好天に恵まれた8月9日の午後、2015 AUTOBACS SUPER GT第4戦「FUJI GT 300km RACE」の決勝レースが富士スピードウェイ(静岡県小山町)で行なわれた。午前中に比べて少し雲間は拡がったものの、相変わらず強い日差しが照りつけ、まさに夏の富士らしい暑さのコンディションの中、GT500クラスは、終盤に怒涛の追い上げを見せたNo.24 D'station ADVAN GT-Rの佐々木大樹/ミハエル・クルム組が嬉しい今季初優勝。GT300クラスはNo.55 ARTA CR-Z GTの高木真一/小林崇志組が見事なポール・トゥ・ウインを飾った。
□決勝 天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:32度/48度>途中:32度/48度>終了:27度/36度
厚い雲が空を覆っていた前日とは一転、夏の青空が拡がる好天となった富士スピードウェイ。スタート時点での気温と路面温度はそれぞれ32℃/48℃とこの週末一番の暑さとなる。午後3時にスタートが切られた決勝レースでは、気温/路面温度ともに緩やかに低下して行ったが、ゴール時点でも27℃/36℃と依然高く、この日のレースがドライバーにもクルマにもタフだったことを物語っていた。
ローリングラップを終えて好ダッシュを見せたのは、2戦連続のポールスタートとなったNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)。2番手以下にはNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(野尻智紀)、No.36 PETRONAS TOM'S RC F(ジェームス・ロシター)、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平)、No.24 D'station ADVAN GT-R(ミハエル・クルム)、No.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(オリバー・ターベイ)と続いたが、オープニングラップを終えた段階で早くも、トップと2番手の間には明らかなギャップが築かれていた。
2番手以下のグループでは接近戦がそこここで展開されており、まずは3周目の1コーナーでNo.36 PETRONAS TOM'S RC FがNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GTをかわして2位に進出している。3番手に後退したNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GTはその後、後方からNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fに猛プッシュされることになる。さらに8周目のヘアピンではNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)がNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTとNo.24 D'station ADVAN GT-Rをパスしてポジションを上げてくるが、3台による超接近戦は、しばらく続くことになる。さらにその後方でマッチバトルを繰り広げていたNo.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也)とNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ)だが9周目の最終コーナーで絡んでしまい、No.6 ENEOS SUSTINA RC Fは最後尾まで後退。No.37 KeePer TOM'S RC Fも9番手までポジションを下げてしまっていた。
そうした後方でのドッグファイトを尻目に、No.38 ZENT CERUMO RC Fは、2番手No.36 PETRONAS TOM'S RC Fを引き離して、10周を終えたところで早くも5秒の大差を築いていた。
順調に周回を重ねるNo.38 ZENT CERUMO RC F の立川がピットに戻ってきたのは31周終了時点。チームは43.8秒と素早いピットワークで石浦をレースに送り出している。その翌周にはNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮)、No.24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹)、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)と、この時点でのトップ3がルーティンのピットインを行う。中でも23号車のNISMOのピットワークは素晴らしく、24号車、8号車の前でコースに戻り、5番手に浮上する。さらに2周の後、No.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛から脇阪寿一)とNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリから平川亮)がピットに向かい、これで全車がルーティンのピットインを終えることになる。この時点で上位のオーダーはNo.38 ZENT CERUMO RC F、No.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔)がトップ2をキープしていたものの、3番手にはNo.1 MOTUL AUTECH GT-R。4位のNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)を挟んで5番手にはNo.24 D'station ADVAN GT-Rがつける。
まずはNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが目前のNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fに狙いを定め、みるみる追い詰めていく。そして38周目のダンロップコーナーを立ち上がった先で見事これを攻略。今度はトップを快走していたNo.38 ZENT CERUMO RC Fを追い上げて行った。この時点でNo.24 D'station ADVAN GT-Rはまだ、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTをリーダーとする4位争いの中でもがいていたが、何度かNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTとのマッチレースに持ち込んだ後、53周目の1コーナーでついにこれを攻略、4位に進出することになる。
一方、2位に進出したNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは、No.38 ZENT CERUMO RC Fのテールを脅かすまでは行くものの、なかなか抜きあぐねる。その後方では、ペースの鈍ったNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fをパスして3位にポジションを上げてきたNo.24 D'station ADVAN GT-Rが、このバトルに参入することになる。そして60周目にNo.1 MOTUL AUTECH GT-RをかわしたNo.24 D'station ADVAN GT-Rは、その勢いのまま、62周目のストレートでNo.38 ZENT CERUMO RC Fをパス、23歳、GT500は2年目の佐々木が駆るNo.24 D'station ADVAN GT-Rがとうとうトップに立つことになった。
このままレースは決したかに思われたが、最後の最後でさらにもう一つの逆転劇。スタート直後に最後尾近くまでポジションを落としていたNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が、ルーティンピットを早めた作戦が奏功する。上位陣の派手なバトルに観客の目が集中している間にデ・オリベイラが猛チャージ。気がつくと表彰台に手の届くところまでポジションを上げてきていたのだ。デ・オリベイラはなおもペースを緩めることなくNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rを攻略。ファイナルラップのダンロップコーナーでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rをパスし、見事3位表彰台をゲットすることになった。
No.24 D'station ADVAN GT-RのKONDO RACINGは、2010年の開幕戦鈴鹿以来の優勝。佐々木は嬉しい初優勝で、クルムは2004年以来の通算6勝目となった。
ランキングでは最後の激走で3位となったNo.12 安田/デ・オリベイラ組がランキングトップに浮上。4位のNo.1 松田/クインタレッリ組が2位。このレースはノーポイントで終わったNo.37 アンドレア・カルダレッリ/平川亮組はトップから陥落し、3番手となった。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |