2014.08.30

Rd.6 公式練習：MOTUL AUTECH GT-Rがレコード突破でトップ！GT300最速はMUGEN CR-Z

第6戦 鈴鹿サーキット : 公式練習レビュー

2014 AUTOBACS SUPER GT第6戦「43rd International SUZUKA 1000km」の予選日・練習走行が、8月30日午前、鈴鹿サーキット（三重県）で行なわれた。GT500クラスではNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（ロニー・クインタレッリ）が、1分49秒234とコースレコードを上回るタイムで最上位となった。GT300クラスはNo.0 MUGEN CR-Z GT（野尻智紀）が、こちらもクラスレコードを超えるタイムでトップとなった。

 

 

　前夜には雨に見舞われた鈴鹿サーキットだが、予選日となった8月30日の土曜は朝から快晴に。この週末最初のセッションとなる2時間の公式練習は、午前9時40分からドライコンディションで行われた。
　気温26℃、路面温度30℃でスタートしたこのセッション。序盤はアウト＆インを行うマシンが多い中、まずはNo.24 D'station ADVAN GT-R（ミハエル・クルム）、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F（石浦宏明）が連続走行に入り、クルムが1分50秒650を刻んでまずは計時モニターのトップに立つ。
　午前9時50分には序盤ピットで様子を伺っていたレクサス勢を含め、全車がピットを離れる状況となったが、ここでNo.19 WedsSport ADVAN RC F（関口雄飛）が1分50秒934で2番手に躍り出るも、間髪を入れずNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT（塚越広大）が1分50秒266をマーク。No.24 D'station ADVAN GT-Rを上回ってトップに浮上を果たす。
　ここから各陣営が精力的な周回を重ねるものと思われたが、その矢先の午前9時55分にスプーンカーブでベルトラン・バケットがドライブしていたNo.32 Epson NSX CONCEPT-GTがスピンアウト。バケットはコース復帰を果たすも、その直後に右リヤ付近から煙が出始めたNo.32 Epson NSX CONCEPT-GTは、瞬く間に車両火災に見舞われてしまう。
　このためセッションは赤旗中断。消火活動が続けられた結果、なんとか鎮火したもののNo.32 Epson NSX CONCEPT-GTは大きなダメージを負うこととなり、その後の走行は叶わなかった。

 

 

　セッションが再開されたのは午前10時09分。早々に1分50秒404をマークしたNo.12 カルソニック IMPUL GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）、続いて1分50秒378をマークしたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT（小暮卓史）が2番手を争う。さらにNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fが1分50秒329で2番手タイムを押し上げるが、トップはNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTのまま変わらず。
　しかし、午前10時17分にロニー・クインタレッリの駆るNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが、ただ1台50秒を切る1分49秒234を叩き出す。これは2007年に伊藤大輔がARTA NSX出した1分49秒842のコースレコードを久々に更新するタイムだ。これで、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTから首位の座を奪う。
　この上位陣の攻防の直後あたりから、各陣営ともにドライバー交代を絡めつつ、タイヤ評価やセットアップなどに集中することとなったためか、上位陣ではほぼタイム更新が見られなくなってしまう。このため、セッション開始から1時間が経過した午前10時40分の段階で、No.23 MOTUL AUTECH GT-R、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fがトップ3をキープすることに。
　徐々に気温、路面温度が上昇して行く中、午前11時04分にはNo.46 S Road MOLA GT-R（柳田真孝）がスロー走行。また、午前11時15分にはNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT（金石年弘）も、左リヤホイールが緩んでスロー走行を強いられたが、2台ともに無事ピットにたどり着くことが出来た。
　タイム更新のないこう着状態は続き、結局そのまま混走時間帯は終了。序盤の赤旗によって約15分間の中断となったが、セッション延長はなく、午前11時20分にGT300の専有時間帯となり、その後午前11時30分からはGT500の専有時間帯となった。
　ここではラスト3分になってようやくタイム更新が相次ぐ。まずはNo.24 D'station ADVAN GT-R（クルム）が1分50秒003で2番手に浮上しトップのNo.23 MOTUL AUTECH GT-RとともにGT-R勢の1－2体勢を築くが、すぐさまNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT（山本尚貴）、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT（金石）、No.8 ARTA NSX CONCEPT-GT（松浦孝亮）のNSX勢が49秒台に飛び込み、2〜4番手に浮上を果たす。
　そのままセッションは終了し、トップタイムはNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが獲得。No.8 ARTA NSX CONCEPT-GT、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT、No.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GTが2〜4番手を占め、No.24 D'station ADVAN GT-R、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fが5〜6番手となった。 　午後の公式予選に向け、さらに日差しが強まり暑さが増すことが想定されるが、より過酷なコンディションでどのマシンが速さを見せるか注目が集まる。

