3月15日、岡山国際サーキットでは前日に引き続いてSUPER GTの公式テストが行われ、GT500ではNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが、GT300ではNo.11 GAINER TANAX SLSがトップタイムをマークした。この日は、朝からドライコンディションに恵まれ、各チームは3週間後の開幕戦に向けてタイヤの選択やマシンのセットアップなどに精を出した。
◎走行1回目 09:00-11:10(09:00-09:10はSC訓練)
天気/曇り 路面/ドライ
気温/4℃〜10℃ 路面温度/7℃〜16℃(開始時は4℃/7℃)
◎走行2回目 13:35-15:50(13:35-13:50はスタート練習)
天気/曇り 路面/ドライ
気温/12℃〜14℃ 路面温度/18℃〜20℃(開始時は14℃/19℃)
昨年のチャンピオンがトップタイムも上位は僅差
雨の影響が残り、ウェットコンディションで始まった前日とは一転、同じ曇り空の下だがドライコンディションで始まった2日目午前の走行セッション。開始時の気温と路面温度は4℃/7℃。セッションは予定通り午前9時に始まった。実は最初の10分間はセーフティカー訓練が予定されていたが、実際にスピンするクルマが出て、コースインしたセーフティカーで訓練が行われた。
そして、午前9時10分からは通常の走行セッションとなるが、そこからおよそ30分を経過したところで、No. 19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛)がコースサイドでストップしてしまう。さらに10分ほど経ったところで、今度はNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が1コーナーでクラッシュ。アプローチで少し向きを変えたものの、そのままコースとグラベルを突っ切ってスポンジバリアに突っ込んでしまった。幸い、ドライブしていた安田は自分でマシンから降りて無事。マシンのダメージもさほど酷くはなかったが、この場で修復するには足りないパーツもあり、チームはここで公式テストを終えることを決断した。
この後は大きなアクシデントもなく、各車ともメニューに沿って周回を重ねていく。レクサスとHonda、日産の各陣営で、交互にアタック時間を決めている訳ではないだろうが、RC Fが上位に並ぶタイミングがあったかと思えば、GT-R勢が巻き返して上位を占め、また再びRC Fが逆転するといった展開が続く。トップにこそ立っていないもののNSX CONCEPT-GT勢もトップから僅差で、4〜5番手のポジションをコンスタントにキープしていた。
このセッションは開幕戦に向けて期待が高まる展開となったが、結局、昨年のチャンピオンNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がトップタイムをマークして終了。なお、セッション終了時点での気温と路面温度は、それぞれ10℃/16℃にまで上昇していた。
午後はWedsSport ADVAN RC Fを筆頭にレクサス勢が好調
この日2回目のセッションは、予定より5分遅れて午後1時35分に始まった。この時点での気温と路面温度は、それぞれ14℃/19℃。走行セッションに先駆けて、まずはグリッドからのスタート練習が行われた。この際、開幕戦でもスタートの先導が予定されている岡山県警察本部の白バイとパトロールカーも参加しての練習となり、コースサイドに陣取った熱心なファンからは大きなエールが送られていた。
午後のセッションも午前と同様、RC F勢とGT-R勢が攻守所を変えながらの周回となったが、まずはNo.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛)が1分20秒台に入れタイミングモニターの最上位につける。No.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資)、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)と続き、No.46 S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝)を挟んでNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)とNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)が続きRC F勢が上位を独占する状況が続いた。
セッション開始から1時間近くが経過した午後2時30分と2時42分、立て続けに赤旗でセッションが中断するが、ともに停まったマシンを回収するとすぐにセッション再開となる。その後は大きなハプニングもなく午後3時50分に予定通りチェッカーが振られてセッションが終了した。
結局、No.19 WedsSport ADVAN RC Fがトップのままセッションを終えることになった。ただし午前の結果と合わせた1日の総合結果では、午前の1、2番手のNo.1 MOTUL AUTECH GT-R、No.36 PETRONAS TOM'S RC Fがそのままワン・ツーに。午後のトップNo.19 WedsSport ADVAN RC Fが3番手になった。
GT300は前日に続いてGAINER TANAX SLSがトップ
GT300クラスは昨日もトップタイムだったNo.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)が、この日も両セッションでトップタイムをマーク。注目すべきはNo.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢/ステファン・オルテリ)で、午前のセッション2番手で総合結果でも2番手となっている。チームを束ねる鬼木秀和エンジニアは「(車両は違うが)去年のマシンから大きな変更はない」としながらもブランパン耐久シリーズなどでアウディで活躍している有力チーム「WRT」からのサポートが早くも結果に結びついたようだ。
そしてNo.77 KSF Direction Ferrari 458(横溝直輝/峰尾恭輔/飯田太陽)が午後のタイムで総合3番手。話題のGT300用マザーシャシーでは、No.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)が午後の4番手、総合10番手と健闘をみせて注目を浴びていた。
ロニー・クインタレッリ(No.1 MOTUL AUTECH GT-R)
「決勝でのパフォーマンスには自信があります」
今日は午前中にショートラン(周回数を短く、何度も走る)でタイヤをチェック(選択)して、午後は(松田)次生さんがロングランのテストをしました。だから午前のベストタイムは、予選のようなタイムアタックで出た、というタイムではないですね。ここでの一発の速さはちょっと物足りなかったのですが、午後のロングランでは良い手応えを掴むことができました。アベレージタイムは良かったと思います。今シーズンのGT-Rはクルマとして(他のタイヤを装着するNo.12とNo.24も含めて)良い流れで来ていると思います。ここまで大きなトラブルもなかったし、バランスも悪くないです。だから開幕へ向けての手応えはありますね。この後、富士でテスト(3月23〜24日のメーカーテスト)がありますが、こちらは富士用のデータ取得になると思うので、今回の岡山テストで得たデータで開幕戦に臨みます。後は一発の速さをもう少し磨くことができたらね。決勝でのパフォーマンスには自信がありますから。
平中克幸(No.11 GAINER TANAX SLS)
「テストでは順位は重要じゃないと思っている」
感想としては昨日と同じです。他チームのメニューが分からないから、果たして(ライバル車)本来のポテンシャルがどうなのかが判断できないんです。もちろん嬉しくない訳じゃないですけどね(苦笑)。それでもタイヤ開発とマシンのセットアップの方向性が(間違っていないことが)確認できたのは収穫ですね。良いタイヤが見つかったことも大きな収穫です。もちろんこれで安心するわけにはいきません。セットアップにしても方向性が確認できただけで、本当の煮詰めはこれから。GT-Rは相変わらず速いし、アウディ(No.21)もワークス体制なのかどうか分かりませんが、急に速くなった。マザーシャシー勢も、今日がシェイクダウンに近いはずなのに、そこそこのタイムで走っていたじゃないですか。まったく安心なんてできないです。今回のテストは、正直いって順位は重要じゃないと思っているので、むしろ不安の方が大きくなりました。でも、勝負はここから。今日の結果から、どれだけクルマを速くできるか、にかかっています。がんばって開幕戦でも良いポジションにつけたいですね。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |