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Race Report
2015.07.25
【公式テストSUGO・1日目】RC F勢がトップ3!PETRONAS TOM'S RC Fがトップタイム。GT300はロータスが最速

【公式テストSUGO・1日目】RC F勢がトップ3!PETRONAS TOM'S RC Fがトップタイム。GT300はロータスが最速の画像

各地から梅雨明けのニュースが届き、いよいよ夏本番となった7月25日、スポーツランドSUGOでは今年2回目となるSUPER GT公式テストが始まった。初日のこの日は午前と午後、それぞれ2時間ずつのセッションが行われた。GT500クラスは、午後のタイムでNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)がこの日のトップタイムとなった。GT300クラスは、マザーシャシーのNo.2 シンティアム・アップル・ロータスが最速となった。また、午後のセッションではアクシデントも多く、終盤のクラス占有走行ができなかったため、明日、2日目の午前のセッションを延長して行われることになった。

 

◎走行1回目 10:00-12:00
 天気/曇り 路面/ドライ
 気温/28℃〜31℃ 路面温度/30℃〜36℃(開始時は28℃/30℃)
◎走行2回目 14:30-16:13
 天気/曇り 路面/ドライ
 気温/28℃〜30℃ 路面温度/31℃〜34℃(開始時は30℃/34℃)

 

午前はSUGO得意のZENT CERUMO RC Fが最速に

 前夜から未明に降った雨でコースは濡れ、セッションのスタート前にはウェット宣言が出されていたスポーツランドSUGO。だが、折からの暑さで開始時点でほぼドライコンディションとなり、一部のマシンがウェットタイヤでスタートしたものの、ストレートを通過することなくピットに戻ってきてドライタイヤに交換。事実上、ドライタイヤでセッションはスタートすることになった。
 セッション開始から16分ほど経ったところで、コース上の落下物を回収するために赤旗が提示され、この日最初のセッション中断。さらに10時25分、同35分、同51分、と立て続けに赤旗中断となり、なかなかリズムに乗り切れない展開となった。
 タイミングモニターの上位にはLEXUS RC F勢が並び、好調さをアピールする。まずはNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/ジェームズ・ロシター)がトップに立ち、それをNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)が逆転する展開で、ライバルに付け入るすきを与えない。Honda NSX CONCEPT-GT勢ではNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)がRC F勢の一角に食い込んでいたが、日産GT-R勢はなかなかタイムが伸びずにトップ10圏内を出たり入ったり、という状況だった。

 もっとも今回のテストは9月の第6戦SUGOに向けて、というだけでなく2週間後に行われる第4戦の富士、そして週明け水曜日から鈴鹿で行われるタイヤテストに参加しないチームにとっては、第5戦となる真夏の鈴鹿1000kmに向けてのテスト、という意味合いもあり、各陣営がどのようなマシンの状況であるか、ウェイトハンディを何kg搭載し、また燃料リストリクターを絞っているのか否か、などが不明であり、さらにどのレースに向けたどんなテストメニューしているかもまちまち。今回のタイムがそのまま、次戦以降を占う判断材料となりえないのは明らかだ。加えて、9月下旬の第6戦SUGOに対しては路面温度などコンディションが違い過ぎるのでは、との観測もあったが、初日の気温/路面温度は予想していたほどには上昇せず、結果的には9月の第6戦に備えたタイヤテストに相応しいコンディションとなった。
 このセッションで明らかとなったのがGT500マシンのスピードアップぶり。昨年のSUGO大会(7月19、20日。第4戦)は公式予選がウェットコンディションであったため、決勝レースでのベストタイムがレースウィークのトップタイムとなり、山本尚貴(Honda NSX CONCEPT-GT)の1分13秒667がコースレコード。午前のセッションでは15台中14台が、このタイムを更新していた。その中、セッション中盤にSUGOを得意とするZENT CERUMO RC Fの立川祐路が1分12秒156を記録し、午前の走行のトップタイムとなった。

 

 

