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Race Report
2015.07.26
【公式テストSUGO・2日目】最終日もRC F好調!ZENT CERUMO RC Fが最速となる。ロータスはGT300完全制覇

【公式テストSUGO・2日目】最終日もRC F好調!ZENT CERUMO RC Fが最速となる。ロータスはGT300完全制覇の画像

7月26日、スポーツランドSUGOでは前日に引き続いてSUPER GTの公式テストが行われ、GT500ではNo.38 ZENT CERUMO RC Fが、GT300ではNo.2 シンティアム・アップル・ロータスがトップタイムをマークした。朝から好天に恵まれ猛暑のドライコンディションとなる中、各チームはSUGOでの第6戦だけでなく、2週間後に行われる第4戦の富士、そして第5戦の鈴鹿1000kmに向け、タイヤの選択やマシンのセットアップなどに精を出していた。SUGOでのテストはこの日が最終日となる。

 

◎走行3回目 09:00-11:20
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/30℃〜36℃ 路面温度/40℃〜50℃(開始時は30℃/40℃)
◎走行4回目 13:20-15:25(13:23-13:35はSC訓練)
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/30℃〜34℃ 路面温度/45℃〜53℃(開始時は34℃/51℃)

 

午前はZENT CERUMO RC Fの立川がベストタイム

 白く厚い雲が空を覆っていた前日とは一転、公式テスト2日目は好天で迎えた。高く拡がった青空からは真夏の強い日差しがコースを照らしつけ、この日1回目のセッション(セッション3)が始まる午前9時には気温がすでに30℃に達し、路面温度も40℃まで上昇していた。
 このテストでは、次戦となる第4戦富士から投入される今季2基目のエンジンをテストするマシンもあれば、No.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)のように1基目のエンジンで燃料リストリクターを絞った条件で走るマシンもあり、さらには2か月先の第6戦SUGOまでを見越して限度一杯のウェイトを搭載するマシンもあるようで、各車の条件は様々。その中でも6台のLEXUS RC Fは前日に続き好調で、速いラップタイムで周回を重ねていった。
 一方、GT-R勢だが、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)とNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)の2台は次戦富士から燃料リストリクターを1ランク絞られることが決まっている(ウェイトハンディが50kgを超えたため、50kg分をリストリクターのダウンで対応)。NISMOの鈴木豊監督は「リストリクターを絞って、さらに相当量のウェイトを積んでいます」と語り、一発の速さではなくレースラップを見越したタイヤ選択とセットアップに精力を注いでいる。このため、ポジション的には下位に沈んでいた。またNSX CONCEPT-GT勢も、レースラップを見越してセットアップを進める作戦のようだが、No.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)は用意したタイヤがマッチしたのか、暑いコンディションに水を得た魚のように1分12秒台前半の好タイムを連発。RC F勢に割り込む走りで、気を吐いていた。

 当初、この日の1回目のセッションは午前9時から11時の予定だったが、前日キャンセルされていた、GT500/GT300それぞれ10分ずつの専有走行時間帯が追加され、セッション終了は午前11時20分。この時点では気温36℃、路面温度は50℃にも達しており、真夏のSUGOらしい猛暑・酷暑のコンディションとなった。このセッションでのトップタイムはNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)で1分12秒058。これにNo.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資)、No.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/J.ロシター)、No.37 KeePer TOM'S RC FとLEXUS RC F勢が続き、5番手にNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT。ただし、ここSUGOでのレース本番は2か月先の9月下旬。その時点でのコンディションをどう読むか、興味は尽きない。

 

 

