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Race Report
2014.09.26
タイでSUPER GT初開催!未知のコースで勝利の名を刻むのは!?

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第7戦 チャン・インターナショナル・サーキット : プレビュー

SUPER GTの海外戦、今年は10月4、5日にタイのチャン・インターナショナル・サーキット(旧名:ブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキット)で開催される。チャン・インターナショナル・サーキットは完成したばかりの真新しいサーキットで、このSUPER GT第7戦「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」がビッグレースとしてこけら落としとなる。当然、ドライバーもチーム、タイヤメーカーにとっても未知のコース。それだけにレース展開も優勝候補もまったく見えない。一方で、シリーズも佳境を迎え、この第7戦を入れても残り2戦。この結果次第ではタイトル候補も絞られるだけに目の離せない一戦となりそうだ。

 

■未知のコース、ブリーラムはもてぎに似ている!?

 第7戦の舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットは、首都のバンコクからクルマで6時間ほど。カンボジア国境に近い地方都市ブリーラムにある。この第7戦がオープニングレースとなるだけに、当然SUPER GTドライバー全員が未経験のコースであり、どんなコースであるかはレイアウト図など資料から読み解くしかない。
 全長4.554kmのコースは、F1コースを多く手掛けているティルケによる設計。メインストレートから1コーナーを抜けると約1000mの直線(中央に緩いコーナーあり)で、折り返して、またストレートという前半は高速エリア。その後はインフィールドとなり、テクニカルなコーナーが連続。終盤はまた短いストレートから鋭角な最終コーナー、そしてメインストレートというレイアウトだ。地形から見る限り、大きなアップダウンはない。あくまでもコース図からの雰囲気ではあるが、フラットなツインリンクもてぎという印象だ。

 

 

■レイアウトではNSX CONCEPT-GTが有利か?

 となると、コース的に有利と思われるのはNSX CONCEPT-GTだろうか? 第6戦鈴鹿1000kmでも表彰台に上がり、大逆転チャンピオンを狙うNo.18 ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)やレース序盤をリードしたNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘)らを中心に注目したい。
 また、このレースからウェイトハンディがポイント×1kgとなるため、ドライバーズランキングのトップに立つNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)や同2位のNo.37 KeePer TOM'S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ)は、戦闘力がここ数戦よりアップするかも。この2チーム共に、この一戦の結果次第で最終戦の戦い方が大きく変わるだけに、確実に上位を、できれば表彰台を狙ってくるはず。
 また、ランキング3位のNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)はもちろん、ポイントがトップと25点差、ランキング7位のNo.1 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平)まではこの一戦次第で十分タイトルのチャンスはあると言えよう。こちらは必勝の気合いで挑むだろう。

 

 

 そして第7戦は、コースが初開催ならタイでの開催も初。つまり、歴史に残る一戦である。タイトル争いもあるが、やはりその名誉も魅力的。どのチームも全力を挙げての戦いになりそうだ。
 できたばかりの新設コースだけに事前のテストはなく、各タイヤメーカーとしても、わずかなデータと推測だけでタイヤを持ち込んでいる。現地の気温は10月でも27〜30度で、雨季の最後の時期。過去にマレーシアのセパンサーキットでもあったが、タイヤの“当たり/外れ”が出ることも予想され、波乱の展開もあるかも……。

 

 

 

■GT300はBRZとハイブリッドが有利か? しかし……

 GT300クラスでは、ドライバーズランキングトップのNo.4 グッドスマイル 初音ミク Z4(谷口信輝/片岡龍也)と同2位のNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)が一歩抜け出した感がある。だが、こちらもこのタイでの一戦次第では大きく状況が変わるかもしれない。
 コースレイアウト的にはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人)が車両の特性として合っているかもしれない。また、ハイブリッド車勢も得意かも。ことにランキング8位のNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)がここで今季2勝目を挙げると、最終戦でタイトル争いに加わる。当然、前戦優勝のNo.60 TWS LM corsa BMW Z4(飯田章/吉本大樹)も連勝を狙ってきそう。なんと言っても第7戦で優勝しても最終戦は原則ウェイトハンディはなし(車両として全戦参戦が前提)。ならば勝っておかなければ損というもの。このコース最初の優勝者という名誉もあるだけに、レースはホットな展開となるだろう。

 

 

 そして、このタイ戦に2台の地元チームが、スポット参戦する。1台は先の第6戦鈴鹿でお披露目されたGT300用マザーシャシー/86モデルを使用するNo.194 arto-MC86(土屋武士/NATTAVUDE CHAROENSUKHAWATANA)だ。テスト後すぐに未知のコースでデビュー戦と厳しい環境ではあるが、活躍に期待したい。そして、もう1台はポルシェで参戦するNo.99 i MOBILE AAS(VUTTHIKORN INTHRAPHUVASAK/アレキサンドレ・インペラトーリ)。SUPER GTで優勝しているインペラトーリがいるだけに良いレースをしてくれるだろう。

 

 

 新たな国、タイでの初レースという記念すべき一戦で勝利の名を刻むのは果たして誰か? そしてタイトル争いの行方は? 未知のサーキットでどんなレースが展開されるのか? などなど、注目点が多彩にある第7戦「BURIRAM UNITED SUPER GT RACE」。現地へ行けない方は、J SPORTSやテレビ東京系のGTプラスをお楽しみに。SUPER GT全戦中継のJ SPORTSでは、10月4日(土)午後4時45分から予選を、翌5日(日)午後4時30分より決勝を放映する。

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