 

 

 

 

　GT500クラス車両に負けないほど、GT300マシンの進化も激しい。走行開始からわずか6分でMo.21 Audi R8 LMS ultra（リチャード・ライアン）が2分02秒030と、1分1秒台に迫るタイムを記録する。それから5分後にはNo.65 LEON SLS（黒澤治樹）が2分01秒833に。GT300クラスのコースレコード1分01秒481（2013年第5戦 BRZ／山野哲也）の突破は時間の問題と思われた。
　13分を経過した9時53分に、GT500車両に車両火災が発生。これで赤旗が提示され、処置と回収のために15分ほどの中断となった。
　再開後、10分でNo.0 MUGEN CR-Z GT（中山友貴）が1分01秒643とレコードに迫るタイムを叩き出す。これにNo.360 OKINAWA MSA・RUN UP GT-R（吉田広樹）が1分01秒825で続く。すぐに、ポールポジション獲得記録を持つNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの佐々木孝太が、1分01秒641のトップタイムを記録する。だが、15分後にはNo.0 MUGEN CR-Z GT（中山）がさらにタイムを上げ、1分01秒542で再度トップを奪う。この後しばらくは、第3ドライバーの走行やロングランを行った。コンスタントラップは上位陣で1分05〜07秒台と思われる。
　そして11時20分より10分間のGT300占有走行になる。この初っぱなでアタックを決めたのが、No.7 Studie BMW Z4（荒聖治）が17番手から1分01秒581で2番手に飛び込む。続いてセクタータイムを削って来たのが、No.0 MUGEN CR-Z GTの野尻智紀。計測ラインを駆け抜けて出したタイムは1分00秒531。レコードを大きく超えるスーパーラップだった。
　これで占有走行が終了。トップはNo.0 MUGEN CR-Z GT。常々僅差のGT300だが、野尻のタイムが吐出しており、2番手のNo.7 Studie BMW Z4とは1.050秒もの差がついた。3番手以降トップ6はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT、No.360 OKINAWA MSA・RUN UP GT-R、No.65 LEON SLS、No.31 OGT Panasonic PRIUS（新田守男）だった。ポイントリーダーのNo.11 GAINER DIXCEL SLSは13番手、ランキング2位のNo.4 グッドスマイル初音ミクZ4は21番手だった。

 

   

 

 

　朝の公式練習では、走りはじめから2種類のタイヤをテストしました。現在、どんな状況においてもタイムを出せるというクルマになっていますね。（序盤にGT500のコースレコードを破ったことに対して）フィーリングとタイムは、出てから、「あれ!?」っていう感じですね。もちろんプッシュはしましたけどね。でもクルマがタイムを出しやすい仕上がりになっているので、予想以上に速いと感じました。
　正直、レースはまだ始まっていないのでわからない部分もありますが、いいスタートは切れたと思います。ウレシイですね。（今季からのニューマシンで迎える初の1000kmとなるが）不安定、不透明な部分がたくさんあるのでどうなるかはわかりませんが、ロングも色々と試すこともできました。これからデータを見て、まずは予選に集中しないと。終わったら明日のレースの作戦を立てなきゃね。

 

　クルマもタイヤもとても順調です。本人はスーパーフォーミュラ（SF）直後だったので最初は乗り替えにとまどった部分はありましたけど、なんとか最後にタイムを出せたので良かったです。今までチームとミーティングを重ねてきたこともいい方向に向かっているので、ここで気を抜かずに、有利な状況を活かしてポールポジションを獲って、明日のレースは一番前からスタートしたいなと思っています。でも頑張りすぎるとタイムが落ちちゃうクルマなので、自分の中である程度ブレーキをかけつつ、ベストなところでプッシュしていきます。
　今回はアドバイザーの道上（龍）さんが第3ドライバーに登録されていますが、道上さんの存在が僕たちにとってプラスになっています。いまのところ、どういうタイミングで乗るかは分からないんですけど、本当に強力な助っ人ですよね。

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