午後はZENT CERUMO RC Fの石浦が1分11秒台に突入

 午後のセッション(セッション4)は、午後1時20分にスタート。開始とともに、各車はピットを後にコースインし、セーフティカー(SC)訓練を行う。そして、午後1時35分から通常の走行セッションとなった。セッション開始時点での気温と路面温度は、それぞれ34℃/51℃。その後気温は低下する傾向となる。だが、強い日差しで照りつけられたこともあって、路面温度は終盤、53℃まで上昇。マシンにもドライバーにも、そしてもちろんタイヤにとってもタフなセッションとなった。その影響もあったのだろうか、午後のセッションでは3度の赤旗中断があり、3度目の赤旗中断でそのままセッション終了となった。
 午後のセッションでもRC F勢の速さは変わりない。それどころかNo.38 ZENT CERUMO RC Fは石浦のドライブで1分12秒の壁を破ってこの日の自己ベストを更新する1分11秒962で、この日の総合ベストタイムとなった。午前中は立川がベストタイムをマークしており、2週間後に富士スピードウェイで行われる第4戦での反撃に死角はなさそうだ。またこのセッションではNo.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛)も1分12秒台前半をマーク。2日目の総合順位で6番手につけることになった。
 GT-R勢ではディフェンディングチャンピオンのNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが午前の自己ベストを2秒近く更新したが、「午前と同じく午後もロングのテストメニューでした。(好タイムがマークできたのは)良いタイヤが見つかった。それだけです」とロニー・クインタレッリは淡々とコメントした。

 この日は午前・午後を通じてアクシデントが多く、午前中には4回、午後には3回の赤旗中断があった。3陣営それぞれにアクシデントに見舞われるマシンがあったが、これも気合いが貼った証拠だろう。第4戦富士から第5戦鈴鹿1000km、第6戦SUGOと続く“真夏のGT3連戦”がいよいよ楽しみになってきた。
 なお、この後鈴鹿のタイヤテストが7月29日(水)、30日(木)の両日実施される(公式テストではないので、今回のようにGT500全車というわけではない)。走行時間は両日ともに午前9時から11時、午後1時から3時と2時間のセッションが計4回予定されていて、“真夏の3連戦”の行方を占う上でも重要なテストとなるはず。遊園地料金のみ(中学生以上で1700円)で観覧が可能だが、第5戦・鈴鹿1000kmの前売り券を提示すれば入場が可能だ。

鈴鹿サーキット「SUPER GT 一般公開タイヤテスト」情報は下記より
SUPER GT 一般公開タイヤテスト | 鈴鹿サーキット

 

 

 

 

GT300は前日に続いてNo.2 ロータスが2セッションを制する

 

 

 GT300は前日に続いてNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘)が総合トップとなった。初日午前のセッションから2日目午後のセッションまで、4回のセッションすべてでトップタイムをマークしている。マザーシャシー勢に向いたレイアウトと思われるSUGOということを差し引いても、その速さは注目すべきところとなった。
 ただし、2日目の総合タイムで2〜3番手には、マザーシャシー勢/JAF-GT勢を抑えてNo.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/富田竜一郎)とNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)、2台のGT-R GT3が着けている。「今はもう、一発のタイムはまったく気にしていません。考えているのはレースラップで(予選タイムに比べて)どこまで踏ん張れるか、だけです」と前日からNo.3 星野はコメントしていたが、この日の結果からは次回、2週間後の第4戦富士で、3戦連続のGT-Rのワン・ツー・フィニッシュの可能性さえ感じさせる結果となった。

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

石浦宏明(No.38 ZENT CERUMO RC F)

 今回は、リストリクターなし(ハンディ50kg想定のダウンをせず)で、ウェイトをそれなりに積んだ状態で走りました。2日間を通じてフィーリングは良かったですね。タイから着実にレベルアップしていると実感できました。トップタイムをマークできたこと自体は、ライバル(のテスト設定)がどうなのかもあります。リストリクターを絞っているクルマも多いみたいだし、ウェイト(ハンディ)も随分積んでいるだろうし…。だからライバルに比べてどうのこうのではないですが、自分たちの中でクルマが良くなった、とハッピーなテストになりました。
 チャンピオン争いをするためには、次回の富士は優勝することが必須。だから、それ(優勝)しか考えていません。そして、そこから先、鈴鹿とSUGOで着実にポイントを稼ぐことができれば…。ともかく手応え十分な週末でした

 

GT300クラス・トップタイム

加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)

 このところ(トップタイムの)コメントを求められることがしばらくなかったから、嬉しいですね(笑)。基本的には昨日と同様ですが、昨日以上にセッティングアイテムを絞ることができました。ライバルの中には(ウェイトハンディを下して)軽くしたのか、最後に来てタイムアップするクルマも少なくありませんでしたが、トップタイムのまま2日間のテストを終えることができました。
 ガソリンも少なく、本当に軽い状態での走行でしたがトップタイムをマークすることができてホッとしています。タイムもそうですが、この2日間、トラブルらしいトラブルもなく走れたことが大きい。(セッティングを詰めて)アップグレードしたな、と思いますね

 

 

 

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