10月23日午後、2010 AUTOBACS SUPER GT最終戦「MOTEGI GT 250km RACE」の公式予選がツインリンクもてぎ(栃木県)で行なわれた。ノックダウン方式で行なわれた予選では、No.18 ウイダーHSV-010の小暮卓史がポールポジションを獲得。ランキングトップの小暮/ロイック・デュバル組がシリーズチャンピオンに向け、幸先の良いスタートを切った。GT300クラスはNo.3 TOMICA Zの柳田真孝がクラスポールを奪った。
□公式予選1回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時19℃/22℃ 終了時22℃/25℃
□ノックダウン予選 天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始時20℃/22℃ 終了時19℃/21℃
今回の予選はノックダウン方式。GT500、GT300両クラスとも、13時05分からの予選1回目で通過基準タイムをクリアしたドライバーが予選2回目に進出できる。だが、No.365 365サンダーアジアMT900Mは、午前中の練習走行中に発生したエンジントラブルのため、この予選への出走がかなわなかった。他のチームはすべて予選通過基準タイムをクリア。予選2回目への進出を果たした。
予選2回目は3段階の選抜方式で、1回目の走行(セッション1=S1)からタイムの遅いクルマからふるい落とされていく。最終セッション(S3)にはGT500は7台、GT300は10台が進出。その中で最も速かったクルマがポールポジションとなる。
GT500クラスのセッション1(S1)は14時55分から10分間。セッション序盤、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)がコースオフして冷やりとさせたが、すぐに復帰。チェッカー周になんとか10番手タイムをマークしてS2進出を果たした。
S1トップはNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史)。1分43秒711は従来のコースレコード、1分44秒095を上回った。2番手はNo.35 MJ KRAFT SC430(大嶋和也)で1分44秒010。以下、No.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘)、No.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)、No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)、No.6 ENEOS SC430(伊藤大輔)、No.24 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)、No.1 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)、そしてNo.23 トレルイエまでがS2進出を決めた。
11番手No.32 EPSON HSV-010(道上龍)、12番手No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)、13番手No.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(平手晃平)の3台はS2進出を果たせなかった。
7分間のS2ではNo.6 ビヨン・ビルドハイムが1分43秒734でトップ。2番手No.35 石浦宏明、3番手No.1 脇阪寿一と、ここではSC430勢がトップ3を占めた。No.18 ロイック・デュバルが4番手で、ここまでが1分43秒台。以下No.17 塚越広大、No.24 安田裕信、No.12 ロニー・クインタレッリまでの7台がS3進出を果たした。8番手No.100 山本尚貴、9番手No.23 本山哲、10番手No.8 井出有治はこの順でグリッドが決まった。
S3はGT300の走行中に赤旗中断があったため10分ほど遅れて開始。最後の一発勝負で魅せてくれたのはランキングトップ2の2台だった。No.18 小暮が1分43秒583と、自身がマークしたばかりのレコードタイムをさらに更新。これに対してNo.6 伊藤もS1を上回るアタックを敢行するが、1分43秒640と、No.18 小暮にわずか0.057秒及ばず、2番手に留まった。
以下、No.17 金石、No.12 松田、No.1 ロッテラー、No.35 大嶋までが1分43秒台、0.192秒差の中にひしめくという大混戦。7番手No.24 デ・オリベイラもトップから0.734秒差しかなく、決勝はまったく予断を許さない情勢となった。
GT300クラスでは、S1でNo.74 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)がトップタイムをマーク。以下、No.19 ウェッズスポーツIS350(片岡龍也)、No.43 ARTA Garaiya(高木真一)、No.25 ZENT Porsche RSR(土屋武士)、No.86 JLOCランボルギーニRG-3(関口雄飛)、No.3 TOMICA Z(柳田真孝)までが1分54秒台。その後方は1分55秒台〜56秒台で、予選1回目にトップタイムをマークしたNo.66 triple a Vantage GT2(松田秀士)までの17台がS2への進出を果たした。
S2では、そのNo.66 吉本大樹が1分54秒381のトップタイムをマーク。No.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(平中克幸)が2番手、S1トップのNo.74 井口卓人が3番手につけた。ランキングトップのNo.43 新田守男は9番手、同2位のNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(折目遼)は10番手と、それぞれS3進出ぎりぎりのポジションでかろうじて生き残った。一方、S1で2番手につけていたNo.19 織戸学、練習走行でトップだったNo.5 マッハGOGOGO車検408R(玉中哲二)、ランキング5位のNo.46 アップスタートMOLA Z(阿部翼)などがS2止まりとなった。
S3では開始直後、No.74 国本が4コーナー手前でコースアウト。赤旗中断の原因を作ってしまう。No.74の車両は安全なところまで牽引された後、自力でピットに戻り、再開後は再びアタックすることができた。
再開後の残り時間は6分間。タイヤのウォームアップを考えると、アタックできるのは1周か2周のみ。各チーム、ワンチャンスにかけてアタックを行うが、とりわけ光ったのがNo.3 柳田だった。難しい状況を乗り越え、1分54秒186をマーク。その後、ライバルもこれを目標にアタックをかけるが及ばず、今季初ポールを奪った。
柳田真孝のポールは昨年の第4戦、セパン以来。GT300クラスでは通算6回目となる。GT500クラスでは07年第6戦鈴鹿でポールを獲っており、このときの所属チームも今回と同じハセミモータースポーツだった。
予選2番手はNo.9 初音ミク×GSRポルシェ(佐々木雅弘)。第5戦SUGOから新車を投入して以来、尻上がりに調子を上げてきたが、今回はポールまで0.115秒差まで迫った。あとは決勝で初の表彰台に上れるかどうか、注目される。
予選3番手はNo.86 JLOCランボルギーニRG-3(関口雄飛)。4番手はNo.74 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)、5番手にNo.43 ARTA Garaiya(高木真一)が続いた。
仮に、決勝でもNo.3が勝ち、この順位のままフィニッシュするとNo.3の星野一樹/柳田真孝組が逆転でチャンピオン。ランキングトップのNo.43 新田守男/高木真一組が王者となるためには表彰台に上がる必要がある。また、ランキング2位のNo.7 谷口信輝/折目遼組は新田/高木組が4位以下で自身が2位に入らないとならない。上位争いにはポルシェやランボルギーニなどもからんできそうで、タイトル争いのゆくえは混沌としている。