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2010 SUPER GT Round8

プレビュー

2010-10-18

最終決戦、迫る...
史上最大の大混戦で劇的ドラマが展開!?
今年もノーハンデ&短距離250kmでガチンコ勝負!!

今シーズンの最終戦となる、2010 AUTOBACS SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」が、10月23、24日、ツインリンクもてぎ(栃木県)で開催される。台風被害で第7戦が中止になったため、今季は1戦減って全7戦でタイトルが争われることになる。このため、最終戦としては異例なほどタイトル候補が多くなり、レース展開も単純なものにはならないだろう。したがって、もてぎを舞台に劇的なバトル、ゴールが展開されるのは間違いないはずだ。


対照的なウイダーHSV-010とENEOS SC430の対決

No.18 ウイダーHSV-010

No.6 ENEOS SC430

 GT500クラスのドライバーズタイトル争いでは、なんと9チームもの候補が存在する。
 ただポイント面から考えると、ランキングトップのNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)と1ポイント差に就けるNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)の一騎打ちとも見られる。優勝すれば、その時点でタイトル獲得だからだ。
 今季のウイダーは1位、2位、3位を各1回ずつ、7位以下も3回と速さと脆さが同居した。それに対し、優勝こそないが6戦中5戦を2〜5位でフィニッシュしている手堅いENEOS。極めて対照的な2チームが、もてぎでどんな作戦、展開を見せるのか。ここも非常に興味深いものになるだろう。

侮れないディフェンディングチャンピオンとGT-R勢


No.1 PETRONAS TOM'S SC430
 もちろん、何が起こるか分からないのが、SUPER GTだ。この2台が簡単に上位フィニッシュするとは限らない。となると10ポイント差のNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)やディフェンディングチャンピオンであるNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)にもチャンスが出てくる。ただし、この2台が目指すは、最低でも表彰台だ。


No.12 カルソニックIMPUL GT-R
 そして、ランキングトップのウイダーHSV-010から11ポイント差のNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、14ポイント差のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。GT-Rの操縦性はもてぎのレイアウトに向いているという見方もあり、予選上位につけて2位以内に入れば、上位の状況次第ではあるがチャンスはある。ランキングでそれ以下のNo.35 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)、No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)、No.100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)は優勝した上で、上位陣が下位に沈むという条件なので、かなり厳しい状況ではある。つまり、予選から全力全開で、ライバルにプレッシャーを掛け、結果を待つことになる。

 ツインリンクもてぎといえば、Honda NSXが10戦8勝と驚異的な強さを見せている。そのNSXからバトンを受けたHSV-010 GTも、もてぎで強いのか? こればかりは走ってみなければ分からない。ちなみに、10月上旬にもてぎで行われたタイヤテストでは、ENEOS SC430が参加車中のトップタイムを記録した。だが、このテストには最大のライバルであるウイダーHSV-010は参加しておらず、単純な比較はできない。
 そう、やはり最終戦が始まってみなければ、予想だにできないのだ。


GT300タイトル候補はARTA Garaiyaが有利か?

 GT300クラスでドライバーズタイトルを争う権利を得たのは6チーム。現在ランキングトップに就けるのは、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)。これをNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)が6ポイント差で、No.74 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)が8ポイント差で追う。基本的にこの3チームはお互いの状況を見つつ、レースを展開することになるだろう。
 ARTAが3位以内に入れば、自力でタイトル決定だけに、ある程度のアドバンテージがある。だが、もしレース中に中位以降になり、雨宮やCOROLLA Axioが4位以上を走っていると、一転厳しい展開となる。と言うのも、ARTAは今季未勝利。対する雨宮は2勝、COROLLA Axioは1勝を挙げているからだ。もし最終戦後に同点になった場合、勝ち数の多い方が上位にくる規定であるから、そこも折り込んでARTA Garaiyaはポジションを得なければならいのだ。


No.43 ARTA Garaiya

No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7

 これに対し、ランキング4位以降のNo.3 TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)、No.46 アップスタートMOLA Z(横溝直輝/阿部翼)、No.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)は、ポイント差を考えると優勝以外ないつもりで挑むことになるだろう。
 この6台が注目車両だが、GT300は伏兵が常に存在する。もてぎでは、昨年、一昨年はフェラーリが勝っている。この他、最近はポルシェ勢も好調。No.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中/平中克幸)やNo.25 ZENT Porsche RSR(都筑晶裕/土屋武士)やNo.9 初音ミク×GSRポルシェ(番場琢/佐々木雅弘)、No.26 CINE CITTA'タイサンポルシェ(密山祥吾/植田 正幸)も侮れない存在。彼らが優勝、上位に割り込めば、タイトル争いにも大きな変動が及ぶ。GT300では、ここにも注意して見ていってほしい。


