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Race Report
2015.03.23
【メーカーテスト富士・1日目】カルソニックIMPUL GT-Rがトップ!GT300はPRIUSが最速

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開幕戦まで2週間を切った3月23日、富士スピードウェイではメーカー合同テストが2日間の予定で始まった。初日となったこの日は、午前10時からと午後2時から、それぞれ2時間ずつの走行セッションが行われ、参加した各チームは精力的にテストメニューを消化した。なお、2日目の24日は少しタイムスケジュールが変わり、午前が9時半から2時間、午後が1時半から2時間のセッションが予定されている。

 

◎走行1回目 10:00-12:00
 天気/曇り時々晴れ 路面/ドライ
 気温/9℃〜12℃ 路面温度/12℃〜17℃(開始時は9℃/12℃)
◎走行2回目 14:00-16:00
 天気/曇り時々晴れ 路面/ドライ
 気温/11℃〜14℃ 路面温度/15℃〜20℃(開始時は14℃/19℃)

 

第2戦に向けたタイヤテストが主となった午前

 前日はひと雨あったが、この日は早朝から、雲の合間に晴れ間が拡がる空模様で明けた。学校が春休みを迎えたこともあってか平日にもかかわらず、富士スピードウェイには多くのファンが詰めかけた。雨の心配はなく、完全なドライコンディションで午前10時に1回目の走行セッションが始まった。この時点での気温と路面温度は9℃/12℃。セッションを通じて穏やかな陽射しがコースを照らし、セッション終了時には、それぞれ12℃/17℃まで上昇していた。
 今回は、5月に行われる第2戦に向けてのタイヤ選択と確認に加えて、GT500に関しては5月と8月の富士ラウンドで使用される、ロードラッグ仕様のボディワーク/空力パーツの最終確認もテストメニューに加わっている。もちろん、1週間前に岡山国際サーキットで行われた公式テストで消化しきれなかった課題を抱えていたチームもあったが、いずれにしても予選シミュレーションの様なアタックは行っていないようだ。各チームは、選んだタイヤを装着して確認とロングランを繰り返すことになった。
 幾つかのチームはトラブルから序盤はピットにとどまるシーンも見られたが、セッション中盤以降は各車快調に周回を重ねた。結果、GT500勢は僅かのタイム差の中に10台以上がひしめき合う状況で、岡山での開幕戦や富士の第2戦での接戦を予感させる結果となった。
 この午前のセッションではNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)が1分28秒981のトップタイムをマーク。昨年の第2戦でマークされたコースレコード(1分28秒799)には僅かに及ばないだけの好タイムだった。トムスの東條力エンジニアは「気温が低いですからね、まぁこんなもんでしょう」と語る。No.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資)を挟んで3番手にはNo. 64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)がつけ、平野亮エンジニアは「今年はセパンから好調で、寒い富士でも良い感じで走れています」と顔をほころばせていた。

 

 

午後は2回の中断で不十分となったレースシミュレーション

 多くのファンでにぎわったオープンピットを終え、午後2時から2回目のセッションが始まった。コースは引き続き完全ドライ。開始時点では気温14℃/路面温度19℃と、午前のセッションスタート時に比べてずいぶん暖かくなっていたが、気温/路面温度ともにゆっくりと下降し、セッション終了時点では11℃/15℃となっていた。
 午前のセッションと同様にロングランを行いレースセットを確認。またタイヤライフを確認する作業に、各チームが専念したようだ。午前中にも2番手タイムと好調ぶりを見せていたNo.6 ENEOS SUSTINA RC Fが早々と1分29秒台に入れ、タイミングモニターの最上段に名を記す。その後何台ものマシンが入れ替わり立ち替わりでモニター上を行き来したが、セッション中盤以降はNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が1分28秒台に入れてライバルを上回る。オフに指をケガし、心配されていたデ・オリベイラが見事な走りを見せた。ただしTEAM IMPULの高橋紳一郎テクニカルディレクターは「セッティング的には悪くないけど、ロングができなかったかななぁ」とちょっと浮かぬ顔。そう、セッションも後半になって赤旗が2度も出てしまい、多くのチームでレースを想定したロングラップのテストができなかったのだ。
 結局、午後のタイムはNo.12 カルソニック IMPUL GT-R、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀)、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)の順となった。総合でもNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが初日のトップとなった。

 

 

 

 

GT300は午前のタイムでTOYOTA PRIUS apr GTが総合トップ

 

 

 GT300クラスも第2戦に向けてのタイヤテストが大きなメニューとなり、予選を想定したタイムアタックは行われず、タイム的にもコースレコードのコンマ7秒〜1秒落ちで推移した。その一方で各車のタイム差は僅かで、GT500以上に期待の高まる内容だった。
 午前のセッションでNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太)がマークした1分37秒408がこの日の総合ベストタイムとなった。午後のセッションでは「まだまだ発展途上」と水谷章代表が謙遜する、No.77 KSF Direction Ferrari 458(横溝直輝/峰尾恭輔/飯田太陽)がトップタイムをマークしている。

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)

「クルマの調子が良いのは間違いないよ」

クルマの調子はよかった。フィーリングもいいし、バランスも悪くなかったね。だから良いタイムが出せたのだけど、僕にとっては、ある意味ベストアタックではなかった。実は今回が今年のファーストドライブで、ケガした手をかばいながらの走行だったんだ。それにロングラップを走ってないから、タイヤのライフも確認できてなければ、ケガした手でどのくらい周回できるかもわからない。まぁ明日はロングラップできるだろうから、タイヤのライフは確認できると思う。それで、僕の手も、何ともなければ良いね。まぁクルマの調子が良いのは間違いないよ

 

GT300クラス・トップタイム

中山雄一(No.31 TOYOTA PRIUS apr GT)

「トップタイムと言っても安心はできません」

マシンに少しずつ慣れてきて、上手く走ることができました。ただトップタイムと言っても、周りのチームのテストメニューが分からないので、安心はできませんね。それでも岡山の予選に向けて、良い予行演習になりました。このクルマには去年、何度か乗っているのですが、その時に比べてクルマも進化しているしタイヤも変わっていて、僕自身はまだ評価できる段階にはないですね。まずはどうやってグリップを出そうか、とか考えながら乗っているだけです。今日はトラブルもあって、思ったよりも走り込めなかったのですが、それでも少しずつクルマに慣れてきているので、これからタイヤを持たせる走りができるように、一歩一歩進めていきたいですね

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