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Race Report
2015.08.29
Rd.5 公式練習:Epson NSX CONCEPT-GTがトップタイム!GT300はロータスが最速に

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第5戦 鈴鹿サーキット:公式練習レビュー

夏休みも押し詰まった8月29日(土曜日)、鈴鹿サーキットでは2015 AUTOBACS SUPER GT第5戦「44th International SUZUKA 1000km」が開幕した。猛暑の1000kmとして知られるが、今回は涼しいコンディションの中、そして夜来の雨でコースが一部濡れた状態で、午前9時20分から1時間45分に渡って公式練習が行われた。GT500クラスではタイヤテストから好調だったNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(ベルトラン・バゲット)が、従来のレコードタイムを上回る好タイムでトップ。GT300クラスではNo.2 シンティアム・アップル・ロータスがトップタイムを記録した。

 

□公式練習 天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始23度・終了25度/開始25度・終了27度

 

GT500 Class
■コースレコードを上回るタイムでEpson NSX CONCEPT-GTが最速

 セッションが始まる40分前にはウェット宣言(レインタイヤ使用可)が出されていたが、開始時点でもまだ一部に濡れた部分の残る状態で、多くのマシンがレインタイヤを装着してコースインして行く。そしてすぐにピットに戻ると、しばらく様子見を決め込むチームも多かった。そんな中、No.64 Epson NSX CONCEPT-GT(ベルトラン・バゲット)が1分50秒台から49秒949まで詰めてくる。コースレコード(1分48秒629)を考えるなら、少なくともライン上はドライとなっていたようだ。
 9時45分に、GT300クラスのNo.86 Racing Tech Audi R8がスプーンの立ち上がりでクラッシュ。マシンにダメージを負ったままピットまで戻ってくるが、結局赤旗が提示され、赤旗中断となる。そしてコースが清掃される間に、S字入口で停まっていたNo.51 JMS LMcorsa Z4もけん引されてピットに戻り、9時51分にセッションは再開されている。
 ここからは50秒台前半の好タイムが続出する。まずはNo.24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹)が52秒972をマークするが、すぐにNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)が51秒415まで詰めてNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTに次ぐ2番手に進出する。これを更新したのはNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大)で50秒412からついに1分50秒の壁を破って49秒142をマーク、逆転トップに立った。さらにNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史)が49秒299、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)49秒848で2〜3番手に続き、この時点では4番手に後退したNo.64 Epson NSX CONCEPT-GTを含めてNSX CONCEPT-GT勢4台が、1分49秒台に揃えてトップ4を独占することになった。
 もちろんライバルもすぐに応戦し、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が1分49秒552で3番手に立つと、No.37 KeePer TOM'S RC F(平川亮)が49秒304でさらに逆転。No.46 S Road MOLA GT-R(本山哲)も1分49秒520で4番手に進出し、これをNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)が49秒252で逆転すれば本山はさらに49秒187まで詰めて再逆転する。さらにはNo.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也)が49秒125まで詰めてトップに立つが、No.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛)がついに49秒の壁を破って1分48秒774まで詰めてトップを奪う。ここで、ダンロップコーナーでオーバーランしてグラベルベッドを突っ切ったNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮)が立体交差下でストップし、GT300クラスのNo.111 Rn-SPORTS GAINER SLSもスプーンでコースオフしてコースサイドにストップしたために2度目の赤旗中断となる。
 再開後は、立川が49秒045、クインタレッリが48秒914まで詰め、それぞれ3番手と2番手に進出。トラブルからかピットを温めていたNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔)がようやくピットアウトして行ったが、すぐにピットに戻りタイムアタックしないまま混走時間を終えることになった。

 10時55分にGT500の専有走行時間帯を示すボードが提示されたが、それと時を同じくして最終コーナーでNo.2 がスピンからコースサイドにストップ。三度目の赤旗中断となり、結局、GT500の専有走行は当初のスケジュールから5分遅れの11時にスタートした。先ずはNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ)が1分48秒903で2番手に進出すると、続いてはNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(ベルトラン・バゲット)が、これまでのコースレコードタイム(1分48秒629)を更新し、何と48秒の壁をも破る1分47秒906をマーク。次の周には47秒589まで詰めて見せた。ウェイトハンディを搭載しないことを考えても、これは素晴らしいタイムだった。
 しかし、それ以上に周囲を驚かせたのはNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)とNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)。それぞれ51kg分と76kg分のウェイトハンディを搭載。実際には50kg分は燃料リストリクターで絞られているのだが、そのハンディを跳ね返すかのようにそれぞれ1分47秒812、1分48秒217まで詰めて2〜3番手につけることに成功した。さらにNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史)が48秒463で4番手。ここまでが従来のコースレコードタイムを更新する速さを見せつけた。
 ここまで3連勝のGT-R勢はNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)、No.24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹)、No.46 S Road MOLA GT-R(柳田真孝)が5〜7番手につけ、No.12 カルソニック IMPUL GT-Rも含めて安定した速さを見せつける格好となった。

 

 

 

 

GT300 Class

 

