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Race Report
2015.11.15
Rd.8 フリー走行:RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがトップ!12号車は3番手。GT300はプリウスがトップ

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第8戦 ツインリンクもてぎ:フリー走行レビュー

11月15日、2015 AUTOBACS SUPER GT第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝日を迎え、午前9時ちょうどから30分間のフリー走行が行われた。ツインリンクもてぎ(栃木県)は昨日からの雨が残り、滑りやすい難しいコンディションだ。その中、GT500クラスはNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が、が、GT300クラスはNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)がトップタイムを記録した。また、GT500のランキングリーダーのNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は3番手に着けた。

 

□フリー走行 天候:雨 | コース:ウエット | 気温/路面温度 開始:14度/15度>終了:14度/15度

 

GT500 Class
■RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが終盤にトップタイムをマーク

 肌寒さを一層増すように、小雨が降ったりやんだりを繰り返す中、定刻通り午前9時から30分間のフリー走行が始まった。路面は完全なウエットコンディションだったが、雨脚が変わっていくために、水の量が微妙に変わる、難しいコンディションとなった。

 セッション開始の合図とともに、ほぼ全車が一斉にコースインしていく。昨日の走行セッションと同様にまずはLEXUS RC F勢がタイミングモニターの上位を独占。計測周回が始まって最初にトップに立ったのはNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)だったが、4周目にはNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン)が最初に1分51秒台に入れてトップ逆転。No.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ)がこれに続いた。
 セッション開始から10分が経とうかというところでNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が1分51秒879で3番手に進出するが、これが合図となったように各車入り乱れながらペースタイムを押し上げていく。その中、No.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(野尻智紀)が1分50秒048でトップに立ったが、すぐにNo.37 KeePer TOM'S RC Fが50秒を突破、1分49秒968で逆転トップに立つことになる。セッション終盤まで、49秒台をマークしていたのはNo.37 KeePer TOM'S RCのみだったが、50秒台で多くのマシンが順位を入れ替えながらタイムを上げていく状況が続いた。

 

 

 セッションも残り20分となったところではNo.37 KeePer TOM'S RC FとNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GTのワン・ツーには変わりがなかったが、3番手以下は大混戦でNo.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔)とNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(ベストは小暮卓史、この時点はオリバー・ターベイ)、No.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐)が、コンマ秒差の50秒台前半で続いていた。チャンピオン争いを演じることになる2台は、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(ベストはロニー・クインタレッリ。この時点は松田次生)が1分50秒747で7番手に着けていたものの、ポイントリーダーのNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信)は序盤にマークした51秒879を詰めていたものの、この時点では51秒を切れないまま9番手に着けていた。
 セッション終盤になると少しコンディションが良くなったようで、各車少しずつタイムを詰めてくる。まずはNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大)が1分50秒034で2番手に進出。No.38 ZENT CERUMO RC Fも50秒236まで詰めて6番手にポジションを上げてくる。
 さらにNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(伊沢拓也)も終盤に来て見る見るペースアップ。残り5分となったところで49秒台に入れて2番手に立つとラストラップでは1分49秒114まで詰めてトップに浮上。2列目からスタートする決勝で、今季2勝目、そして逆転タイトルに向け準備万端であることをアピールしていた。同様に初優勝と逆転チャンピオンを狙うNo.38 ZENT CERUMO RC F(石浦宏明)も最後の最後で1分49秒676をマーク、こちらも決勝に期待を繋いだ。一方、セッション中盤でタイムが伸び悩んでいた格好のポイントリーダー、No.12 カルソニック IMPUL GT-Rも終盤に来てペースを上げ13周目には1分49秒744で、この時点でトップ(最終的に3位)に立つなど決勝に期待を繋いでいる。ランキング上位陣の多くが、この朝のフリー走行でも好タイムをマーク。午後1時40分にスタートする決勝レースでは、最終戦の勝利だけでなく、シリーズタイトルの争いも熾烈を極めるものと予想され、大いに楽しみになって来た。ドライバーズランキング2位のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは結局11番手と、決勝レースに不安を感じさせた。
 なお、セッション序盤から電気系のトラブルでピットを温めていたNo.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也)も終盤になってようやくコースイン。元気良く周回を開始していた。