午後は多くのチームが決勝に向けたテスト。最後は赤旗で終了

 赤旗中断が繰り返された午前のセッションとは一転、午後のセッションは順調に推移し、各車予定通りにロングラップの走り込みを続けることになった。走り始めるとすぐに、上位陣は1分12秒台前半をコンスタントにマークする。そしてセッション開始から30分ほど経ったところでNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fの伊藤が1分12秒の壁を破ってくる。さらにその数周後には1分11秒728まで詰め、好調さをアピールする。午前のトップタイムをマークしていたNo.38 ZENT CERUMO RC Fは、今度は石浦のドライブで11秒台に入れるがNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fには一歩届かず2番手に留まっていた。
 そうした展開の中、GT500とGT300の混走もあと少しとなったところでアクシデントが発生。3コーナー先でコースアウトしたGT300のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが、スポンジバリアーにクラッシュ。この際に車両火災が発生。セッションは赤旗で中断となり、結局そのまま終了。引き続いて行われる予定だったGT500/GT300両クラスの専有走行は、明日、テスト2日目の午前のセッションに引き続いて行われることになった。

 

 

 

 

GT300はロータスと86のマザーシャシー勢が好調

 

 

 エンジンパワーでハンディがあるマザーシャシー勢にとって、スポーツランドSUGOは得意とするコースの一つ。それを証明するように、No.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘)が、午前と午後、2回のセッションでともにトップタイムをマークした。
 「燃料も少なくて軽かったから…」とコメントしたNo.2 加藤だったが、午前のセッションではただ1人、1分20秒台に入れ、佐々木孝太(SUBARU BRZ)が持つコースレコードを更新。午後のセッションでNo.2 シンティアム・アップル・ロータスはさらにタイムアップし、1分20秒の壁を破って、最終的には1分19秒320まで詰めている。
 これに続いたのはNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允/谷川達也)で、午後のセッションで土屋が1分20秒109まで詰め、こちらもコースレコードを更新する好タイムだ。このようにマザーシャシー勢がワン・ツーとなる活躍ぶりだった。
 なお、午後のセッション終盤にクラッシュしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)だが、クラッシュの際に燃料ラインが切れたために出火となり、ドライバーの山内は無事だったものの、マシンのダメージは大きくかった模様。明日のテストはキャンセルとなり、第4戦富士に向けて急ぎの修復作業に入るとのことだ。

 

 

 

 今回の公式テストは入場料が2000円となっているが、9月に行われる第6戦の前売り券を提示すれば入場無料となる。明日、2日目の走行は1回目が午前9時から11時20分となり、11時から10分間はGT300専有走行、引き続き11時10分から10分間はGT500の専有走行となる。午後は1時20分から10分間のSC訓練に続いて、1時30分から3時30分まで、2時間の走行セッションが予定されている。

 

 

GT500クラス・トップタイム

伊藤大輔(No.36 PETRONAS TOM'S RC F)

トップタイムをマークした周は、遅いクルマに引っ掛かっていたので、それがなければあとコンマ2〜3秒は詰めることができたはず。いずれにしてもアドバンテージがあるんだと、手応えを掴むことができました。ただしライバルもウェイトをかなり積み込んでいるみたいだし、何台かは燃料リストリクターも絞っているみたいだから、これがそのまま、この後のレースで差になってくるかは分かりませんね。でもうちのクルマに関して言えばパワーが出ているのも実感できたし、ポテンシャルあるタイヤも見つけることができました。クルマが(富士仕様になるから)全く同じという訳じゃないけど、第4戦の富士に向けて、いい確認ができました

 

GT300クラス・トップタイム

加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)

前回のタイから(改善に向けて)見えてきたことがあって、それを確認するのが今回の最大のメニュー。以前、ここでテストして手がかりを掴めて、タイに繋がっていたから、国内に戻って同じSUGOでテストしよう、ということになりました。低速から中速、高速とそれぞれをバランスさせるために、ジオメトリーも少し見直しています。どのレースに向けて、というよりも基本的なセットアップの確認で、燃料も多く積んでなくて軽いから、大喜びしている訳じゃありませんが、それでも今回は大きな手応えを掴むことができました

 

 

 

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