■GT300はシンティアム・アップル・ロータスが快走

 昨晩の雨で一部路面が湿った部分があるため、ウェット宣言が出される中、定時の9時20分より練習走行が始まる。序盤からしばらくは、GT500クラス勢がレインタイヤで慎重に2分10秒以上のゆっくりとしたペースで走ったため、パワーの少ないGT300クラスのマシンが総合の計時で上位を占める逆転現象が起こっていた。
 まずターゲットとなるトップタイムを出したのはNo.10 GAINER TANAX GT-R(千代勝正)で2分03秒799。10号車は次のラップには2分01秒057まで刻んでくる。しかし、すぐにNo.88 マネパランボルギーニGT3(織戸学)が2分00秒662とトップタイムを書き換える。10分経過時点では、トップ88号車、2番手にNo.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー)が2分00秒900、10号車、No.0 グッドスマイル初音ミクSLS(片岡龍也)、No.360 RUNUP Group&DOES GT-R(吉田広樹)と続く。
 13分頃、No.51 JMS LMcorsa Z4(新田守男)がS字コーナーの2目でマシンをコース外に出してストップ。このところ好調で、今回も上位が期待されていただけに、不安が残るトラブルだ。さらい14分を過ぎたところでNo.86 Racing Tech Audi R8(クリスチャン・マメロウ)がスプーンコーナーでクラッシュ。マシンのタイヤが曲がってしまうほどに右フロント部分を壊し、リアウイングも傾くほどのダメージながら自走しピットに向かう。だが、これは危険と判断され、9時45分に赤旗が提示となり走行は一度中断された。
 パーツが散ったコースを清掃、確認し6分後には走行が再開。ここでNo.10 GAINER TANAX GT-R(千代)が2分00秒567トップタイムを更新。だが、今季好調のGT-Rに待ったを掛けるマシンが現れるNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規)が2分00秒523でトップを奪ってみせる。しかし、やはり好調のGT-R勢。76kgものウェイトハンディを積むNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹)が2分00秒274で最速タイムを叩き出す。そしてタイムはついに2分を切る。2号車の加藤は1分59秒610と、まだコースに湿った部分が残るコンディションながらコースレコード(1分59秒115)に迫るタイムまで刻んでくる。55分経過時点で、トップは2号車、以下、3号車、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)、7号車、0号車と並んでいた。
 この後、No.8 ARTA NSX CONCEPT-GTがダンロップコーナーでコースアウトし、立体交差下でストップ。さらにNo.111 Rn-SPORTS GAINER SLS(池上真)がスプーンでコースアウト。トラブルが連続したため、再度の赤旗、走行中断となった。車両の回収などが行われ、7分後に走行が再開。この後、少し雨がぱらつくが、コースはほぼドライに。終盤の時間帯では、0号車(片岡)が2分00秒381で3番手に、No.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン)が2分00秒085で2番手に浮上した。

 そして10時50分からの10分間はGT300クラスの占有走行に。ここでNo.77 ケーズフロンティア Direction 458(横溝直輝)が2分00秒111で3番手に。好調GT-Rを表すように360号車が2台目の2分切りの1分59秒766で2番手にジャンプアップ。さらに7号車(荒聖治)も1分59秒868で3番手に上がる。
 終了間際にNo.48 DIJON Racing GT-R(高森博士)がピット出口先でストップし、さらに2号車(濱口弘)が最終コーナーでスピンをして、ここで3回目の赤旗となり、GT300の占有走行が終了となった。
 この練習走行では、No.2 シンティアム・アップル・ロータスがトップタイム。以下、No.360 RUNUP Group&DOES GT-R、No.7 Studie BMW Z4とこのトップ3が1分59秒台となった。第3戦タイ優勝のNo.3 B-MAX NDDP GT-Rは6番手、ランキングトップのクートが乗るNo.10 GAINER TANAX GT-Rは10番手、開幕戦優勝のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTは13番手でここまでトップから1秒以内と相変わらずの混戦模様だ。前戦優勝のNo.55 ARTA CR-Z GTは18番手だった。

 

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

ベルトラン・バゲット(No.64 Epson NSX CONCEPT-GT)

「この調子を午後からの予選でもキープしたい」

まずはこの公式練習でトップに立てたことは良かったと思います。鈴鹿の戦いに向けて、テストでもたくさんのタイヤを試すなどトライを続けてきましたが、今日はクルマのフィーリング含めていい状態でした。確かに気温が想定したものよりも低かったけれど、タイヤもいい感じだったし、ラップタイムも良かったです。今朝のセッション最初はコース上にまだあちこち水たまりが残っている状態でした。だんだん良くなっていきましたが、僕たちのメリットは、最初のウェットコンディションでもスリックタイヤでいいタイムを出せたこと。これは、明日の決勝で天候が不安定になるという話もあるので、有利になるのではないかなと思います。
この調子を午後からの予選でもキープしたいし、もちろんポールポジションを目指してがんばりたい。一方で、予選よりも決勝のほうがさらに大事だということもわかっています。ロングランでのタイムがどのくらいになるかまだわからない部分もあるけれど、まずは予選でのポールを狙い、そして決勝でもいい走りを見せたいですね。今朝のようなコンディションの中で安定した走りができるクルマになっているし、決勝でもミスをせず、いい走りを見せることができれば、今シーズン最高の結果を手にすることができると思います。

 

GT300クラス・トップタイム

加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)

「チームのモチベーションを上げるために狙いました」

トップタイムは狙いにいきました。クルマのバランスも第3戦のタイ、SUGOテスト、第4戦富士とどんどん良くなっていて、ここ(鈴鹿)に向けてデータを付き合わせたらさらに削れそうなところがあったので試してみたんですけど、それが良かったですね。
チームのモチベーションを上げるためにもトップタイムが欲しかったので、みんなが手を抜いているあいだに燃料も軽めにしてアタックしました(笑)。
予選、決勝に向けてもおもしろいデータが取れています。とはいえ予選になればみんな(燃料を)軽くしてくると思うので接戦になると思いますが、がんばりますよ。決勝は天気が分からないのでなんとも言えませんが、いろいろなシチュエーションを想定しているのでイケると思います!

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