 タイトルが懸かる最終戦の決勝レースは、13時40分スタート。天候は回復傾向だが、路面状況はまだ見通しが立たない。果たしてどんな結末が待っているのか? 緊張感が高まる。

 

 

 

GT300 Class

 

■好調のTOYOTA PRIUS apr GTが速さを示す

 昨日からの雨は小降りになったもの、走行前の路面は完全にウエット。コースオープンと共に全車が出るが、各車しばらくは慎重な走りに終始。開始から7分経過で、No.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート)が2分を切る1分59秒786でトップに立つ。このタイムは、すぐに好調なNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)が1分59秒264で書き換え、さらに1分57秒831までタイムを刻む。これに1分58秒892でNo.11 GAINER TANAX SLS(ビヨン・ビルドハイム)、No.33 Excellence Porsche(坂本祐也)、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学)、No.0 グッドスマイル初音ミクSLS(片岡龍也)と続いた。
 セッションも半ばを過ぎると雨はほぼ止んだ状態。コースの一部は霧が降りて視界が悪いものの走行ラインは水が捌けてきた。残り9分に0号車(谷口信輝)が、1分57秒587の57秒台入りでトップへ上がる。
 このまま0号車がトップで終わるかと思われたラスト1分、このタイムはやはり31号車(嵯峨宏紀)よって書き換えられた。1分57秒363で計時モニターの最上位に、昨日同様にNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTの車名が入った。
 このままチェッカーとなり、昨日からの練習走行、予選のQ1、Q2、このフリー走行まで全セッションで31号車がトップとなった。2番手はディフェンディングチャンピオンのNo.0 グッドスマイル初音ミクSLS。もてぎ3連勝を狙うNo.11 GAINER TANAX SLSが3番手につけた。連勝中のNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)は10番手、前戦でチャンピオンを決めた10号車は11番手、このレースがラストランとなるCR-ZのNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)は19番手と奮わなかった。

 フリー走行後、FIA-F4の最終戦が始まる10時過ぎには雨もほぼ上がった。ただ、もてぎ上空はまだ雨雲が一面にあり、また降り出しても不思議はない。天気予報では午後に向かい回復傾向にあるようだが、決勝レースのコンディションはどうなるのか? 今季最後のレースの展開は? 第8戦もてぎ、決勝レースのスタートは13時40分の予定だ。

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

伊沢拓也(No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT)

「最終戦らしくいいレースを思いっきりやりたい」

 雨はさほど降っておらず、濡れていた路面が次第に乾いていくようなコンディションでした。他の速いクルマもGT300車両に引っ掛かっりながら走っていたと思うんですが、決勝もおそらく今朝と同じような状況にもなると思うので、その中でトップタイムを刻むことができたのは、僕らにとっては決勝に向けてすごく期待がもてると思います。
 クルマの状態もどんどん良くなっているし、いいレースができるのではという手応えがあります。セッション中はタイヤと路面コンディションをどう合わせるかも大事になるでしょうから、その中で最終戦らしくいいレースを思いっきりやりたいですね。

 

GT300クラス・トップタイム

嵯峨宏紀(No.31 TOYOTA PRIUS apr GT)

「タイムは気にせず、昨日の“おさらい”をした」

 決勝に向けて(路面が)乾いていく方向だと思ったので、タイムはそんなに気にしていなかったし、昨日の“おさらい”という感じのセッションでした。(決勝に向けて)不安要素があるとすれば、“ちょい濡れ”のスリックで、そうなるとちょっとキツくなりそうですね。晴れなら晴れがいいし、雨なら雨がいいし、難しいコンディションにならないことを祈りたいと思います。
 昨日の朝のトラブル(足回り)は完全に直っているので心配はありません。決勝ではできれば(ポールから)逃げたいですけど、元々ここはSLSが速いし、11号車とか0号車がそんな簡単に逃がしてくれるとは思っていません。当然優勝を狙いますけど、晴れてきちゃったら表彰台以内にいければいいなという感じですね。

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