第3戦はタイでの海外大会ということもあって、1ヶ月半ほどの時間が空いた2015年のAUTOBACS SUPER GT。第4戦「FUJI GT 300km RACE」は8月8、9日に富士スピードウェイでの開催となる。6月から暑い日々が続く今年の日本列島。8月に行われるこの第4戦富士とこれに続く第5戦鈴鹿は、まさに真夏の連戦となる。暑いのは辛いが、一方で“夏休み”のシーズンでもある。暑さも吹き飛ぶ熱戦が期待される富士のSUPER GTへ、ぜひ出掛けてみてはいかがだろう。
今季も富士スピードウェイは年2回の開催。5月の第2戦は500kmレースと、いつもより長めの距離でピットインも2回、第3ドライバーもOKだった。今回、8月8、9日の第4戦は通常通りの300kmレース。耐久レース的要素は薄まり、その分、予選の重要度も上がるだけに、土曜日から熱が入った走りを見られそうだ。
“熱さ”と言えば、やはり第4戦のキーワードは“暑さ”だろう。もちろん、各チーム、メーカー、そしてタイヤサプライヤーも暑いレース”は想定しているはず。例年、この時期は“(路面温度の)暑さに強い”ミシュランタイヤが目立つ。だが、他のタイヤもこの時期に勝つことがタイトルに直結することは十分に承知。暑いとエンジンのパワーも落ちるし、近年はGTマシンもエアコン装備やクールスーツなどドライバーケアもしっかりしているが、やはりいつもより集中力が落ちることもありうる。この辺、チームやメーカーがどう対策するかも、勝負の鍵となるだろう。それだけに想定通りの“暑さ”なら、均衡したレースになるはず。だが、もし想定以上に“涼しい”とか昨年のように”強い雨”となったら、状況は一変ということも。
サーキットで観戦する皆さんも暑さ対策(熱中症対策等)をしっかりし、天候の急変にも対応できる準備で、この辺の駆け引き、対応力も観戦のポイントにしてほしい。
第2戦富士では“速さ”が際だった日産GT-R勢が目立ち、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)とNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)のGT-Rワン・ツー・フィニッシュとなった。今回もこの2チームが優勝候補に挙げられる。
だが、他のチーム、メーカーもこの状況に甘んじているはずがない。7月25、26日に行われたGTA公式テスト(スポーツランドSUGO)では、No.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)とNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)がそれぞれの日でトップタイムを記録。特に2日目はトップ4をRC F勢が独占する速さを見せた。もちろん、テストだからライバルとの条件は違うためタイムだけの単純比較はできないが、ランキング上位のウェイトハンディが重くなってくる時期でもあり、ホームコース富士での活躍が期待される。
また、NSX CONCEPT-GT勢にとっては昨年、この夏の富士が唯一勝ったレースである。確かに雨にほんろうされた状況で、多分に“運”もあった勝利かもしれない。しかしNSX CONCEPT-GTは、先代NSXとは違い“高速性能”も武器となっている。SUGOテストで好タイムを記録したNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)、No.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)などが、予選上位になれば優勝も十分射程距離であろう。
GT300クラスだが、第2戦富士ではNo.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)が、第3戦タイではNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)と、日産GT-Rが連勝。第4戦でもこの2台のGT-Rが優勝争いに絡んできそう。また、富士というコースではNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)、No.55 ARTA CR-Z(高木真一/小林崇志)というハイブリッド勢も強い。だが、3号車、10号車は70kg以上、31号車は60kgのウェイトハンディを背負っており、少々苦しい戦いになるかもしれない。
となれば、今年まだ勝利のないメルセデスベンツSLSのNo.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)やNo.0 グッドスマイル初音ミクSLS(谷口信輝/片岡龍也)、そしてNo.65 LEON SLS(黒澤治樹/蒲生尚弥)や今季良い走りを見せてくれているアウディR8 LMSのNo.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢)、No.86 Racing Tech Audi R8(クリスチャン・マメロウ/細川慎弥)なども優勝争いに名を連ねそうだ。
また、先のSUGOテストで連日トップタイムを記録したNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)も、ようやく本領発揮という雰囲気が漂い期待感が高まる。さらにストレートスピードが魅力のNo.77 ケーズフロンティア Direction 458(峰尾恭輔/飯田太陽)も興味深い存在だ。
この第4戦富士と第5戦鈴鹿1000km、暑い8月の連戦はチャンピオンを争う各選手、チームにとって正念場の戦いとなる。単なる勝ち負けだけでなく、ウェイトハンディが厳しいチームは、1点でも多くポイントを稼げる順位に残ることも大事になる。ファンの皆さんも、応援の、注目のチームが、この厳しい条件の中でどんな戦いを見せてくれるのか、しっかり見定めてほしい。残念ながらサーキットへ行けないという方は、J SPORTSの中継、テレビ東京系の「SUPER GT+」、パブリックビューイングでお楽しみください。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |