2014 AUTOBACS SUPER GT第6戦「43rd International Suzuka1000km」の決勝日・フリー走行が、8月31日午前、鈴鹿サーキット(三重県)で行なわれた。8月最後の日曜、早朝から来場した多くの観客が見守る中、GT500クラスはNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮)が、GT300クラスではNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太)がトップタイムを記録した。
□フリー走行 天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:24度/27度>終了:25度/28度
夏らしい暑さとなった前日の予選日とは打って変わって、どんよりとした曇り空となったこの日の鈴鹿上空。気温24℃、路面温度も26℃とかなり涼しいコンディションとなる中、30分間のフリー走行が午前8時30分から行われ、午後の長丁場の決勝を睨みGT500マシンたちが精力的に周回を重ねることとなった。
前日の公式練習で車両火災に見舞われたNo.32 Epson NSX CONCEPT-GTも無事マシンが修復され、15台が揃ったフリー走行。午前8時30分にセッションが始まると、各車がいっせいにピットアウト。まずはニッサン勢が早々に好タイムを刻むこととなり、計測2周目にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が、1分53秒136、No.24 D'station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム)が1分53秒307でワン・ツーを形成する。
午前8時38分、計測3周目に入るとNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮)が1分52秒398で一時トップに立つが、これを1分51秒850をマークしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rが逆転。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがドライブするNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rも1分52秒695で3番手に浮上を果たすが、ちょうどその直後にNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(小暮卓史)がトラブルに見舞われたか、ヘアピンを立ち上がったあたりからスロー走行に。小暮はなんとかピットにたどり着いたものの、その後コースに復帰することは叶わず決勝に向け不安を残すこととなった。
午前8時39分にNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)が1分52秒128で2番手につけるも、その直後、午前8時40分にはNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GTが1分51秒374をマークしトップに。さらにNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rが1分51秒640で2番手につけるなど、トップ3は51秒台に突入することとなるが、このあたりでドライバー交代を行うマシンが増え始め、タイムは全体的に伸び悩むことに。
結局そのまま上位陣のオーダーは変わることは無く、午前9時にチェッカー。No.8 ARTA NSX CONCEPT-GTがこのセッションのトップを奪い、No.12 カルソニック IMPUL GT-R、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rのニッサン勢が2〜3番手。さらにNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT、No.24 D'station ADVAN GT-R、No.36 PETRONAS TOM'S RC Fが4〜6番手に続くこととなった。
決勝レースは1000km、6時間近くにも及ぶ長丁場。このフリー走行のタイム、順位も目安でしかない。「途中で雨の可能性も?」という予報もあるだけに、その展開はまったく予想できない。待望の決勝レースは12時15分スタートの予定だ。
開始から6分ほどでNo.9 国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR(アンドレ・クート)が2分02秒712と、ターゲットとなる1分2秒台に入れる。ここからトップタイムが周回ごとに削られる。まずNo.360 OKINAWA MSA・RUN UP GT-R(吉田広樹)が2分02秒020、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太)が2分01秒951と2分1秒台に突入。
だが、10分を過ぎると各車は第2、第3ドライバーの走行や決勝のセッティング確認などに入ったのか、ラップタイムは2分04〜10秒台での走行となった。
結局、残り20分で上位に大きな変化はなく、このセッションのトップタイムはただ1台1分1秒台に入れたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTとなる。2番手にはNo.360 OKINAWA MSA・RUN UP GT-R、以下No.2 シンティアム・アップル・MP4-12C、No.9 国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DR、No.21 Audi R8 LMS ultraがトップ5となった。その後ろ6番手には、ランキング2位のNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4は2分02'03.127でつけた。ランキング1位のNo.11 GAINER DIXCEL SLSは17番手。
ポールポジションと予選2位のNo.55 ARTA CR-Z GT、No.0 MUGEN CR-Z GTは、セッション序盤はセット確認に終始し、後半はコンスタントに2分4〜5秒で走行。ポジションは20番手、24番手に留まった。予選3位のNo.31 OGT Panasonic PRIUSは、後半に中山雄一がドライブし、コンスタントに2分03秒台を連発。第3ドライバーとして決勝のキーマンになりそうだ。
松浦孝亮(No.8 ARTA NSX CONCEPT-GT)
「最後までしっかりと走り切りたい」
燃料満タンの状態でコースインしたのですが、あのようなタイムが出るとは思いませんでした。今、クルマの状態はいいですね。一方で、Honda車として昨日からトラブルも若干出ているんですが、まずはレースで最後まで走り切ることができれば、いいポジションにたどりつくと思う。あと今朝のフリー走行では予選ほどミシュランが強くなかったのが印象に残りました。とはいえ、ブリヂストン勢にとってはミシュランとの戦いになることは間違いないので、そこで踏ん張っていきたいですね。
1000kmレースは、フィジカル的にもものすごくタフだし、このタイムでレースを続けるのは結構キツいと思います。それに雨が降る可能性もあるでしょうし、色んなところで落とし穴がいっぱいあるので、最後までしっかりと走り切りたいですね。
佐々木孝太(No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT)
「決勝に向けたセットを確認。タイム的には狙いどおり」
昨日の公式練習の時のセットアップがあまり良くなくて、予選に向けてセットを大きく変更したんです。フリー走行では予選で使ったセットを決勝に向けたものにアジャストして走りました。タイム的には狙いどおりですし、悪くないです。ただ、路面温度が思いのほか低いので、そのなかでいかにタイヤを合わせていけるかなと。問題はそこですね。あとは決勝までに、1000kmを安定して走れるクルマに仕上げていきたいと思います。
前回(第5戦富士)の優勝は天候やミシュランタイヤに助けられた部分もありましたが、この鈴鹿こそチームの底力を見せる時だと思っている。チームとともに前回の優勝がフロックではないことを証明したいと思います。楽なレースではないと思いますが、きっちり走って、勝って、チャンピオンにより近づきたいですね。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
8/31-9/01 | Round5 SUZUKA | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI |