。


No.100 RAYBRIG HSV-010
 その後、60周を過ぎて全車が2度目のピットを終えると、トップ3は32号車・道上、8号車・井出、100号車・伊沢の順となる。
 32号車は71周を終えたところで3度目のピットイン。これで道上から中山への交代を終え、義務付けられている3度の交代は済ませたが、燃費の関係から、ゴールまでにはもう一度ピットに入らなければならない。このマージンを稼ぐため、中山がプッシュ。日がかげって路面温度が下がってきたこともあって1分57秒台のタイムをマークする。
 他の上位陣の3度目のピットインは、23号車が88周終了、100号車が93周終了、8号車が95周終了時。作業自体は23号車が最も速かったが、順位は8号車・ファーマン、100号車・山本、23号車・トレルイエの順となる。
 32号車は97周を終えて4度目のピットイン。タイヤ交換と給油、道上へのドライバー交代を終えて出て行こうとするが、ここで右後輪が脱落してしまうというアクシデント。クルマを押し戻して装着するのに時間を取られ、上位入賞の望みを絶たれてしまった。
 これで楽になった8号車・ファーマンは、「ライト・オン」ボードが提示された後の走行も無難にこなし、最後は2番手に22秒差をつけてフィニッシュを迎えた。


No.23 MOTUL AUTECH GT-R
 No.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有冶/小林崇志)は今季初優勝。ARTAの優勝は昨年の最終戦もてぎ以来。HSV-010 GTの優勝は第2戦岡山、第5戦SUGOにつづき今季3勝目となる。前日の予選でポールポジションを獲得した小林崇志は決勝では走ることはなかったが、記録上はデビュー戦での優勝ということになった。
 2位争いは、終盤に23号車・トレルイエが100号車・山本をシケインで攻略。その後、山本もトレルイエに離されることなく着いていくが、再逆転はならず。No.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が2位、No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)が3位となった。
 その後方の4位争いも終盤に白熱。No.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)が逆転で4位を得た。悔しい5位となったNo.35 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)だが、SC430勢ではこれが最上位だった。