GT500 クラス | 優勝
No.8 ARTA HSV-010
最初のピットの時間がクルマの修復で長くなりましたが、焦りはありませんでした。ただ、それがなければトップを守れたと思うと、フラストレーションにはなりました。
実は3年前のこのレース、ARTAの第3ドライバーとして参加して表彰台に上らせてもらったんですが、その時は全く仕事しておらず恥ずかしい思いでした。ですが、今回は自分の力も出せて表彰台に上がれました。その時の僕とは違い、第3ドライバーの小林選手は予選で僕らのミスがあったのに、(ポール獲得という)いい仕事をしてくれました。彼に助けられたという面もあって、彼にも感謝しています。この勝利をきっかけに残りのレースもがんばっていきたいです。
レース後の涙ですか? 理由が沢山ありすぎて(苦笑)。とにかく沢山の人に支えてもらってきたので、感謝の気持ちでいっぱいでした。
これまでお手伝いでSUPER GTに参加したことはありましたが、今回はドライバーという視点で、決勝は走れませんでしたが、SUPER GTを見られたことはとても経験になりました。参加させて頂いたARTAも非常にレベルが高くて、予選で僕が車に乗ったときも非常によい状態でした。それもラルフさんと井出さんがきっちりセッティングしてくれていたからで、そこはすごいと思いました。
GT300 クラス | 優勝
No.62 R&D SPORT LEGACY B4
前戦のSUGOでクルマのパフォーマンスが上がり、今回はそこそこ行けると思ってました。でも、燃費の問題もあるし、新しいクルマだけにセットアップも難しいものがあるんです。それだけに、エンジニアや佐々木選手と相当ミーティングを重ねました。決勝朝のフリー走行でも違うセッティングを試し、スタート前のウォームアップでもまた変えて、グリッドでまた戻してと、そこまでやって決勝に強いクルマが生まれたと思います。チームもがんばり、スバルのエンジンも活躍してくれ、そしてまた孝太とインタビュールームに来れたことがうれしいです。
僕が担当した第1スティントでは、結構接触やコースアウトがあって、そこでギリギリながら生き残ってきたことも勝因だったと思います。鈴鹿の700kmはペースを上げつつトラブルを避けるという難関を乗り越えて(はじめて)勝てる難しいレースです。そういう意味で、スバル・レガシィでこのレースを勝ててうれしく思います。(中盤トップだった)74号車とは、彼らとレースをするということではなく、自分たちの中でベストのレースをするのだと思って走っていました。その点、ドライバーもピットワークもぬかりないレースが出来たと思います。
あと、レース前に本島監督に『表彰台に上ったらサイパンに連れて行ってやる』と言われたんですが、それでかなり気合いが入りました(笑)。
前戦のSUGOは、僕自身が得意(なコース)だったし勝つつもりでいたので、(下位に終わって)悔しい思いをしました。それにノーポイントなのに性能調整でリストリクターも絞られて…。まあ、そういうレギュレーションで戦うレースなので、めげずにチームみんなでクルマを仕上げていきました。今日もレース前の8分間の走行でもセッティングを考えましたし、それがこの勝利につながったと思います。
最後に(自分の番が来て)コースに出た時は、トップだとは知らなかったんです。だた、アウトラップからプッシュしようと思ってました。そうしたら、実はトップで、後続も離すことができました。クルマも良かったので、勝てるかもと思いました。ただ、このクルマ自体が700kmも走ったことがないし、正直300kmのレースも完走するのが大変だったわけですから、最後まで気は抜けず、『サイパン』なんてちらついている余裕はなかったですね(笑)。
ゴールしたときは本当にうれしかったです。僕の出身である鈴鹿で、難しい700kmのPokka GTで、勝ちたいとは思ってましたが、勝てると思っていなかったので、チェッカーを受けたときは涙が出ました。