No.74 COROLLA Axio apr GT

No.3 TOMICA Z

 何にせよ、もうあとがない最終戦。しかも、昨年同様にここまで全戦に参戦した車両はウェイトハンデ0kgとなって、まさに全力で走ることができる。また、通常のSUPER GTのレース距離より、やや短い250km。それだけにワンミスが致命傷となることも。そして、抜きにくく難しいツインリンクもてぎが舞台。
 SUPER GTの最終戦は、常に劇的シーンが存在する。今回の最終戦もてぎでは、いつも以上にスリリングで、そして劇的なドラマがいくつも巻き起こる、そんな予感がする。なんと言っても今年を締めくくる一戦。見逃してはならない……。


■ドライバーズチャンピオン・ポイントシミュレーション

GT500 CLASS Rd.7終了時
ポイント
最終戦順位 / シーズン総獲得ポイント
No Driver / Machine 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72
18 小暮卓史/L.デュバル
ウイダー HSV-010
52pt

10
9
8
7
6
5

4


3



2




1
6 伊藤大輔/B.ビルドハイム
ENEOS SC430
51pt
10
9
8
7
6
5

4


3



2




1

17 金石年弘/塚越広大
KEIHIN HSV-010
42pt

3



2




1

1 脇阪寿一/A.ロッテラー
PETRONAS TOM'S SC430
42pt

3



2




1

12 松田次生/R.クインタレッリ
カルソニック IMPUL GT-R
41pt
3



2




1

23 本山哲/B.トレルイエ
MOTUL AUTECH GT-R
38pt

2




1

35 石浦宏明/大嶋和也
MJ KRAFT SC430
37pt
2




1

38 立川祐路/R.ライアン
ZENT CERUMO SC430
37pt
2




1

100 伊沢拓也/山本尚貴
RAYBRIG HSV-010
35pt



1


GT300 CLASS Rd.7終了時
ポイント
最終戦順位 / シーズン総獲得ポイント
No Driver / Machine 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75
43 新田守男/高木真一
ARTA Garaiya
55pt
10
9
8
7
6
5

4


3



2




1
7 谷口信輝/折目 遼
M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7
49pt 5

4


3



2




1

74 井口卓人/国本雄資
COROLLA Axio apr GT
47pt 4


3



2




1

3 星野一樹/柳田真孝
TOMICA Z
44pt 3



2




1

46 横溝直輝/阿部 翼
アップスタート MOLA Z
43pt


2




1

2 加藤寛規/濱口 弘
アップル・K-one・紫電
35pt 1

*表中の順位の背景が白い場合は、チャンピオン獲得なし

■選手権ポイント(決勝レース):
 1位=20pt, 2位=15pt, 3位=11pt, 4位=8pt, 5位=6pt, 6位=5pt, 7位=4pt, 8位=3pt, 9位=2pt, 10位=1pt
※ランキングトップが同点で並んだ場合は、上位入賞回数の多い方がチャンピオン獲得

■今季成績(Rd.7までの入賞回数/*Rd.7は中止)
GT500 1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
入賞外
18小暮卓史/R.デュバル111


1
1
1
6伊藤大輔/B.ビルドハイム
1211




1
17金石年弘/塚越広大1

11
2


1
1脇阪寿一/A.ロッテラー
111

11
1
12松田次生/R.クインタレッリ1

2
1



2
23本山哲/B.トレルイエ
2


1
1

2
35石浦宏明/大嶋和也1


111
1
1
38立川祐路/R.ライアン
1
1
2

2

100伊沢拓也/山本尚貴

2
1

2
1
GT300 1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
入賞外
43新田守男/高木真一
3


2



1
7谷口信輝/折目遼2



11


2
74井口卓人/国本雄資12




11
1
3星野一樹/柳田真孝
11
3




1
46横溝直輝/阿部翼11


1
1

2
2加藤寛規/濱口弘11







4